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第4章-4:満期保有目的債券の一連の処理

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決算日と利払日・満期日が同じケース


例題 当社(決算は年1回12月末)は×1年1月1日にA社社債¥970,000(額面¥1,000,000、償還期限:3年、券面利子率:6%、利払日:6月末および12月末)を現金で取得した。この債券は満期まで所有する意図をもって保有するものである。なお、取得原価と額面金額との差額はすべて金利の調整部分である。償却原価法(定額法)によった場合、当期(×1年1月1日~12月31日)に係る仕訳および満期日の仕訳を答えなさい。

①×1年1月1日(取得日)の処理

この債券は満期まで所有する意図をもって保有するものなので、「満期保有目的債券」勘定で処理します。

借方科目 金額 貸方科目 金額
満期保有目的債券 970,000 現金 970,000

②×1年6月30日(1回目の利払日)の処理

例題 ×1年6月30日、半年分の利息を現金で受け取った。

利息は額面金額に(券面)利子率を掛けて計算します。また、受け取った利息は「有価証券利息」(営業外収益)で処理します。

借方科目 金額 貸方科目 金額
現金 30,000 有価証券利息 30,000

¥1,000,000 × 6% × 6か月/12か月 = ¥30,000

③×1年12月31日(2回目の利払日)の処理

1回目の利払日の処理とまったく同じです。

借方科目 金額 貸方科目 金額
現金 30,000 有価証券利息 30,000

④×1年12月31日(決算日)の処理

取得原価と額面金額との差額はすべて金利の調整部分なので、償却原価法(定額法)を適用します。なお、定額法とは毎期一定の額を貸借対照表価額に加減する方法をいいます(このほかにも利息法という方法がありますが、2級の試験範囲外なので説明は省略します)。

取得原価¥970,000と額面金額¥1,000,000との差額¥30,000を償還期限にわたって有価証券利息として計上し、その金額を満期保有目的債券の帳簿価額に加算します。

償還期限は3年(36か月)、当期における保有期間は×1年1月1日~×1年12月31日の1年(12か月)なので、償却額の計算と仕訳は次のようになります。定額法の場合、月割で計算します。

¥30,000 × 12か月/36か月 = ¥10,000

借方科目 金額 貸方科目 金額
満期保有目的債券 10,000 有価証券利息 10,000

④×3年12月31日(満期日)の処理

例題 ×3年12月31日、保有する満期保有目的債券が満期日となり、償還金額は現金で受け取った。

まず償却原価法を適用し、額面金額と帳簿価額を一致させます

借方科目 金額 貸方科目 金額
満期保有目的債券 10,000 有価証券利息 10,000

次に、償却原価法適用後の金額(=額面金額)で償還します。

借方科目 金額 貸方科目 金額
現金 1,000,000 満期保有目的債券 1,000,000

※上の2つの仕訳を合算して、以下のような形にしても構いません。

借方科目 金額 貸方科目 金額
現金 1,000,000 満期保有目的債券
有価証券利息
990,000
10,000

【タイムテーブル】

決算日と利払日・満期日が同じケースのタイムテーブル


決算日と利払日・満期日が異なるケース


例題 当社(決算は年1回3月末)は×1年1月1日にA社社債¥970,000(額面¥1,000,000、償還期限:3年、券面利子率:6%、利払日:6月末および12月末)を現金で取得した。この債券は満期まで所有する意図をもって保有するものである。なお、取得原価と額面金額との差額はすべて金利の調整部分である。償却原価法(定額法)によった場合、当期(×1年1月1日~3月31日)に係る仕訳および満期日の仕訳を答えなさい。

①×1年1月1日(取得日)の処理

借方科目 金額 貸方科目 金額
満期保有目的債券 970,000 現金 970,000

②×1年3月31日(決算日)の処理

決算時においては、まず有価証券利息の見越計上を行います。見越計上の期間は取得日(×1年1/1)~決算日(×1年3/31)の3か月間となります。

借方科目 金額 貸方科目 金額
未収有価証券利息 15,000 有価証券利息 15,000

¥1,000,000 × 6% × 3か月/12か月 = ¥15,000

次に償却額の計上を行います。定額法の場合、月割で計算するということに注意してください。

借方科目 金額 貸方科目 金額
満期保有目的債券 2,500 有価証券利息 2,500

¥30,000 × 3か月/36か月 = ¥2,500

③×3年12月31日(満期日)の処理

まず償却原価法を適用し、額面金額と帳簿価額を一致させます。期間は×3年4/1から×3年12/31までの9か月間です。

借方科目 金額 貸方科目 金額
満期保有目的債券 7,500 有価証券利息 7,500

¥30,000 × 9か月/36か月 = ¥7,500

次に、償却原価法適用後の金額(=額面金額)で償還します。

借方科目 金額 貸方科目 金額
現金 1,000,000 満期保有目的債券 1,000,000

※上の2つの仕訳を合算して、以下のような形にしても構いません。

借方科目 金額 貸方科目 金額
現金 1,000,000 満期保有目的債券
有価証券利息
992,500
7,500

【タイムテーブル】

決算日と利払日・満期日が異なるケースのタイムテーブル



ポイントチェック!

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1.満期保有目的債券の貸借対照表価額
・原則→取得原価
・例外(取得原価と額面金額との差額が金利の調整部分であると認められる場合)→償却原価法にもとづいて算定された価額

2.償却原価法とは、債券を債券金額より低い価額又は高い価額で取得した場合において、当該差額に相当する金額を償還期に至るまで毎期一定の方法で貸借対照表価額に加減する方法をいう。

3.定額法とは、毎期一定の額を貸借対照表価額に加減する方法をいう。
※この場合、償却額は月割で計算するということに注意。


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