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2級工業簿記無料講座

第1章-7:労務費の計算と処理方法



消費賃金の計算方法

直接工の消費賃金

直接工の消費賃金は、次のように計算します。

直接工の消費賃金 = 賃率 × 作業時間

ボキタロー 賃率って時給みたいなものでしょ?わざわざそんなのを使って計算するんだ。

はい。前回説明したように、直接工の消費賃金は直接作業時間分のみが直接労務費となり、それ以外は間接労務費となります。そのため、直接工の消費賃金は作業時間ごとに計算する必要があるので「賃率×作業時間」というかたちで計算するのです。

間接工の消費賃金

間接工は製品の生産に直接的に関わらないので、その消費賃金はすべて間接労務費となります。したがって、直接工のように「賃率×作業時間」で計算する必要はなく、当月における要支払額をそのまま間接工の消費賃金とすればいいだけです。

間接工の消費賃金 = 当月の要支払額


要支払額の意味と計算方法

要支払額とは?

ボキタロー ”要支払額”っていう言葉が出てきたけど、ただの”支払額”とは違うの?

原価計算期間は暦月(1日~月末)によりますが、給与計算期間は必ずしも暦月とは限りません。

ボキタロー うん、たしかに。僕の会社もお給料は20日締めで25日支払いだよ。

この場合、原価計算期間と給与計算期間にズレが生じることとなり、これに起因して支払賃金と消費賃金との間にもズレが生じるのです。

そこで、給与計算期間に基づいて算定された支払賃金を原価計算期間に対応する金額(これを要支払額といいます)に調整する必要があるわけです。

具体的には、支払賃金に未払賃金を加減して次のように計算します。なお、未払賃金とは、すでに提供された労働用役に対して、いまだ支払いが終わらない賃金のことをいいます。

当月要支払額 = 当月支払賃金 - 前月未払賃金 + 当月未払賃金

それでは例題を使って計算方法を見ていきましょう。

例題

(問)以下の資料を参考に、当月(5月期)の賃金要支払額を計算しなさい。

【資料】5月期の賃金支払に関するデータ
・給与計算期間:4/21~5/20
・支払日:5/25
・賃金支払額:¥6,000,000
・前月未払賃金:¥1,000,000
・当月未払賃金:¥1,200,000

賃金支払額の¥6,000,000は給与計算期間(4/21~5/20)にもとづいて算定された金額ですが、製造原価(労務費)となる消費賃金は、この金額ではなく原価計算期間(5/1~5/31)にもとづく要支払額で計算しなければなりません。

前月未払賃金は4/21~4/30の期間に係る賃金のことを意味しています。これは、賃金支払額の中に含まれていますが、当月の原価計算期間(5/1~5/31)には含まれないので、要支払額の計算において除外します。

また、当月未払賃金は5/21~5/31の期間に係る賃金のことを意味しています。これは、賃金支払額の中には含まれていませんが、当月の原価計算期間に含まれるので、要支払額の計算において加算します。

以上より、5月期の賃金要支払額は次のようになります。

5月期の賃金要支払額=当月支払賃金¥6,000,000-前月未払賃金¥1,000,000+当月未払賃金¥1,200,000 =¥6,200,000

【図示】

賃金要支払額の計算

賃金勘定に係る仕訳と勘定記入

要支払額の意味と計算方法を理解したところで、次は上の例題を使って賃金勘定に係る仕訳と勘定記入について説明していきます。

①前月未払賃金の振替え

まず、前月未払額を賃金勘定の貸方へ振り替えます。

借方科目 金額 貸方科目 金額
未払賃金 1,000,000 賃金 1,000,000

賃金および未払賃金の図1

②賃金の支払

借方科目 金額 貸方科目 金額
賃金 6,000,000 諸口 6,000,000

当月支払額¥6,000,000のうち、¥1,000,000は前月の未払額となります。

賃金および未払賃金の図2

③当月未払賃金の振替え

当月の未払額¥1,200,000を賃金勘定の借方へ振替えます。

借方科目 金額 貸方科目 金額
賃金 1,200,000 未払賃金 1,200,000

賃金および未払賃金の図3
ボキタロー 今思ったんだけど、何となく3級で習った未払費用の処理と似てるね。

はい。基本的な処理方法は、3級で学習した未払費用と同じと言ってもいいと思います。

④労務費の計上(¥5,000,000が直接労務費と仮定)

直接労務費は仕掛品勘定へ、間接労務費は製造間接費勘定へ振り替えます。

借方科目 金額 貸方科目 金額
仕掛品
製造間接費
5,000,000
1,200,000
賃金 6,200,000

【賃金勘定および未払賃金勘定】

賃金勘定および未払賃金勘定

その他の労務費

賃金以外の賞与や手当などについては、当月の支払額(または引当額)をそのまま労務費(間接労務費)として計上します。

賃金以外の労務費 = 当月の支払額(または引当額)



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 第0章:工業簿記のアウトライン
 第1章:費目別計算
 第2章:個別原価計算①
 第3章:製造間接費の予定配賦
 第4章:個別原価計算②
 第5章:総合原価計算①
 第6章:総合原価計算②
 第7章:総合原価計算③
 第8章:総合原価計算④
 第9章:工業簿記の財務諸表
 第10章:標準原価計算
 第11章:CVP分析と直接原価計算
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