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第1章-7:小口現金の意味と仕訳方法

以前、日常的な取引では現金ではなく小切手を使用する場合があると言いましたが、例えば文房具を買ったり茶菓子を買ったり、そんな少額の支払いにまでいちいち小切手を振り出していたら逆に手数がかかってしまいます。

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小口現金とは

現金での取引は危険が伴う上に手数もかかるという理由から、受け取った現金は直ちに当座預金に預け入れ、支払いは小切手を振り出して行う場合があります。

しかしながら、日常的な少額の支払いのためには、支払担当者にあらかじめ現金を前渡ししておいたほうが便利です。

このような現金を小口現金(こぐちげんきん)といい、小口現金勘定で処理します。小口現金勘定は資産(貸借対照表の項目)なので、増加すれば借方、減少すれば貸方に記入します。

小口現金勘定

※小口現金は、貸借対照表上は「現金」として表示します。


小口現金の仕訳方法

小口現金の一連の処理を図示すると次のようになります。

小口現金の一連の処理

①前渡し時の処理

例題 用度係(支払担当者)に、小口現金として小切手¥1,000を振り出して前渡しした。

小口現金はもちろん資産ですので借方の項目です。通常、小口現金の前渡しや補給には小切手を振り出して行います。

借方科目 金額 貸方科目 金額
小口現金 1,000 当座預金 1,000

②小切手換金時の処理

例題 用度係は、小口現金として振り出された小切手¥1,000を銀行で換金した。

仕訳なし

用度係は、振り出された小切手を諸経費の支払いのために銀行で換金してもらいますが、仕訳は行いません。

face01 取引が発生したら仕訳をしなくちゃいけないんじゃないの?

小口現金の処理の場合、仕訳の対象となるのは会計係が行なった行為のみとなります。したがって、用度係が行なった行為は仕訳の対象とはなりませんので注意してください。

③諸経費支払い時の処理

例題 用度係は、通信費¥400、交通費¥250、雑費¥150を小口現金から支払った。

仕訳なし

これも用度係の行為となりますので、仕訳は行いません。

④支払報告時の処理

例題 週末に、用度係から上記の通信費¥400、交通費¥250、雑費¥150の支払いの報告を受けた。

用度係から支払いの報告を受けた時点で仕訳をします。

借方科目 金額 貸方科目 金額
通信費
交通費
雑費
400
250
150
小口現金 800

各経費を計上するとともに小口現金勘定を支払った金額だけ減少させます。

⑤補給時の処理

補給時の仕訳に関しては、翌週(または翌月)に補給する方法と支払報告後ただちに補給する方法があります。

ⅰ.翌週に補給した場合

例題 翌週の始めに、先週末の支払報告書にもとづいて、用度係へ¥800の小切手を振り出して補給した。

借方科目 金額 貸方科目 金額
小口現金 800 当座預金 800

ⅱ.支払報告後ただちに補給した場合

例題 支払報告があったので、用度係へ小切手¥800を振り出してただちに補給した。

支払報告を受け、ただちに補給した場合には支払報告時の仕訳と補給時の仕訳を合計したものとなります。

借方科目 金額 貸方科目 金額
支払報告時の仕訳 通信費
交通費
雑費
400
250
150
小口現金 800
補給時の仕訳 小口現金 800 当座預金 800

借方と貸方に同額の小口現金¥800があるのでこれが消えて以下のような仕訳になります。小口現金は動かないという点に注意してください。

借方科目 金額 貸方科目 金額
通信費
交通費
雑費
400
250
150
当座預金 800


定額資金前渡制度

定額資金前渡制度(インプレスト・システム)とは、補給の際にその週(又はその月)に使った金額と同額を補給するという方法です。

上記の一連の取引では支払額が¥800なので、それと同額の¥800を補給しています。

その結果、週(又は月)の始めにおいて用度係の手許には、常に一定額の資金(¥1,000)が前渡しされているという状態になります。




ポイントチェック!

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1.小口現金の一連の仕訳
①前渡し時→小口現金勘定の増加。
②支払いの報告時→各経費の計上と小口現金勘定の減少。
③補給時→小口現金勘定の増加。
※②と③の処理において、支払報告後ただちに補給した場合は、各経費を計上するとともに当座預金勘定を減少させる(小口現金は動かない)。

2.定額資金前渡制度(インプレスト・システム)とは、補給の際にはその週(又はその月)に使った金額と同額を補給する方法である。


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