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第3章-6:固定予算による製造間接費の差異分析

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固定予算と公式法変動予算の違い

固定予算では、公式法変動予算のように製造間接費の予算額を変動費と固定費に分けることはしません。製造間接費の全てを操業度にかかわらず一定、つまり固定費と考えます。

固定予算を用いる場合でも、予定配賦率、予定配賦額および配賦差異の計算方法は公式法変動予算の場合と同じでが、予算許容額の計算方法に違いがあります。

公式法変動予算の場合は、実際操業度における予算額を予算許容額としましたが、固定予算では基準操業度に対応する予算額をそのまま予算許容額とします。つまり固定予算では、予算許容額は操業度にかかわらず一定ということになります。

固定予算における予算許容額 = 製造間接費予算額


固定予算による差異分析

先ほど言ったように、固定予算を用いる場合でも、予定配賦率、予定配賦額および配賦差異(予算差異+操業度差異)の計算方法は公式法変動予算の場合と同じです。

予定配賦率 = 製造間接費予算額 ÷ 基準操業度
予定配賦額 = 予定配賦率 × 実際操業度
配賦差異 = 予定配賦額 - 製造間接費実際発生額
     = 予算差異  + 操業度差異

固定予算では、予算許容額は操業度にかかわらず一定なので、固定予算の図は以下のようになります。

固定予算の図のひな形

固定予算による差異分析の問題

例題

当期の製造間接費のデータは以下のとおりである。固定予算によって配賦差異を計算し、それを予算差異と操業度差異に分析しなさい。

当期の実際操業度 2,800時間
当期の実際発生額 ¥1,450,000
予算変動費率 @¥200
固定費予算額 ¥900,000
基準操業度 3,000時間

①資料として与えられている数値を図に記入していきます。

固定予算における予算許容額の求め方

予算額は基準操業度に対応したものなので、変動費予算額は変動費率に基準操業度を掛けて計算します。

変動費予算額 = @変動費率 × 基準操業度
       = @¥200  × 3,000時間
       = ¥600,000

製造間接費予算額は、変動費予算額と固定費予算額の合計です。

製造間接費予算額 = 変動費予算額 + 固定費予算額
         = ¥600,000 + ¥900,000
         = ¥1,500,000

先ほども言ったように、固定予算では基準操業度に対応する予算額をそのまま予算許容額とします。

固定予算における予算許容額 = 製造間接費予算額
              = ¥1,500,000

②予定配賦率および予定配賦額を求めます。

固定予算における予定配賦率の求め方

予定配賦率および予定配賦額の計算方法は、公式法変動予算の場合と同じです。すなわち、予定配賦率は予算額を基準操業度で割って計算し、予定配賦額は予定配賦率に実際操業度を掛けて計算します。

予定配賦率 =製造間接費予算額 ÷ 基準操業度
      = ¥1,500,000 ÷ 3,000時間
      = @¥500
予定配賦額 = 予定配賦率 × 実際操業度
      = @¥500  × 2,800時間
      = ¥1,400,000

配賦差異の総額も公式法変動予算の場合と同じく、予定配賦額と実際発生額の差額となります。

配賦差異 = 予定配賦額 - 実際発生額
     =¥1,400,000 - ¥1,450,000
     =-¥50,000(不利差異)

③配賦差異を予算差異と操業度差異に分析します。

予算許容額と実際発生額との差額で予算差異を求めます。計算式を暗記するよりも、図のどこが予算差異に該当するのかを確認してください。

固定予算における予算差異および操業度差異の求め方

予算差異と操業度差異の求め方も、やはり公式法変動予算の場合と同じです。

(実際発生額) ←  → (予算許容額) ←  → (予定配賦額)
【予算差異】 【操業度差異】
L______________」
【配賦差異】

ただし、公式法変動予算と固定予算とでは予算許容額が異なるので、予算差異と操業度差異の金額は異なるものとなります。

つまり、配賦差異の総額は公式法変動予算の場合と固定予算の場合とで同じですが、その内訳(予算差異と操業度差異)が異なるということになります。

予算差異 = 予算許容額  -  実際発生額
     = ¥1,500,000 - ¥1,450,000
     = ¥50,000(有利差異)
操業度差異 = 予定配賦額 -  予算許容額
      = ¥1,400,000 - ¥1,500,000
      = -¥100,000(不利差異)

予算差異は、実際の発生額が当初の予想よりも少なくて済んだので有利差異(貸方差異)ということになります。一方で操業度差異は、不景気による需要の減少などの理由で、実際操業度が当初予想された操業度(基準操業度)を下回ったので、不利差異(借方差異)になります。

そして、予算差異と操業度差異の合計が配賦差異総額となります。もう一度上の図で確認してください。

配賦差異総額 = 予算差異 + 操業度差異
       = ¥50,000 + -¥100,000
       = -¥50,000(不利差異)



ポイントチェック!

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1.固定予算では予算許容額は操業度にかかわらず一定であると考える。

2.固定予算と公式法変動予算との比較
①予定配賦率および予定配賦額は両者とも同じなので、配賦差異の総額も同じになる。
②ただし、予算許容額が異なることから配賦差異の内訳(予算差異と操業度差異)は異なる

※公式法変動予算の時と同じく、最初のうちはなるべく図で理解するようにしましょう。


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