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第6章-10:費用の見越し(未払費用)



費用の見越しとは?

例えば、12月1日にお店を借りて、その1年分の家賃¥1,200,000を翌年の11月30日に後払いですべてまとめて支払うとします(決算日:12月31日)。

このとき、当期の「支払家賃」(費用)の金額はいくらでしょうか?

face01 当期はまだ1円も家賃を払ってないんだから、当期の「支払家賃」は¥0だね。

それは違います。なぜなら、この「支払家賃」は12月1日から翌年の11月30日までの1年間お店を借りて利用することによるものだからです。

会計期間別に見ると、当期はこのお店を1か月間(12月1日~12月31日)利用しているわけですから、1か月分の金額を費用として計上すべきなのです。

face01 つまり、まだ家賃を払ってなくても当期に利用した部分は当期の費用として計上しないといけないってことだね。

はい、そのとおり。具体的には、いまだ支払っていない金額のうち当期に属する部分を当期の費用として見越計上するための処理を行います。

face01 なんかよくわからないので、具体例で見ていこう。


費用の見越しの仕訳


例題 ×1年12月1日に営業のための店舗を賃借した。1年分の家賃¥1,200,000はすべて×2年11月30日に後払いする契約である。なお、当期は×1年12月31日で終了する1年間である。

①店舗を借りた時(×1年12月1日)

店舗を借りただけでは簿記上の取引とはなりませんので、仕訳は必要ありません。

face01 たしか、簿記上の取引って「資産」「負債」「純資産」「費用」「収益」のどれかが増減する取引のことだったね。

②決算時(×1年12月31日)

1年分の家賃はすべて次期に支払うので、当期の支払額はゼロです。しかし、当期においてこの店舗を1か月間(×1年12月1日~×1年12月31日)利用しているわけですから、この1か月分の家賃を月割で当期の費用として計上しなければなりません

そこで決算において、当期に属する費用を見越計上するための処理を行います。

借方科目 金額 貸方科目 金額
支払家賃 100,000 未払家賃 100,000

※1か月分の家賃¥100,000(=¥1,200,000÷12か月)

face01 これで1か月分の家賃が当期の費用(「支払家賃」)として計上されるわけだね。

はい、そのとおり。次期に支払う「支払家賃」の一部を当期に見越計上したということです。

【タイムテーブル】

未払費用のタイムテーブル

なお、未払家賃勘定は費用の後払いなので負債となります。

未払費用

※未払費用は、仕訳上は「未払家賃」「未払利息」などの具体的な名称を使います。


次期における処理

①翌期首(×2年1月1日)の再振替仕訳

翌期首には、やはり再振替仕訳を行います。前期末に行なった仕訳の逆仕訳です。

借方科目 金額 貸方科目 金額
未払家賃 100,000 支払家賃 100,000

「未払家賃」の前期末残高¥100,000を「支払家賃」へ振り替えることにより、未払家賃勘定の残高はゼロとなって消えます。

face01 「支払家賃」って費用なのに、なんで貸方なの?

×1年度において、すでに「支払家賃」の1か月分を見越計上しているので、これを×2年度の費用から除去するということを意味しています。

②家賃の支払日(×2年11月30日)

例題 ×2年11月30日に家賃の支払日となり、1年分の家賃¥1,200,000を普通預金口座から振り替えて支払った。

借方科目 金額 貸方科目 金額
支払家賃 1,200,000 普通預金 1,200,000

家賃の支払額は1年分の¥1,200,000ですが、期首の再振替仕訳によって支払家賃勘定の貸方に1か月分の¥100,000がすでに計上されているので、支払家賃勘定の金額は¥1,100,000となります。

face01 あっそうか!これで、×2年度の「支払家賃」は11か月分の¥1,100,000になるんだ!

はい。×2年度に支払った1年分の「支払家賃」¥1,200,000が×1年度の¥100,000(1か月分)と×2年度の¥1,100,000(11か月分)とに期間配分されたことになるわけです。

【勘定記入】

再振替仕訳の勘定記入



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