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第3章-3:公式法変動予算による予算の設定方法

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予定配賦の手続

製造間接費を予定配賦する場合、以下のような手続きに従って行います。この流れに沿って理解していくようにしてください。

①予算の設定・予定配賦率の算定
会計年度のはじめに、当年度の製造間接費予算を設定します。ここで製造間接費予算とは、製造間接費をいくらまでに抑えようという目標額のことです。そして、この製造間接費予算にもとづいて予定配賦率を算定します。
②予定配賦額の計算
原価計算期間の終わりに予定配賦額を計算します。
③実際発生額の集計
同じく原価計算期間の終わりに、その期間における製造間接費の実際発生額を集計します。
④配賦差異の把握・分析
原価計算期間における予定配賦額と実際発生額のズレ(配賦差異)を把握し、その原因を分析します。
⑤配賦差異の会計処理
会計年度のおわりに、その会計年度に生じた配賦差異について会計処理を行います。

製造間接費の予定配賦に関する問題を解く場合には、いま自分がどの段階の計算をしているのかということを意識しておくことが重要です。

製造間接費の予定配賦の流れ

まず、①予算の設定方法について説明していきますが、この予算の設定方法のうち、日商簿記検定2級で出題される可能性があるものは公式法変動予算固定予算です。

このページでは、まず公式法変動予算について見ていくことにしましょう。


公式法変動予算とは

公式法変動予算では、変動製造間接費の予算と固定製造間接費の予算を別々に設定します。それぞれの予算の設定は次のように行われます。

①変動製造間接費(変動費)
以前に説明したように、変動費は操業度に比例して増減します。したがって、変動費については通常、「操業度1単位あたり何円」という形で設定します。この操業度1単位あたり変動費のことを変動費率といいます。
②固定製造間接費(固定費)
固定費は操業度に関係なく一定額が発生するものなので、その期間における発生額総額の予算を設定します。

それでは、以下の例題を使って実際に計算してみましょう。

例題

当期の製造間接費のデータは以下のとおりである。公式法変動予算によって①予定配賦率および②予定配賦額を計算しなさい。

1.当期の予算額に関する資料

変動費予算額:¥600,000

固定費予算額:¥900,000

2.操業度に関する資料

基準操業度:3,000時間

実際操業度:2,800時間


公式法変動予算の計算方法

用語の説明

基準操業度

基準操業度とは、ある一定期間(通常1年)の操業度の予測値です。製造間接費の予算はこの基準操業度に基づいて算定されます。

予定配賦率

予定配賦率は操業度1単位あたりいくらの製造間接費を配賦するかということです。予定配賦率は変動費率と固定費率に分けることができます。

予定配賦率 = 変動費率 + 固定費率

予定配賦額

予定配賦額は予定配賦率に実際操業度を掛けて計算したものです。

予定配賦額 = 予定配賦率 × 実際操業度

変動製造間接費予算

まず予定配賦率を求めるために変動費率を計算します。

変動費予算額は基準操業度における変動費の予算額を表します。つまり、変動費率に基準操業度を掛けて計算したものなので、逆に変動費予算額を基準操業度で割れば変動費率を計算できます。

変動費予算額(¥600,000) = 変動費率 × 基準操業度(3,000時間)
変動費率 = 変動費予算額(¥600,000) ÷ 基準操業度(3,000時間)
変動費率 = @¥200

公式法変動予算による変動費率の計算

固定製造間接費予算

変動費と同じく、固定費予算額を基準操業度で割って固定費率を計算します。

固定費率 = ¥900,000 ÷ 3,000時間 = @¥300

公式法変動予算による固定費予算額の計算

公式法変動予算による予定配賦率と予定配賦額

上の変動費予算と固定費予算を合算したものが公式法変動予算となります。

公式法変動予算による予定配賦率と予定配賦額の計算

したがって例題の答えは、次のようになります。

予定配賦率 = 変動費率(@¥200) + 固定費率(@¥300) = @¥500
予定配賦額 = 予定配賦率(@¥500) × 実際操業度(2,800時間)
= ¥1,400,000



ポイントチェック!

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1.製造間接費の予定配賦は、以下の手続きに従って行う。
①予算の設定・予定配賦率の算定
②予定配賦額の計算
③実際発生額の集計
④配賦差異の把握・分析
⑤配賦差異の会計処理

2.公式法変動予算とは変動製造間接費の予算と固定製造間接費の予算を別々に設定する方法である。

3.予定配賦率は製造間接費予算額を基準操業度で割って求める。

4.予定配賦額は予定配賦率に実際操業度を掛けて求める。


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