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出題の意図と講評まとめ

第132回日商簿記2級の「出題の意図と講評」



第1問

出題の意図

期中および期末の基本的な取引を示して、適切な勘定科目を用いて仕訳によって示すことができるかどうかを問う設問です。取引の中には複数の処理方法があるものもありますが、このような場合でも設問の指示どおりに仕訳しなければ、正解とはなりません。設問を注意深く読むよう心がけてください。

1.固定資産に関する資本的支出と収益的支出の処理を問う設問です。資本的支出については固定資産の取得原価に含めますが、収益的支出については修繕費勘定で処理します。

2.未着品を販売したときの処理と自己受為替手形を振り出したときの処理を問う設問です。このとき原価を未着品勘定から仕入勘定に振り替えるのを忘れないよう注意する必要があります。

3.消費税について税抜方式で記帳している場合の決算時の処理を問う設問です。仮払消費税勘定と仮受消費税勘定の相殺仕訳を適切に理解しているかどうかがポイントになります。

4.固定資産の売却の処理について問う設問です。減価償却累計額と減価償却費を計算しなければなりませんが、その取得原価に据付費を含めることを理解しているかどうかがポイントです。

5.委託買付において商品と買付計算書を受領したときの処理を問う設問です。委託買付については、委託買付勘定を用いないで処理する方法もありますので、いずれの処理方法とも理解しておく必要があります。

講評

出題区分全体にわたって、期中に生じうる基礎的な取引の記帳方法に関する理解力を問う設問であったため、正答率はまずまずでした。ただ、設問の取引内容を把握できずに失点したり、設問で指示された勘定科目を用いず仕訳をしたために失点している答案が散見されました。この様なミスは、練習のときからの心がけ次第で、かなり防ぐことができるため、少々残念な気がします。

全体的に見ると、未着商品販売取引と委託買付取引に関する記帳を苦手とする受験者が多かったという印象です。また、固定資産の売却の記帳において、減価償却累計額や減価償却費の計算でミスをする受験者も少なくなかったようです。

取引の仕組みとそれぞれのポイントにおける記帳方法を理解し、先入観なく問題文の取引内容を読み取ったうえで、設問の指示どおりに仕訳を導き出す訓練を積む必要があります。


第2問

出題の意図

本問は、商品売買取引について、仕訳から各勘定への転記を示す基本的な問題です。

企業会計において、商品の売買取引から生じる売上高と売上原価の計算は、非常に重要な課題です。とくに委託販売、試用販売などのいわゆる特殊商品売買においては、どのようなタイミングで収益(売上高)を認識し、それに対応する費用(売上原価)を認識するかということが主要な課題であり、簿記処理もその課題に資するように設計されています。また、倉庫に保管されている状態の商品ばかりでなく、委託先に積送中の商品や顧客が試用中の商品などを区別して管理することも必要であり、そのための工夫がそれぞれの記帳方法においてどのように行われているかも理解しておく必要があります。

本問は、取引を仕訳して転記するだけの問題であり、取引の内容も教科書において基本的な取引例として説明されています。応用力を問うような問題ではなく、基本事項を確認したものです。必ずしも過去問からそのまま出題されるわけではないので、基本事項の確認に努めていくことが重要です。

講評

本問の採点結果は、あまり芳しいものとはいえませんでした。「諸口」の記入、損益振替、繰越記入などは、3級ないし4級で学んでいる記帳のルールですが、忘れてしまっている受験者が少なくなかったようです。


第3問

出題の意図

本問は、決算整理その他の修正事項に関する資料に基づいて、残高試算表欄が記入済みとなっている精算表を完成する問題です。

解答にあたっての主なポイントは、決算の仕組みと決算手続の流れにかかわる知識を背景にして、精算表の内容と作成手順を正しく理解しているかどうか、また、決算整理その他の修正事項について、その内容を的確に判断し、正しく修正記入を行うことができるかどうか、さらに損益計算書欄と貸借対照表欄への記入を正確に行い、精算表を完成できるかどうかにあります。

