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2級工業簿記無料講座

第1章-7:労務費の計算と処理方法

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消費賃金の計算方法

直接工の消費賃金

直接工(製品の加工作業を行う工員)の消費賃金は、次のように計算します。

直接工の消費賃金 = 賃率 × 作業時間

このように計算する理由は、直接工の消費賃金を直接労務費と間接労務費に分けるためです。

製品の生産との関連が明確な労務費(直接労務費)は、直接的に製品の生産を行った作業時間をもとに計算すべきであり、それ以外のものは直接労務費ではなく間接労務費とすべきです。

したがって、直接工の消費賃金を計算するにあたっては、その作業時間を集計し分類する必要が生じるのです。

作業時間の分類

直接工の作業時間は次のように分類します。

なお、直接工の消費賃金のうち直接労務費となるのは直接作業時間分のみであり、それ以外はすべて間接労務費となります。直接工の消費賃金がすべて直接労務費となるわけではないという点に注意してください。

勤務時間
就業時間 休憩時間
実働時間 手待時間
直接作業時間 間接作業時間
加工時間 段取時間


直接労務費 間接労務費
・就業時間
勤務時間のうち、就業時間のみが賃金の支払対象となります。休憩時間は支払対象とはなりません。
・手待時間
機械の故障や停電等により作業ができずに待機している時間。手待時間も賃金の支払対象となります。
・直接作業時間
製品の生産に従事している時間。実際に加工を行う加工時間とその準備のための段取時間からなります。
・間接作業時間
修繕や清掃など、製品の生産に直接関係のない作業を行っている時間。

間接工の消費賃金

間接工は製品の生産に直接的に関わらないので、その消費賃金はすべて間接労務費となります。したがって、直接工のように作業時間を集計し分類する必要はなく、当月における要支払額をそのまま間接工の消費賃金とすればいいだけです。

間接工の消費賃金 = 当月の要支払額


要支払額とは?

実際に働いたことのある人ならお分かりだと思いますが、給与計算期間は暦月(1日~月末)とは限りません。例えば、20日締めで25日支払いという会社も多くあります。

しかし、原価計算期間は暦月によります。つまり、原価計算期間と給与計算期間にズレが生じることとなり、これに起因して支払賃金と消費賃金との間にもズレが生じるのです。

給与計算期間に基づいて算定された支払賃金を原価計算期間に対応する金額(これを要支払額といいます)に調整する必要があるわけです。

具体的には、支払賃金に未払賃金を加減して次のように計算します。なお、未払賃金とは、すでに提供された労働用役に対して、いまだ支払いが終わらない賃金のことをいいます。

当月要支払額 = 当月支払賃金 - 前月未払賃金 + 当月未払賃金

例題

(問)以下の資料を参考に、当月(5月期)の賃金要支払額を計算しなさい。

【資料】5月期の賃金支払に関するデータ
・給与計算期間:4/21~5/20
・支払日:5/25
・賃金支払額:¥6,000,000
・前月未払賃金:¥1,000,000
・当月未払賃金:¥1,200,000

賃金支払額の¥6,000,000は給与計算期間(4/21~5/20)にもとづいて算定された金額ですが、製造原価(労務費)となる消費賃金は、この金額ではなく原価計算期間(5/1~5/31)にもとづく要支払額で計算しなければなりません。

ここで、前月未払賃金は4/21~4/30の期間における賃金のことを意味しています。これは、賃金支払額の中に含まれていますが、当月の原価計算期間(5/1~5/31)には含まれないので、要支払額の計算において除外します。

また、当月未払賃金は5/21~5/31の期間における賃金のことを意味しています。これは、賃金支払額の中には含まれていませんが、当月の原価計算期間に含めるので、要支払額の計算において加算します。

以上より、5月期の賃金要支払額は次のようになります。

5月期の賃金要支払額=当月支払賃金¥6,000,000-前月未払賃金¥1,000,000+当月未払賃金¥1,200,000 =¥6,200,000

賃金要支払額の計算

仕訳と勘定記入

①前月未払賃金の振替え

借方科目 金額 貸方科目 金額
未払賃金 1,000,000 賃金 1,000,000

賃金の前月未払額を賃金勘定の貸方へ振り替えます。

賃金勘定の図示1

②賃金の支払

借方科目 金額 貸方科目 金額
賃金 6,000,000 諸口 6,000,000

当月支払額¥6,000,000のうち、¥1,000,000は前月の未払額となります。

賃金勘定の図示2

③当月未払賃金の振替え

借方科目 金額 貸方科目 金額
賃金 1,200,000 未払賃金 1,200,000

当月の未払額¥1,200,000を賃金勘定の借方へ振替えます。

賃金勘定の図示3

④労務費の計上(¥5,000,000が直接労務費と仮定)

借方科目 金額 貸方科目 金額
仕掛品
製造間接費
5,000,000
1,200,000
賃金 6,200,000

直接労務費は仕掛品勘定へ、間接労務費は製造間接費勘定へ振り替えます。

【勘定記入】

賃金勘定の記入

その他の労務費

賃金以外の賞与や手当などについては、当月の支払額(または引当額)をそのまま労務費(間接労務費)として計上します。

賃金以外の労務費 = 当月の支払額(または引当額)



ポイントチェック!

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1.直接労務費の計算
①直接工賃金(直接作業時間分
賃率×直接作業時間

2.間接労務費の計算
①直接工賃金(直接作業時間以外
賃率×(間接作業時間+手待時間)
②間接工賃金
当月の要支払額
③その他の労務費(賃金以外の賞与や手当等)
当月の要支払額(または引当額)


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