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第8章-1:3伝票制の意味と一部現金取引

会社の規模が大きくなると日々発生する取引の数も多くなってきます。しかし、その取引すべてを1冊の仕訳帳に1人が記入しなければならないとなると大変です。もっと効率的な方法はないのでしょうか?

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伝票とは

face01 質問!ぼくの会社、仕訳帳が1つしかないから増やしてもいい?

基本的に仕訳帳は1つです。増やすことはできません。

face01 でも、仕訳帳が1つだと1人しか記帳作業ができないから大変なの。

はい。そのような場合は伝票を使います。通常、元帳への転記は仕訳帳が用いられますが、実務においては仕訳帳はほとんど用いられていないというのが現状です。

まず取引を最初に認識した各担当者が伝票に必要事項を記入し、取引の内容について各関係者に正しく伝達します。

face01 もしかして、取引内容を”伝”える”票(紙片)”だから伝票?

はい、そのとおりです。 伝票というのは、そもそも取引の仕訳を示したようなものなので、これらを日付順に綴じてやると仕訳帳の代用として利用することができるのです。

このように伝票を用いることによって、記帳作業を分担できるようになるわけです。また、取引に関する責任を明らかにし、後日の証拠にもなります。


3伝票制とは

3伝票制とは、①入金伝票、②出金伝票、③振替伝票の3つを用いる方法です。

入金伝票 入金取引(借方が「現金」の取引)を記入します。
出金伝票 出金取引(貸方が「現金」の取引)を記入します。
振替伝票 振替取引(現金収支を伴わない取引)を記入します。

入金取引は入金伝票へ、出金取引は出金伝票へ、それら以外の取引は振替伝票へ記入します。そして次に、各伝票から直接総勘定元帳へ転記します。

3伝票制のイメージ

3伝票制による伝票の記入方法

それでは実際に例題を使って、基本的な伝票の記入方法を見ていきましょう。

例題 ①商品¥3,000を現金で売り上げた。
②買掛金¥1,500を現金で支払った。
③商品¥2,000を掛けで売り上げた。

①の取引

まず仕訳を考え、借方に「現金」がある取引は入金伝票に記入します。入金伝票には相手科目と金額を記入します。

【仕訳】

借方科目 金額 貸方科目 金額
現金 3,000 売上 3,000

【入金伝票の記入例】

②の取引

貸方に「現金」がある取引は出金伝票に記入します。出金伝票には相手科目と金額を記入します。

【仕訳】

借方科目 金額 貸方科目 金額
買掛金 1,500 現金 1,500

【出金伝票の記入例】

③の取引

上記以外の取引(「現金」がない取引)は振替伝票に記入します。振替伝票には仕訳全体をそのまま記入します。

【仕訳】

借方科目 金額 貸方科目 金額
売掛金 2,000 売上 2,000

【振替伝票の記入例】



一部現金取引がある場合の記入方法


例題 商品¥1,000を売り上げ、¥200は現金で受け取り、残額は掛けとした。

この例題の本来の仕訳は、

借方科目 金額 貸方科目 金額
現金
売掛金
200
800
売上 1,000

となりますが、このように一部だけに現金収支を伴うような取引(一部現金取引)の場合、伝票への記入方法として以下の2つの方法があります。

①取引を分解する方法

上記の取引をⅰ.現金売上とⅱ.掛売上という2つの取引に分解して記入します。

借方科目 金額 貸方科目 金額
ⅰ.入金伝票へ記入 現金 200 売上 200
ⅱ.振替伝票へ記入 売掛金 800 売上 800

②取引を擬制する方法

上記の取引をⅰ.いったんすべて掛けで売り上げて、ⅱ.その後すぐに現金で¥200を回収したと考えて記入していきます。

借方科目 金額 貸方科目 金額
ⅰ.振替伝票へ記入 売掛金 1,000 売上 1,000
ⅱ.入金伝票へ記入 現金 200 売掛金 200

いずれの方法もⅰの仕訳とⅱの仕訳を合算すると、本来の仕訳になることを最後に確認してください。




ポイントチェック!

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1.3伝票制とは、①入金伝票、②出金伝票、③振替伝票の3つを用いる方法である。

2.入金取引(借方が現金の取引)は入金伝票へ、出金取引(貸方が現金の取引)は出金伝票へ、これら以外の取引は振替伝票へ記入する。

3.一部だけに現金収支を伴うような取引は、①取引を分解する方法と②取引を擬制する方法の2つの処理がある。


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