資料として与えられている決算整理その他の修正事項は、すべて基本的なものであり、精算表の作成問題としては標準的な問題であるということができます。

講評

2級の商業簿記としては標準的な内容の問題であったため、全体的には正しく解答できた答案が多かったようです。

ただし、現金預金(当座預金)の照合にかかわる処理、売買目的有価証券の評価損益の計上、満期保有目的債券の償却原価法(定額法)による評価、商品の減耗損と評価損の計上、月割計算を含む減価償却費の計算、のれんの償却などについては、誤答も目立ちました。注意力不足(いわゆるケアレスミス)もありますが、多くは基礎知識の不足や理解力の不足が主な要因のように感じられます。

基礎知識と理解力を身につける学習を十分に行い、限られた時間内でも正しく解答できるようにすることが大切であると思います。


第4問

出題の意図

費目別計算での仕訳に関する問題です。

材料費については、原料の購入、原料の消費(出庫)、消費価格差異の計上という3 つの仕訳です。1.(2)では、原料の出庫先が、自社の製造工程ではなく、外注業者となっていますが、通常の出庫票を使用していますので、会計処理(仕訳)にあたっては出庫先を区別する必要はありません。また、原料については予定消費価格を使用していますので、消費価格差異が発生します。実際消費価格の計算は先入先出法ですので、月初在庫の消費価格と当月投入分の消費価格の違いに注意してください。

労務費については,労働力の消費(作業時間の計上)、賃率差異の計上という2つの仕訳です。オーソドックスな取引ですので、確実に得点していただきたい問題です。

1.(4)の加工賃は、いわゆる外注加工賃ですので、直接経費に分類されます。外注加工賃に該当するかどうかは、1.の問題文の「加工品が外注業者から納入されると、検査後、ただちに製造現場に引き渡される」から判断します。直接費ですので、仕掛品勘定を使用した仕訳になります。

講評

費目別計算に関する仕訳としては基本問題であり、全体には点数をとれているようでした。個別にみていくと、不正解が多かったのは、原価差異に関する1.(3)と2.(2)、外注加工賃に関する1.(4)でした。

原価差異については、本問のように実際原価計算で予定価格や予定賃率を使う場合、材料勘定や賃金勘定から原価差異勘定に振り替えます。原価差異の金額を計算できているのに仕訳を間違ってしまった人も多く、基本的な勘定連絡についての理解不足があるようです。

また、外注加工賃については、賃金勘定や製造間接費勘定を使ってしまう間違いが多くみられました。外注加工賃は直接経費として頻出する原価要素ですので、正確な理解を身につけてほしいものです。


第5問

出題の意図

本問は、損益分岐点分析に関する問題です。損益分岐点分析の一連の手続きとして、出発点である原価の固定費と変動費への原価分解から始め、目標利益達成のための売上高に至るまでの計算を出題しました。

具体的には、最初に、基礎的な各費目の分類の理解がなされているかどうか、そして、貢献利益と損益分岐点の計算、さらに、損益分岐点分析は利益計画と大きく関連することから目標利益達成の計算ができるかを問う問題でした。

通常より、図表などを活用しながら、損益分岐点の計算公式を用いた計算練習、さらには、その基礎となる原価の各費目の分類について理解することが必要です。

講評

本問は、損益分岐点分析に関する問題です。内容的には、それぞれの費目計算に始まり、それらを変動費と固定費に分解した結果から、損益分岐点売上高および目標利益達成のための売上高を求める問題でした。

費目の計算は、この問題に限らず、工業簿記の基本として、常に学習が必要です。

また、損益分岐点については、図表などを作成すると理解しやすくなると思います。複雑な計算はありませんが、今回は、残念ながら損益分岐点分析のための基本的な計算が理解できていないようでした。損益分岐点分析は重要な計算なので、今後に向けてしっかり学習して欲しいと思います。




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