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第8章-5:剰余金の配当・処分



剰余金の配当・処分とは

株式会社は、(法律上は)株主のものとされています。したがって、株式会社が経営活動を通じて獲得した利益について、このうちいくらを配当に回すのか、どのように使うのかといった事項は株主が株主総会において決定することとされています。これを剰余金の配当・処分といいます。

【株主資本の大まかな分類】

元手
(株主からの払込金)
資本金 (参照)第8章-3:増資時の処理方法
資本準備金
利益
(剰余金)
外部流出 株主配当金
内部留保 処分済 利益準備金
任意積立金
未処分 繰越利益剰余金

剰余金の配当・処分の流れ

まず決算において、その期に獲得した利益を損益勘定から繰越利益剰余金勘定に振り替えます。

そして、決算後3ヶ月以内に開催される株主総会において剰余金の配当・処分が決議された時に、繰越利益剰余金勘定から該当する科目へ振り替えます。

なお、処分されなかった繰越利益剰余金の残高はそのまま翌期以降に繰り越されます。

【剰余金の処分に関する一連の流れ】

剰余金の処分に関する一連の流れ

以下では、これらの具体的な処理方法について見ていきたいと思います。


剰余金の配当・処分の処理方法

決算時の処理

例題 当期純利益は¥500,000であった。

3級で学習したように、当期における収益・費用は損益勘定に集計され、その差額として当期純利益が計算されます。そして決算時において、その金額を繰越利益剰余金勘定に振り替えます。

借方科目 金額 貸方科目 金額
損益 500,000 繰越利益剰余金 500,000

株主総会時の処理

例題 株主総会における剰余金の処分は次のとおりである。
利益準備金:会社法に規定する額 配当金:¥200,000 任意積立金:¥150,000

不測の損害等に備えて、一定の額を積み立てて会社内に留保しておく制度を準備金といいます。会社法では、株主への配当を行った場合に、一定の額を利益準備金として積み立てることを要求しています。

また、任意積立金とは株主総会の決議によって積み立てられたもののうち法律によって積立が強制されていないものをいいます。

なお、利益準備金の積立額は自分で計算しなければならないので、次に説明する計算方法をしっかりとマスターしてください。

利益準備金の積立額の計算

会社法では株主への配当を行う際に、資本準備金と利益準備金の合計が資本金の4分の1に達するまで、株主への配当金の10分の1を利益準備金として積み立てることを要求しています。

この文章では少しわかりにくいので、実際に計算をする場合は次のように考えてください。

①まず、配当金の10分の1を計算する。

配当金:¥200,000 × 1/10 = ¥20,000

②「4分の1規定」に引っかからないかどうかを判断する。

利益準備金として積み立てることができる額(利益準備金積立可能額)は、資本準備金と利益準備金の合計が資本金の4分の1に達するまでです。

したがって、例題における利益準備金積立可能額は次のようになります。

利益準備金積立可能額
=資本金¥12,000,000×1/4-(資本準備金¥1,000,000+利益準備金¥200,000)
=¥1,800,000

つまり、「あと¥1,800,000まで利益準備金を積み立てることができる」ということなので、配当金の10分の1である¥20,000をすべて積み立てることになります。

これは、「配当金の10分の1と利益準備金積立可能額のいずれか小さい方の額」と言い換えることもできます。

すなわち、例題では「配当金の10分の1(¥20,000)<利益準備金積立可能額(¥1,800,000)」となるので、利益準備金の積立額は「配当金の10分の1」ということになります。

配当に伴う利益準備金積立額の計算

以上より、株主総会時の仕訳は次のようになります。

借方科目 金額 貸方科目 金額
繰越利益剰余金 370,000 未払配当金
利益準備金
任意積立金
200,000
20,000
150,000

なお、株主総会では配当金をいくら支払うかを決議するだけで、実際に支払われるのは後日となります。したがって、配当金については「未払配当金」で処理しておきます。

繰越利益剰余金の記入

繰越利益剰余金への記入

配当金支払時の処理

例題 配当金を小切手を振り出して支払った。

借方科目 金額 貸方科目 金額
未払配当金 200,000 当座預金 200,000

配当金を支払った時点で、未払配当金を減少させます。


株主資本等変動計算書

株主資本等変動計算書とは、主として株主資本の各項目が、当期においていくら増減したのか及びその変動事由を報告するために作成されるものです。

上の例題の場合、株主資本等変動計算書への記入は次のようになります(期首残高は記入済み)。特に当期変動額の記入方法について注意してください。

株主資本等変動計算書



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INDEX

 第0章:本章に入る前に
 第1章:銀行勘定調整表
 第2章:商品売買
 第3章:手形取引
 第4章:売買目的有価証券および満期保有目的債券
 第5章:固定資産
 第6章:引当金
 第7章:社債
※試験範囲外のため削除
 第8章:株式の発行および剰余金
 第9章:税金および決算等
【連絡先】
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※スパムメール防止のため、
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