1. TOP
  2. 2級工業簿記無料講座
  3. 第3章-7:配賦差異の会計処理と勘定記入
2級工業簿記無料講座

第3章-7:配賦差異の会計処理と勘定記入

スポンサードリンク

例題の設定

第3章-5:公式法変動予算による差異分析の問題の解き方」で説明した例題を使って、製造間接費配賦差異の会計処理と勘定記入について解説していきたいと思いますので、例題の解答・解説はそちらをご覧下さい。

例題

当期の製造間接費のデータは以下のとおりである。公式法変動予算によって配賦差異を計算し、それを予算差異と操業度差異に分析しなさい。

当期の実際操業度 2,800時間
当期の実際発生額 ¥1,450,000
予算変動費率 @¥200
固定費予算額 ¥900,000
基準操業度 3,000時間

答え

予定配賦額 ¥1,400,000
配賦差異 ¥50,000(不利差異)
予算差異 ¥10,000(有利差異)
操業度差異 ¥60,000(不利差異)


会計処理と勘定記入の方法

会計処理と勘定記入については、処理をする順序(処理のタイミング)を意識することを心がけてください。

①予定配賦

製造間接費を予定配賦する場合は、まず予定配賦額を製造間接費勘定から仕掛品勘定へ振り替えます。

借方科目 金額 貸方科目 金額
仕掛品 1,400,000 製造間接費 1,400,000

製造間接費配賦差異の勘定記入①

②実際発生額の集計

原価計算期間が終了した時点において、実際発生額が判明するのでこれを集計します。

借方科目 金額 貸方科目 金額
製造間接費 1,450,000 材料
賃金
経費
***
***
***

製造間接費配賦差異の勘定記入②

③配賦差異の振替

製造間接費勘定の借方が実際発生額、貸方が予定配賦額を表しているので、この貸借差額が配賦差異となります。

製造間接費を予定配賦している場合、製品原価の計算および記帳は予定配賦額に基づいて行っていきますが、実際発生額が判明したからといって仮にそのすべてを実際の金額で計算・記帳し直すとなると大変な作業になってしまいます。

そこで、製品原価の計算や記帳はそのまま(予定配賦額に基づいた金額のまま)にしておき、実際発生額との差額のみを製造間接費配賦差異勘定へ振り替えるという処理を行います。

借方科目 金額 貸方科目 金額
製造間接費配賦差異 50,000 製造間接費 50,000

このように不利差異(実際発生額>予定配賦額)の場合は、これを製造間接費配賦差異勘定の借方へ振り替えることになるので、不利差異のことを借方差異と呼ぶ場合もあります(逆に有利差異の場合は、製造間接費配賦差異勘定の貸方へ振り替えるので貸方差異といいます)。


製造間接費配賦差異の勘定記入③

④売上原価への賦課(年度末の処理)

原価計算期間は通常1か月なので、月次決算ごとに配賦差異を製造間接費配賦差異勘定へ振り替えます。その結果、年度末には製造間接費配賦差異勘定に1年分の配賦差異が集計されていることになります。この配賦差異の残高は、原則として会計年度末にまとめて売上原価へ賦課します。

【年度末における製造間接費配賦差異の残高が¥300,000(不利差異)だったと仮定】

借方科目 金額 貸方科目 金額
売上原価 300,000 製造間接費配賦差異 300,000

製造間接費配賦差異の勘定記入④

このように、配賦差異が不利差異だった場合には売上原価にプラスされることになります(逆に有利差異の場合は売上原価からマイナスされます)。

つまり分かりやすく言うと、”途中経過”は予定配賦額に基づいた金額で計算・記帳を行い、最終的な損益計算の段階で(売上原価を調整することによって)、実際発生額に基づいた損益に修正するといったイメージです。


最後に、参考としてここまでの一連の流れを簡単に示しておきます。





ポイントチェック!

スポンサードリンク
1.配賦差異の会計処理は以下の順序で行う。
予定配賦額を製造間接費勘定から仕掛品勘定へ振り替える。
②原価計算期間の終了時点で、製造間接費の実際発生額を集計する。
③配賦差異を製造間接費配賦差異勘定へ振り替える。
会計年度末において、製造間接費配賦差異勘定の残高を売上原価へ振り替える

※配賦差異の会計処理では、この一連の流れを意識しましょう。


< 前のページへ 目 次 次のページへ >



簿記関連書籍の売れ筋(amazon)



PAGE TOP ▲