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2級工業簿記無料講座

第1章-3:材料消費価格の計算



材料費の計算方法

原則的な方法

ボキタロー さて、今回は「消費」についてのお話だけど、材料ってたしか消費した分だけが製造原価になるんだったね。

はい。材料の消費額、すなわち製造原価としての材料費は原則として次のように計算します。

材料費 = 消費価格 × 消費量

材料費を計算するためには、「消費価格をどのように計算するのか」ということと「消費量をどのように計算するのか」という2つの側面が問題になります。このページでは、まず消費価格の計算方法について学習し、消費量の計算は次のページで扱います。

材料費の計算方法

簡便的な方法

工場消耗品や消耗工具器具備品など、重要性が乏しいものについては購入した金額をすべて当月中に消費したと考えて、材料を購入した時にその買入額を製造間接費(間接材料費)に計上することができます。

ボキタロー もしかして、原価計算って結構いい加減?

簡単に説明しますと、財務諸表は主に利害関係者が意思決定をするための資料として作成されるものなので、その意思決定を誤らせない程度に重要性の低いものであれば、簡便な処理をしても問題ないのです。

そこで、会計のルールでは、重要性の乏しいものについては厳密さよりも簡便な処理によることが許容されているのです(これを重要性の原則という)。

例題 工場消耗品¥100,000を現金で購入した。

借方科目 金額 貸方科目 金額
製造間接費 100,000 現金 100,000


消費価格の計算方法

3つの計算方法

日商簿記2級で出題される可能性のある材料の消費価格の計算方法には、次のようなものがあります。

①先入先出法
先に仕入れた材料から先に払い出すと仮定して、材料の消費価格を計算する方法。
②移動平均法
材料の仕入れのつど平均単価を計算し、それをもって材料の消費価格とする方法。
③月次総平均法
材料の月初在高および当月仕入高の合計金額を月初棚卸数量および当月仕入数量で割って1か月間の平均単価を計算し、それをもって材料の消費価格とする方法。
ボキタロー これって、3級で習った商品の払出単価の計算方法と同じだよね?

はい、そうです。計算方法は同じなので特に問題ないと思います。計算方法が分からない人は、もう一度3級を復習してください。

例題

次の資料を参考に、以下の問いに答えなさい。

【資料】材料の受払記録

日付 摘要 数量 単価 金額
1日 前月繰越 300個 @¥1,000 ¥300,000
10日 受入 900個 @¥1,100 ¥990,000
15日 払出 800個
20日 受入 600個 @¥1,150 ¥690,000
25日 受入 1,000個 @¥1,200 ¥1,200,000
30日 払出 1,500個

(問1)先入先出法によって、当月の材料費を計算しなさい。

(問2)移動平均法によって、当月の材料費を計算しなさい。

(問3)月次総平均法によって、当月の材料費を計算しなさい。なお、平均単価の計算において小数点以下は四捨五入すること。


先入先出法による消費価格の計算

先入先出法では、古い材料から先に払い出すと仮定するので、月末棚卸高は新しいものから順番に残っているということになります。

したがって、月末における材料の帳簿数量500個(=月初(300個)+受入(900個+600個+1,000個)-払出(800個+1,500個))は、すべて25日受入分の単価@¥1,200で構成されていると考えて月末の材料棚卸高を計算し、当月の材料費は貸借の差額で求めます。

先入先出法による材料の消費価格の計算


移動平均法による消費価格の計算

移動平均法では、材料の仕入(受入)のつど平均単価を計算し、それをもって材料の消費価格とします。

日付 摘要 受入高 払出高 残高
1
月初 ¥300,000
(300個×@\1,000)
¥300,000
(300個×@\1,000)
10
受入 ¥990,000
(900個×@\1,100)
¥1,290,000
(1,200個×@\1,075
15
払出 ¥860,000
(800個×@\1,075)
¥430,000
(400個×@\1,075)
20
受入 ¥690,000
(600個×@\1,150)
¥1,120,000
(1,000個×@\1,120
25
受入 ¥1,200,000
(1,000個×@\1,200)
¥2,320,000
(2,000個×@\1,160
30
払出 ¥1,740,000
(1,500個×@\1,160)
¥580,000
(500個×@\1,160)
合計 ¥3,180,000
(2,800個)
¥2,600,000
(2,300個)

・10日受入時の平均単価:(月初¥300,000+受入¥990,000)÷(月初300個+受入900個)=@¥1,075

・20日受入時の平均単価:(残高¥430,000+受入¥690,000)÷(残高400個+受入600個)=@¥1,120

・25日受入時の平均単価:(残高¥1,120,000+受入¥1,200,000)÷(残高1,000個+受入1,000個)=@¥1,160


以上より、払出高(消費高)の合計¥2,600,000が当月の材料費となります。

ボキタロー は~ん。やっぱり移動平均法はめんどくさい。。。

移動平均法は受入のつど平均単価を計算しなければならないので、計算に手数がかかってしまうというデメリットがあります。しかしその反面、払出ごとに材料費を計算することができ、また、材料の残高も常に把握することができるので、在庫管理などの面で優れていると言えるでしょう。


月次総平均法による消費価格の計算

月次総平均法では、以下のように1か月間の平均単価を計算します。

(月初在高+当月仕入高)÷(月初棚卸数量+当月仕入数量)

上の表の受入高欄より、月初在高と当月仕入高の合計額は¥3,180,000、月初棚卸数量と当月仕入数量の合計は2,800個なので、月次総平均法による平均単価は次のようになります。

¥3,180,000÷2,800個=@¥1,136(小数点以下四捨五入)

払出量(消費量)の合計は2,300個なので、当月の材料費は¥2,612,800(=@¥1,136×2,300個)となります。

ボキタロー この方法は移動平均法に比べてかなり楽だね。

月次総平均法は計算が簡便であるというメリットがある反面、月末になるまで平均単価が判明せず材料費の計算が遅れてしまう月末になるまで材料の残高が分からないといったデメリットがあります。

ボキタロー どの方法も一長一短ってことか。



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INDEX

 第0章:工業簿記のアウトライン
 第1章:費目別計算
 第2章:個別原価計算①
 第3章:製造間接費の予定配賦
 第4章:個別原価計算②
 第5章:総合原価計算①
 第6章:総合原価計算②
 第7章:総合原価計算③
 第8章:総合原価計算④
 第9章:工業簿記の財務諸表
 第10章:標準原価計算
 第11章:CVP分析と直接原価計算
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