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第2章-2:個別原価計算の問題の解き方



個別原価計算の例題

受注生産企業である当社では個別原価計算を採用している。当期のデータは次のとおりであったとして、各製造指図書の原価を計算し、原価計算表を完成させなさい。

1.当期の生産状況

製造指図書 製品名 数 量 着手日 完成日 備  考
#100 A製品 200個 6/3 150個だけ完成
#200 B製品 100個 6/5 6/20 すべて完成
#300 C製品 300個 6/7 6/25 すべて完成・顧客に引渡済

2.当期の製造原価

①直接材料費
・価格:@¥600/kg
・消費量

#100 #200 #300 合 計
350kg 220kg 450kg 1,020kg

②直接労務費
・賃率:@¥800/時間
・直接作業時間

#100 #200 #300 合 計
250時間 125時間 300時間 675時間

③直接経費は発生しなかった。

④製造間接費発生額

間接材料費 間接労務費 間接経費 合 計
¥125,000 ¥248,000 ¥275,000 ¥648,000

※製造間接費は、直接労務費を基準に配賦する。


問題の解き方の手順

原価計算の問題では資料が多くなりがちなので、一見難しそうに見えるかもしれませんが計算自体はとても簡単です。

ちなみに、例題の中に出てくる”製造指図書(せいぞうさしずしょ)”とは製造するべき製品の種類や数量、納期などが簡単に書かれている紙切れだと思ってくれれば結構です。

製造部門では、この製造指図書にしたがって製品を生産していくことになります。#100や#200は製造指図書の番号で、それぞれの製品を表しています。

それでは順番に見ていきますが、基本的な計算方法は第2章-1:個別原価計算の意味と計算手続で説明したことがすべてで、それ以上のことは何もありません。

すなわち、製造直接費は各製品に直接賦課、製造間接費は配賦(按分)すればいいだけです。

製造直接費は賦課

まず、直接材料費は@価格に各製造指図書の消費量を掛けて計算していきます。同様に、直接労務費は@賃率に各製造指図書の直接作業時間を掛けて計算します。

#100 #200 #300 合計
直接材料費 @¥600×350kg
¥210,000
@¥600×220kg
¥132,000
@¥600×450kg
¥270,000
¥612,000
直接労務費 @¥800×250時間
¥200,000
@¥800×125時間
¥100,000
@¥800×300時間
¥240,000
¥540,000

電卓の便利な機能の使い方のページにおける”同一単価の計算方法”を応用すれば早く計算できると思います。

このように、製造直接費はどの製品(製造指図書)にいくら発生したのかが跡づけできるので、各製造指図書にそれらを直接賦課すればいいだけなのです。

製造間接費は配賦

一方、製造間接費はどの製造指図書にいくらかかったのかが分かりません。全体としていくら発生したのかということしか分からないのです。したがって、配賦という問題が出てくるのです。

ここで配賦とは、ある一定の基準にもとづいて製造間接費を各製造指図書に按分することですが、この基準のことを配賦基準といいます。なお、どの値を配賦基準にするかということは問題文の指示に従ってください。

上の例題では、問題文の指示により直接労務費の金額を配賦基準とします。


製造間接費の計算

製造間接費の配賦は、まず製造間接費の合計額を配賦基準値(例題では直接労務費)の合計で割って配賦率を計算します。

配賦率 = 製造間接費発生額/配賦基準値(直接労務費)の合計
    = ¥648,000/¥540,000
    = @¥1.2

このように計算された配賦率は、配賦基準値1単位あたりの製造間接費の配賦額を表します。

この例題では、直接労務費1円あたりの製造間接費の配賦額ということになります。つまり、各製造指図書における直接労務費1円あたり製造間接費を1.2円配賦するということです。

あとは、この配賦率に各製造指図書の直接労務費を掛ければいいわけです。

したがって、#100への製造間接費の配賦額の計算は次のようになります。

#100への配賦額 = 配賦率 × #100の配賦基準値(直接労務費)
          = @¥1.2 × ¥200,000
          = ¥240,000

同じように#200、#300の製造間接費配賦額も計算します。

#100 #200 #300 合計
@¥1.2×¥200,000
¥240,000
@¥1.2×¥100,000
¥120,000
@¥1.2×¥240,000
¥288,000
¥648,000

配賦額の合計は、もちろん製造間接費発生額の合計と同じになります。


原価計算表の作成

最後に、ここまでの計算結果を原価計算表に記入していきます。

#100 #200 #300 合  計
直接材料費 ¥210,000 ¥132,000 ¥270,000 ¥612,000
直接労務費 ¥200,000 ¥100,000 ¥240,000 ¥540,000
製造間接費 ¥240,000 ¥120,000 ¥288,000 ¥648,000
合計 ¥650,000 ¥352,000 ¥798,000 ¥1,800,000
備  考 仕掛中 完成 完成・引渡し

個別原価計算では注文数量のすべてが完成した時点で、その製造指図書が「完成」ということになります。したがって、いまだ全量が完成していない製造指図書は「仕掛中」(未完成)となります。




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INDEX

 第0章:工業簿記のアウトライン
 第1章:費目別計算
 第2章:個別原価計算①
 第3章:製造間接費の予定配賦
 第4章:個別原価計算②
 第5章:総合原価計算①
 第6章:総合原価計算②
 第7章:総合原価計算③
 第8章:総合原価計算④
 第9章:工業簿記の財務諸表
 第10章:標準原価計算
 第11章:CVP分析と直接原価計算
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