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第4章-3:満期保有目的債券



満期保有目的債券とは?

満期保有目的債券とは、満期まで所有する意図をもって保有する社債その他の債券のことをいい、満期保有目的債券勘定で処理します。また、貸借対照表には「投資有価証券」として表示します。

ボキタロー 満期まで保有するってことは利息をもらうことが主な目的なんだね。

はい。満期保有目的債券は売買目的有価証券のように途中で売却することを予定していないので、売却時の処理は問題にはなりません。

したがって、①購入した時、②利息を受け取った時、③決算時の処理を知っていれば十分です。


①購入した時の仕訳


例題 ×1年4月1日に満期保有目的で、A社社債(額面総額:¥100,000、利率:年3.0%、利払日:9月末と3月末の年2回)を額面¥100につき¥94で購入し、代金は証券会社への手数料¥1,000とともに現金で支払った。

売買目的有価証券と同様に購入時の付随費用は取得原価に含めます

借方科目 金額 貸方科目 金額
満期保有目的債券 95,000 現金 95,000

取得原価:1,000口(=額面総額¥100,000÷@¥100)×@¥94+¥1,000=¥95,000

ボキタロー 社債は口数計算だったね。3級で勉強しました。

②利息を受け取った時の仕訳

3級の復習となりますが、利息を受け取った時は有価証券利息勘定(営業外収益)で処理をします。受取利息勘定ではありませんので注意してください。

例題 ×1年9月30日、A社の社債について社債利札の期限が到来した。
ボキタロー 期限到来後の社債利札は通貨代用証券だから現金勘定で処理。これも3級で習ったよ。
借方科目 金額 貸方科目 金額
現金 1,500 有価証券利息 1,500

額面総額¥100,000×年利率3.0%×6か月/12か月=¥1,500

※2回目の利息受け取り時(×2年3月末)の処理もまったく同じなので省略します。


③決算時の仕訳

原則処理

満期保有目的債券は原則として取得原価で評価します

ボキタロー 売買目的有価証券みたいに時価に評価替えしなくていいの?

はい。満期保有目的債券は満期まで保有することによって、利息や元本を受け取ることを目的としているので、売買目的有価証券のように「今の価値がいくらなのか?」ということについて、さほど重要性はありません。

そのため、満期保有目的債券については評価替えを行わずに、原則として取得原価で評価することになっているのです。

例題 ×2年3月31日、決算を迎えた。当社が保有している有価証券はA社社債のみである。
ボキタロー 取得原価が貸借対照表価額になるってことは何もしなくてもいいのかな。

はい。満期保有目的債券は原則として取得原価で評価します。つまり、帳簿価額(取得原価)のままなので仕訳は必要ありません。よって、貸借対照表価額は取得原価の¥95,000となります。

借方科目 金額 貸方科目 金額
 仕訳なし

取得原価と額面金額との差額が金利の調整部分であると認められる場合

満期保有目的債券は原則として取得原価で評価しますが、債券を債券金額より低い価額又は高い価額で取得した場合において、取得原価と債券金額との差額の性格が金利の調整と認められるときは、償却原価法にもとづいて算定された価額をもって貸借対照表価額とします。

ボキタロー 償却原価法ってなんだ?

はい。まず例題を解く前に、償却原価法とは何かについて簡単に説明しておきたいと思います。

なお、償却原価法には定額法と利息法という方法がありますが、利息法は1級の範囲になるので、ここでは定額法を前提として説明していきます。


償却原価法(定額法)とは?

償却原価法(定額法)とは、債券を債券金額より低い価額又は高い価額で取得した場合において、当該差額に相当する金額を取得日から満期日(償還日)に至るまで毎期均等額を貸借対照表価額に加減する方法をいいます。

ボキタロー はいっ、全然わかりませ~ん。

社債等の約定利率が市場の平均利子率よりも低い場合、社債等の発行会社は金利の調整という目的から、額面金額よりも低い価額で社債等を発行する場合があります(これを割引発行といいます)。このような場合、社債等の額面金額と取得原価との差額は利息としての性格を持つことになります。

社債は額面金額で償還されるので、もし、償却原価法を適用せずに帳簿価額が取得原価のままだとすると、満期日が属する期において、額面金額と取得原価との差額の全額が収益(有価証券利息)として計上されることになります。

【償却原価法を適用しない場合】

償却原価法を適用しない場合

しかし、利息は時の経過とともに発生するものであり、また満期保有目的債券の保有期間全体にわたって発生するものです。

そこで適正な期間損益計算という観点から、額面金額と取得原価との差額を満期保有目的債券の保有期間に応じて毎期、収益(有価証券利息)として計上していこうというわけです。

【償却原価法のイメージ】

償却原価法のイメージ

ボキタロー はいっ、全然わかりませ~ん。

日商簿記2級の試験では、償却原価法(定額法)の計算や処理ができれば問題ないので、この説明を完全に理解する必要はありません。参考程度で十分です。

次のページでは、実際に例題を解きながら償却原価法(定額法)の計算・処理方法について詳しく解説していきます。




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 第1章:銀行勘定調整表
 第2章:商品売買
 第3章:手形その他債権債務
 第4章:有価証券
 第5章:固定資産
 第6章:引当金
 第7章:リース取引
※作成中
 第8章:株式の発行、合併、剰余金
 第9章:税金および決算等
 第10章:本支店会計
※作成中
 第11章:外貨換算会計
※作成中
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※作成中
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