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第4章-3:満期保有目的債券の貸借対照表価額

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原則と例外

満期保有目的債券とは、満期まで所有する意図をもって保有する社債その他の債券のことをいい、「満期保有目的債券」勘定で処理します。

原則

満期保有目的債券は満期まで保有することによって、利息や元本を受け取ることを目的としているので、満期までの間の価格変動のリスクを考慮する必要がありません。

そのため、満期保有目的債券は原則として取得原価で評価します。この場合、決算において評価替えの仕訳は行わないということになります。

例題 決算において当社が保有している有価証券はA社社債(取得原価:¥600,000、決算時の時価:¥540,000)のみである。以下の各ケースにおいて、A社社債に係る決算整理仕訳および貸借対照表価額を答えなさい。

ケース1:A社社債が売買目的有価証券である場合
ケース2:A社社債が満期保有目的債券である場合

ケース1:A社社債が売買目的有価証券である場合

借方科目 金額 貸方科目 金額
有価証券評価損 60,000 売買目的有価証券 60,000

売買目的有価証券である場合、決算において時価に評価替えをします。よって、貸借対照表価額は時価の¥540,000となります。

ケース2:A社社債が満期保有目的債券である場合

借方科目 金額 貸方科目 金額
 仕訳なし

満期保有目的債券は原則として取得原価で評価します。つまり、帳簿価額(取得原価)のままなので仕訳は必要ありません。よって、貸借対照表価額は取得原価の¥600,000となります。

例外

ただし、債券を債券金額より低い価額又は高い価額で取得した場合において、取得原価と債券金額との差額の性格が金利の調整と認められるときは、償却原価法にもとづいて算定された価額をもって貸借対照表価額としなければなりません。

【売買目的有価証券と満期保有目的債券の比較】

保有目的 貸借対照表価額
売買目的有価証券 時価の変動により利益を得ることを目的として保有。 時価
満期保有目的債券 満期まで所有する意図をもって保有。 ※1 取得原価
※2 償却原価法による価額

※1:原則
※2:取得原価と額面金額との差額が金利の調整部分であると認められる場合


償却原価法とは

償却原価法とは、債券を債券金額より低い価額又は高い価額で取得した場合において、当該差額に相当する金額を償還期に至るまで毎期一定の方法で貸借対照表価額に加減する方法をいいます。

社債等の約定利率が市場の平均利子率よりも低い場合、社債等の発行会社は金利の調整という目的から、額面金額よりも低い価額で社債等を発行する場合があります(これを割引発行といいます)。

このような場合、社債等の額面金額と取得原価との差額は利息としての性格を持つことになります。

もし償却原価法を適用しなければ、満期日が属する期において、額面金額と取得原価との差額の全額が収益(有価証券利息)として計上されることになります。

【償却原価法を適用しない場合】

償却原価法を適用しない場合

しかし、利息は時の経過とともに発生するものであり、また満期保有目的債券の保有期間全体にわたるものです。

そこで適切な期間損益計算という観点から、額面金額と取得原価との差額を満期保有目的債券の保有期間に応じて毎期、収益(有価証券利息)として計上していこうというわけです。

【償却原価法のイメージ(償還期間3年)】

償却原価法のイメージ

償却原価法の具体的な処理方法などについては次のページで解説していきます。




ポイントチェック!

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1.満期保有目的債券とは満期まで所有する意図をもって保有する社債その他の債券である。

2.満期保有目的債券の貸借対照表価額
・原則→取得原価
・例外(取得原価と額面金額との差額が金利の調整部分であると認められる場合)→償却原価法にもとづいて算定された価額

3.償却原価法とは、債券を債券金額より低い価額又は高い価額で取得した場合において、当該差額に相当する金額を償還期に至るまで毎期一定の方法で貸借対照表価額に加減する方法をいう。


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