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第4章-7:製造間接費の部門別予定配賦②

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部門別予定配賦の問題

※前回の例題を再び掲載しておきます。

例題

当工場では、2つの製造部門(切削部門・組立部門)と1つの補助部門(動力部門)により、原価部門が構成されている。次の資料に基づいて、以下の問いに答えなさい。

[資料]

1.20×1年度の予算

(1)各部門における部門個別費および基準操業度

切削部門 組立部門 動力部門
部門個別費 ¥1,444,800 ¥962,400 ¥120,000
基準操業度 9,600時間 7,200時間 300,000kwh

※このうち、切削部門へ180,000kwh、組立部門へ120,000kwhを提供する。

なお、切削部門および組立部門は直接作業時間、動力部門は動力消費量を基準操業度としている。

(2)部門共通費 ¥960,000

切削部門 組立部門 動力部門
従業員数 500人 350人 150人 1,000人

部門共通費は、従業員数を基準として各部門に配賦する。

2.6月期の実績

(1)各部門における部門個別費および実際操業度

切削部門 組立部門 動力部門
部門個別費 ¥138,000 ¥71,000 ¥12,200
実際操業度 850時間 570時間 23,000kwh

※このうち、切削部門へ14,000kwh、組立部門へ9,000kwhを提供した。

(2)部門共通費 ¥72,000

切削部門 組立部門 動力部門
従業員数 500人 350人 150人 1,000人

部門共通費は、従業員数を基準として各部門に配賦する。


【問1】切削部門および組立部門における部門別予定配賦率を求めなさい。

【問2】切削部門および組立部門における部門別予定配賦額を求めなさい。

【問3】切削部門および組立部門における部門費の実際発生額を求めなさい。

【問4】切削部門および組立部門における配賦差異を求めなさい。


問1のおさらい

【問1】の部門別予定配賦率の計算は前ページ(第4章-6:製造間接費の部門別予定配賦①)ですでに解説したので、残りの【問2】以下について解説していきます。

問1の答え

切削部門予定配賦率 @¥217
組立部門予定配賦率 @¥195

【問1】の部門別予定配賦率は、会計年度(1年)のはじめに算定しますが、【問2】以下は原価計算期間(1か月)終了後に計算していきます。

配賦差異の把握・分析のタイミング

部門別予定配賦額の計算(問2)

原価計算期間(1か月)が終了した時点で部門別予定配賦額を計算します。具体的には、部門別予定配賦額は次のように計算しますが、実際操業度を用いるということに注意してください。

部門別予定配賦額 = 部門別予定配賦率 × 実際操業度

問2の答え

切削部門費予定配賦額 切削部門予定配賦率 × 切削部門実際操業度(直接作業時間)
= @¥217    ×   850時間
= ¥184,450
組立部門費予定配賦額 組立部門予定配賦率 × 組立部門実際操業度(直接作業時間)
= @¥195    ×   570時間
= ¥111,150


実際発生額の集計(問3)

配賦差異は予定配賦額と実際発生額との差です。すでに予定配賦額は【問2】で求めたので、次に実際発生額を求めなければなりません。

”実際”発生額なので、すべて[資料2.6月期の実績]の数値を使って計算していきます。

①部門共通費の配賦

部門共通費の実際配賦率 = ¥72,000 ÷ 1,000人 = @¥72

・各部門費(実際)の集計

切削部門 組立部門 動力部門
部門個別費 ¥138,000 ¥71,000 ¥12,200 ¥221,200
部門共通費 ①¥36,000 ②¥25,200 ③¥10,800 ¥72,000
部門費 ¥174,000 ¥96,200 ¥23,000 ¥293,200

① @¥72×500人

② @¥72×350人

③ @¥72×150人

②動力部門費の配賦

動力部門費の実際配賦率 = ¥23,000 ÷ 23,000kwh = @¥1

・製造部門費(実際)の集計

切削部門 組立部門 動力部門
部門費 ¥174,000 ¥96,200 ¥23,000 ¥293,200
動力部門費 ①¥14,000 ②¥9,000 ¥23,000
製造部門費 ¥188,000 ¥105,200 ¥293,200

① @¥1 × 14,000kwh

② @¥1 × 9,000kwh


配賦差異の把握・分析(問4)

配賦差異の把握

これまで計算してきた予定配賦額と実際発生額とを比較して、各部門ごとの配賦差異を把握します。

切削部門における配賦差異 切削部門費予定配賦額 - 切削部門費実際発生額
= ¥184,450   -  ¥188,000
= -¥3,550(不利差異)
組立部門における配賦差異 組立部門費予定配賦額 - 組立部門費実際発生額
= ¥111,150   -  ¥105,200
= ¥5,950(有利差異)

「予定配賦額<実際発生額」の場合、原価が予定していた金額よりも実際には多く発生してしまったので不利差異となります。

逆に、「予定配賦額>実際発生額」の場合、原価が予定していた金額よりも実際には少なくて済んだので有利差異となります。

配賦差異の分析

①予定配賦額 ②実際発生額 配賦差異(①-②)
切削部門費 ¥184,450 ¥188,000 -¥3,550(不利差異)
組立部門費 ¥111,150 ¥105,200 ¥5,950(有利差異)
¥295,600 ¥293,200 ¥2,400(有利差異)

もし部門別予定配賦を用いていないと、工場全体では¥2,400の有利差異なので、これで「めでたし、めでたし」で終わってしまいます。

しかし、部門別予定配賦によって各部門ごとに配賦差異を見てみると、切削部門では不利差異が¥3,550発生していることがわかります。この場合、切削部門の責任者に対して何らかの改善策を求めることにより、さらなる原価の削減が期待できます。

このように、部門別予定配賦では各部門ごとに配賦差異を把握・分析できるので、原価管理という点において非常に有効と言えるのです。




最後にこのページのポイントをチェック!

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1.部門別予定配賦の手続き
①会計年度の始め
部門別予定配賦率の算定
②原価計算期間の終了時点
部門別予定配賦額の計算
→実際発生額の集計
→配賦差異の把握と分析
③会計年度の終わり
→配賦差異の会計処理

※配賦差異の会計処理については「第3章-7:配賦差異の会計処理と勘定記入」で学習済みなので省略します。


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