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第4章-2:部門費の集計(第1次集計)



部門費の集計(第1次集計)とは

前回学習した内容をもう一度簡単におさらいしておきます。

部門費の集計(第1次集計)とは
原価(製造間接費)を各部門ごとに集計すること。その際、部門費を部門個別費と部門共通費に分類する。
部門個別費とは
どの部門で発生したかが特定できる原価。したがって、当該部門に直接賦課する。
部門共通費とは
どの部門で発生したかが特定できない原価。したがって、適切な配賦基準によって各部門に配賦しなければならない。

部門別計算の問題

当工場では、製造部門として切削部門、組立部門があり、補助部門として動力部門、事務部門がある。次の資料にもとづいて、各製造部門および補助部門における部門費(部門共通費配賦後の金額)を求めなさい。

1.部門個別費実際発生額

切削部門 組立部門 動力部門 事務部門 合 計
¥900,000 ¥980,000 ¥600,000 ¥520,000 ¥3,000,000

2.部門別計算のための配賦基準値

切削部門 組立部門 動力部門 事務部門 合 計
従業員数(人) 80 100 8 12 200
建物占有面積(坪) 850 880 350 420 2,500

3.部門共通費実際発生額

福利厚生費:¥600,000 建物減価償却費:¥850,000 建物保険料:¥250,000


問題の解き方の手順

①部門個別費の賦課

部門個別費はそれぞれの各部門ごとに特定することができるため、当該部門に賦課すればいいだけなので特に問題はないと思います。

②部門共通費の配賦

部門共通費は各部門ごとに特定できないので、適切な配賦基準によって各部門へ配賦する必要があります。なお、どの配賦基準を使うのかということですが、日商簿記2級では常識的に考えれば判断できるものしか出題されませんので、さほど神経質になることはないでしょう。

また、この配賦基準は問題によって異なることがありますので、丸暗記ではなく問題に応じて柔軟に対応するようにしてください。

上の例題では、部門共通費の適切な配賦基準として次のように考えます。※ただし、問題文に指示があれば必ずその指示に従ってください。

部門共通費 適切な配賦基準 理由
福利厚生費 従業員数 通常、福利厚生費は従業員の数に比例する。
建物減価償却費 建物占有面積 通常、建物の面積が広ければ取得原価も大きくなり、減価償却費も大きくなる。
建物保険料 建物占有面積 通常、建物の面積が広ければ保険料も大きくなる。


部門共通費の配賦計算

部門共通費は、適切な配賦基準に基づいて配賦していきます。まず、部門共通費を配賦基準値の合計で割って配賦率を計算します。

福利厚生費の配賦

福利厚生費の場合、適切な配賦基準は従業員数ということになるので計算は次のようになります。

配賦率 = 福利厚生費 ÷ 従業員数
    = ¥600,000 ÷ 200人
    = @¥3,000

これは、従業員1人あたり¥3,000の福利厚生費を配賦するということを意味していますので、これに各部門の従業員数をかけて配賦額を計算します。

切削部門への配賦額 @¥3,000 × 80人 = ¥240,000
組立部門への配賦額 @¥3,000 × 100 = ¥300,000
動力部門への配賦額 @¥3,000 ×  8人 =  ¥24,000
事務部門への配賦額 @¥3,000 × 12人 =  ¥36,000

※このような配賦額の計算は、電卓の便利な機能の使い方のページにおける”同一単価の計算方法”を応用すれば早く計算できると思います。

建物減価償却費および建物保険料についても同じように考えていきます。

建物減価償却費の配賦

切削部門への配賦額 @¥340 × 850坪 = ¥289,000
組立部門への配賦額 @¥340 × 880坪 = ¥299,200
動力部門への配賦額 @¥340 × 350坪 = ¥119,000
事務部門への配賦額 @¥340 × 420坪 = ¥142,800

※配賦率:建物減価償却費¥850,000÷建物占有面積合計2,500坪=@¥340

建物保険料の配賦

切削部門への配賦額 @¥100 × 850坪 = ¥85,000
組立部門への配賦額 @¥100 × 880坪 = ¥88,000
動力部門への配賦額 @¥100 × 350坪 = ¥35,000
事務部門への配賦額 @¥100 × 420坪 = ¥42,000

※配賦率:建物保険料¥250,000÷建物占有面積合計2,500坪=@¥100


問題の答え

部門個別費はそのまま直接賦課、部門共通費は上で計算した通り各部門へ配賦します。

(単位:円)

切削部門 組立部門 動力部門 事務部門 合 計
部門個別費 900,000 980,000 600,000 520,000 3,000,000
部門共通費
福利厚生費 240,000 300,000 24,000 36,000 600,000
建物減価償却費 289,000 299,200 119,000 142,800 850,000
建物保険料 85,000 88,000 35,000 42,000 250,000
合 計 1,514,000 1,667,200 778,000 740,800 4,700,000

【図示】

部門別計算(第1次集計の流れ)



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INDEX

 第0章:工業簿記のアウトライン
 第1章:費目別計算
 第2章:個別原価計算①
 第3章:製造間接費の予定配賦
 第4章:個別原価計算②
 第5章:総合原価計算①
 第6章:総合原価計算②
 第7章:総合原価計算③
 第8章:総合原価計算④
 第9章:工業簿記の財務諸表
 第10章:標準原価計算
 第11章:CVP分析と直接原価計算
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