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第4章-4:償却原価法(定額法)



決算日と利払日・満期日が同じケース

前回のラストでは償却原価法(定額法)について簡単に触れました。

ボキタロー うん。全然わからなかったけどね。。。

はい。そこで今回は例題を解きながら具体的な計算方法および処理方法を説明していきたいと思います。

例題 ×1年4月1日に、満期保有目的でA社社債¥970,000(額面総額:¥1,000,000、満期日:×4年3月31日、券面利子率:6%、利払日:3月末および9月末)を現金で取得した。なお、取得原価と額面金額との差額はすべて金利の調整部分であると認められるため、償却原価法(定額法)を適用する。また、当社の会計期間は3月末を決算日とする1年間である。

①×1年4月1日(取得日)の処理

借方科目 金額 貸方科目 金額
満期保有目的債券 970,000 現金 970,000

②×1年9月30日(1回目の利払日)の処理

利息は額面金額に(券面)利子率を掛けて計算しますが、取得してから利払日までの期間は6か月(×1年4月1日~9月30日)なので月割で計算します。なお、受け取った利息は有価証券利息勘定(営業外収益)で処理します。受取利息勘定ではありません。

借方科目 金額 貸方科目 金額
現金 30,000 有価証券利息 30,000

※有価証券利息:¥1,000,000 × 6% × 6か月/12か月 = ¥30,000

③×2年3月31日(2回目の利払日)の処理

1回目の利払日の処理とまったく同じです。この利息受け取り時の仕訳は2回目以降も同じになります。

借方科目 金額 貸方科目 金額
現金 30,000 有価証券利息 30,000

④×2年3月31日(決算日)の処理

取得原価と額面金額との差額はすべて金利の調整部分なので、償却原価法(定額法)を適用します。前回説明したように、定額法とは、この差額に相当する金額を取得日から満期日(償還日)に至るまで毎期均等額を貸借対照表価額に加減する方法をいいます。

ここで注意してほしいのは、”取得日”から満期日までの期間で償却するという点です。要するに、”発行日”から満期日までの期間で償却するのではないということです。

例題では、取得日(×1年4月1日、)から満期日(×4年3月31日)までは3年(36か月)なので、この期間で取得原価¥970,000と額面金額¥1,000,000との差額¥30,000を月割計算により満期保有目的債券の帳簿価額に加算します。

また、×1年度における保有期間は×1年4月1日~×2年3月31日の1年(12か月)なので、×1年度の償却額の計算と仕訳は次のようになります。

×1年度の償却額:¥30,000 × 12か月/36か月 = ¥10,000

なお、取得原価と額面金額の差額は金利の調整と認められるので、加算した金額を有価証券利息として計上します。

借方科目 金額 貸方科目 金額
満期保有目的債券 10,000 有価証券利息 10,000

これは×2年度以降の決算日でも全く同じ処理になります。

【タイムテーブル】

決算日と利払日・満期日が同じケースのタイムテーブル

ボキタロー なるほど。償却原価法を適用したら、満期日には簿価と額面金額が一致するんだ。

はい。そういうことです。


決算日と利払日・満期日が異なるケース

次に、決算日と利払日および満期日が異なるケースについて説明します。基本的な処理は先ほどと同じですが、有価証券利息の見越計上をしなければならないという点にだけ気をつけてください。

ボキタロー 見越計上ってなんでしたっけ?

収益・費用の見越および繰延の処理についてはすでに3級で学習済みなので、ここでは詳しく説明しません。忘れた人はもう一度3級講座で復習してください。

ボキタロー わかりました。ちょっくら復習してきます。

例題 ×1年1月1日に、満期保有目的でA社社債¥970,000(額面:¥1,000,000、満期日:×3年12月31日、券面利子率:6%、利払日:6月末および12月末)を現金で取得した。なお、取得原価と額面金額との差額はすべて金利の調整部分であると認められるため、償却原価法(定額法)を適用する。また、当社の会計期間は3月末を決算日とする1年間である。

①×1年1月1日(取得日)の処理

借方科目 金額 貸方科目 金額
満期保有目的債券 970,000 現金 970,000

②×1年3月31日(取得してから1回目の決算日)の処理

【有価証券利息の見越計上】

決算日と利払日がずれているので、有価証券利息の見越計上を行います。計算期間は満期保有目的債券の保有期間、すなわち、取得日(×1年1/1)から決算日(×1年3/31)までの3か月間となります。

借方科目 金額 貸方科目 金額
未収有価証券利息 15,000 有価証券利息 15,000

※有価証券利息:¥1,000,000 × 6% × 3か月/12か月 = ¥15,000

【償却原価法の適用】

次に、満期保有目的債券について償却原価法を適用します。

例題では、取得日(×1年1月1日、)から満期日(×3年12月31日)までは3年(36か月)なので、この期間で取得原価¥970,000と額面金額¥1,000,000との差額¥30,000を月割計算により満期保有目的債券の帳簿価額に加算します。

なお、計算期間は見越計上の場合と同じく取得日から決算日までの3か月間です。

借方科目 金額 貸方科目 金額
満期保有目的債券 2,500 有価証券利息 2,500

※有価証券利息:¥30,000 × 3か月/36か月 = ¥2,500

なお、上の2つの仕訳を合算して次のような形にしても構いません。

借方科目 金額 貸方科目 金額
未収有価証券利息
満期保有目的債券
15,000
2,500
有価証券利息 17,500

④×1年4月1日(翌期首)の処理

翌期首には利息の見越計上分(未収有価証券利息)に関して再振替仕訳を行います。償却分については再振替をしませんので注意してください。

借方科目 金額 貸方科目 金額
有価証券利息 15,000 未収有価証券利息 15,000

⑤×1年6月末および12月末(1回目と2回目の利払日)の処理

利息受取り時の仕訳は2回目以降も同じです。

借方科目 金額 貸方科目 金額
現金 30,000 有価証券利息 30,000

※有価証券利息:¥1,000,000 × 6% × 6か月/12か月 = ¥30,000

⑥×2年3月31日(取得してから2回目の決算日)の処理

【有価証券利息の見越計上】

決算時には有価証券利息の見越計上を行います。計算期間は直近の利払日の翌日(×2年1月1日)から決算日(×2年3月31日)までの3か月間です。もちろん翌期首には再振替を行います。

借方科目 金額 貸方科目 金額
未収有価証券利息 15,000 有価証券利息 15,000

※有価証券利息:¥1,000,000 × 6% × 3か月/12か月 = ¥15,000

【償却原価法の適用】

次に償却額の計上を行います。計算期間は×1年度の保有期間(×1年4月1日~×2年3月31日)の1年間(12か月)となります。これは×2年度の決算時でも同じになります。

借方科目 金額 貸方科目 金額
満期保有目的債券 10,000 有価証券利息 10,000

※有価証券利息:¥30,000 × 12か月/36か月 = ¥10,000

【タイムテーブル】簿価の動き

決算日と利払日・満期日が異なるケースのタイムテーブル

※満期日には、×3年4/1から×3年12/31(満期日)までの9か月間の償却額を計上することになります(¥30,000×9か月/36か月=¥7,500)。

ボキタロー ただいま。復習から帰ってきました。あれ?終わったの?



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 第4章:有価証券
 第5章:固定資産
 第6章:引当金
 第7章:リース取引
※作成中
 第8章:株式の発行、合併、剰余金
 第9章:税金および決算等
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