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第3章-2:不渡手形



不渡手形とは

ボキタロー 取引先から受け取った手形なんだけど、支払期日なのにまだ決済されてないの。どうしたらいいんだろう?

はい。手形の所持人が満期日に支払い請求したにもかかわらず、支払人が支払いを拒絶して手形代金を受け取ることができなくなることを手形の不渡りといい、この手形のことを不渡手形(ふわたりてがた)といいます。

この場合において、手形の所持人は振出人(または裏書人)に対して、手形代金のほか、法定利息や償還請求に要した費用(償還請求費用)を請求することができます。

ボキタロー じゃあ、手形代金が回収できなくなるわけじゃないんだね。よかった。

しかし、支払能力があれば満期日までに支払っているはずなので、不渡手形は通常の「受取手形」とは区別しなければなりません。そこで、これを不渡手形勘定へ振り替える処理を行います。

ボキタロー それだけ回収できなくなる可能性が高いってことか。。。はーん(泣)!


不渡手形の一連の仕訳

①所持している手形が不渡りとなった場合

例題 当社が保有している甲社振出しの約束手形¥10,000が不渡りとなり、甲社に対して償還請求を行なった。なお、このための償還請求費用¥200を現金で支払った。

保有している手形が不渡りとなった場合には、これを受取手形勘定から不渡手形勘定へ振り替えます。このとき「不渡手形」の金額には、延長分の利息や償還に要した費用などの償還請求費用を含めるということに注意してください。

不渡手形の金額 = 手形代金 + 償還請求費用

借方科目 金額 貸方科目 金額
不渡手形 10,200 受取手形
現金
10,000
200
ボキタロー 借方にあるってことは不渡手形勘定は資産なの?なんか変な感じ。

はい。不渡手形は(回収可能性が低いとはいえ)手形の振出人に対する支払請求権という権利を表すものなので資産となります。

②不渡手形が回収不能となった場合の仕訳

例題 甲社が倒産し、同社に対する不渡手形¥10,200(前期発生分)が回収不能となった。なお、貸倒引当金の残高は¥3,000である。

不渡手形が回収不能となった場合には貸倒れとして処理します。処理の方法は3級で学習した売上債権(売掛金など)の貸倒れの処理と同じです。

借方科目 金額 貸方科目 金額
貸倒引当金
貸倒損失
3,000
7,200
不渡手形 10,200

③不渡手形を無事回収した場合の仕訳

例題 甲社に対する不渡手形¥10,200が期限後利息の¥800とともに当座預金に振り込まれた。

不渡手形を回収したときは「不渡手形」を減少させ、期限後の利息は「受取利息」(営業外収益)として処理します。

借方科目 金額 貸方科目 金額
当座預金 11,000 不渡手形
受取利息
10,200
800


裏書(割引)をした手形が不渡りとなった場合

ボキタロー いいこと思いついた。やばそうな手形はさっさと裏書や割引をして、おさらばしちゃえばいいんだ。

裏書(または割引)をした手形が不渡りとなった場合には、その手形を裏書譲渡した(または割り引いた)会社に支払義務が発生します。

ボキタロー そんな理不尽な。。。

このとき、手形の所持人から償還請求を受けた場合には、まず請求金額を支払い、その後に手形の振出人に償還請求することになります。

例題 以前、乙社に裏書譲渡していた甲社振出しの約束手形¥100,000が不渡りとなったので、償還請求費用と延滞利息¥3,000とともに小切手を振り出して支払った。

これを図にすると次のようになります。順番と矢印の向きに注意してください。

裏書(割引)をした手形が不渡りとなった場合のイメージ

乙社に支払った金額はのちに甲社に請求できるので、甲社に対する支払請求権が生じることになります。そこで、この支払った金額を「不渡手形」で処理しておきます。

【例題(上図⑥)における当社の仕訳】

借方科目 金額 貸方科目 金額
不渡手形 103,000 当座預金 103,000

なお、上図⑧の回収もしくは貸倒れの仕訳は先ほど説明した方法と同じです。




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 第7章:リース取引
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