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出題の意図と講評まとめ

第136回日商簿記3級の「出題の意図と講評」



第1問

出題の意図

本問は、基本的な取引の仕訳を問う問題です。

1.電気代のうち店主の家事のために使われた分が資本の引出しになることがポイントになりますが、本問では引出金勘定が指定されていませんので、これを用いてはならないことに留意する必要があります。

2.土地の売却代金が入金された時の処理を問う問題です。ここでは土地の売却時の処理が問われていないことに注意する必要があります。また、当座預金と同じように普通預金も企業では広く用いられていますので、その増減を記録するために普通預金勘定が設定されています。

3.商品の仕入取引ですが、代金の一部を手持ちの手形債権を裏書譲渡して支払っていることと、商品の引取運賃も仕入原価に含まれることがポイントになります。

4.手形による資金の貸付けの取引です。商品売買の取引で用いられる商業手形とは区別しなければならないことが問われています。なお、本問では利息は返済時に受け取ることとなっているため、貸付時には計上しないことに留意する必要があります。

5.消耗品を購入したときの取引ですが、複数の処理方法があるため、問題文の指示にもとづいて、いったん資産として処理する方法を理解しているかを問いました。また、当座預金の残高を超えて小切手を振り出していますので、併せて当座借越の処理も問われています。

講評

今回は、5問中3問から4問程度できている答案が多かったため、比較的取り組みやすかったのではないかと思われる一方で、5問とも正解の答案は少ないように感じられました。

個別に見てみると、「1.」は勘定科目で指定されていない引出金と仕訳している答案が目立っていました。「2.」は代金の回収が問われているのに、土地の売却取引を仕訳している答案や、普通預金口座に振り込まれているのに、当座預金の増加と仕訳している誤答が多かったです。また、「3.」は引取運賃を仕入原価に含めずに支払運賃としている誤りが多かったです。「4.」は正答率が高かったものの、手形による貸付の取引を、商業手形と混同している人がいました。「5.」は消耗品の処理ですが、当座借越の処理を失念している答案や、消耗品の複数の記帳方法を理解していない答案、簿記で頻繁に出てくる漢字にもかかわらず、正しく記入できていない答案も散見されました。


第2問

出題の意図

本問は、各種補助簿の記入から取引内容を正確に読み取り、仕訳処理できるかを問う問題です。特に、相互に関係する補助簿の記入および取引の流れを読み取ることが求められています。出題した当座預金出納帳、受取手形記入帳、買掛金元帳のいずれも、商品売買に関わるお金の流れを把握する上では重要な帳簿となります。

仕訳にあたっては、補助簿に記入された日付と摘要欄の内容から取引を推定できます。特に、31日の為替手形割引時の処理は、受取手形記入帳の手形金額と、当座預金出納帳の入金額が異なっていることから、割引料が発生していることが分かります。

併せて、31日の取引前残高が貸方残高であるため、借越状態であることも分かります。このように、いつ、何があったのかという情報を正しく読み取ることが大切です。よって、学習の際には、取引と帳簿の関係について、記帳技術を習得するのみでなく、取引による各種帳簿残高の変動や資金の流れについても注意することが望まれます。

講評

補助簿の問題については、作成することが中心で、読み取りには慣れていない人もいるようです。帳簿の情報を見て、どのような取引が行われているのか、資金の流れなどに問題点はないのか、という関心を持つようにしてください。日付と摘要・金額などから取引全体を推定できる受験者にとっては出来も大変良く、簡単だったようです。


第3問

出題の意図

本問は、答案用紙の平成25年9月末までの残高試算表と同年10月中の取引を加味して、10月末時点での残高試算表を完成させる問題です。

一見すると若干取引量が多いように感じられますが、他の問題と合わせた全体的なバランスを考慮したほか、複雑な取引がないようにしています。また、二重仕訳になる箇所は一つもないうえに、同じ性格の取引をまとめて表記しており、処理そのものはスムーズに行えるようにしています。個々の取引を正しく仕訳し、勘定ごとに正しく集計すれば勘定残高を求めることができます。残高試算表の借方の合計金額と貸方の合計金額とは必ず一致することになります。

講評

今回の残高試算表の問題は、過去の検定試験での同種の問題と比較してややボリュームが多かったものの、一つ一つの取引は難しくありませんので、きちんと仕訳して丁寧に集計していけば、容易に正解にたどり着けたはずです。実際、高得点を挙げた人が多かったです。ただ、売買目的有価証券の購入で手数料を有価証券の原価に算入していない答案が見受けられました。


第4問

出題の意図

簿記の基本的な原理や知識などに関する穴埋め問題です。いずれも基本的な内容であるうえ、語群の中から選ぶ形式の問題なので、普段から簿記のテキストを丁寧に読んでいる受験者にとっては、決して難しい問題ではないと思います。

簿記の勉強にあたっては、簿記に関する基本的な原理や用語などを正しく理解することが、さらに上級の資格取得を目指すうえで必要不可欠です。正解できなかった場合には、もう一度テキストを読み返すことをお勧めします。

なお、「1.」は補助簿(仕入先元帳)に関する基礎的な知識、「2.」は試算表の役割、「3.」は減価償却の記帳法(直接法・間接法)、「4.」は貸倒引当金勘定、「5.」は有形固定資産の取得原価、についてそれぞれ問うたものです。

講評

簿記に関する基本的な知識や仕組みを問う問題です。受験者にとって慣れていないことによる低得点が予想されましたので、語群を設けることで対応しました。結果は、「4.」と「5.」の問題に不正解が多くみられました。なお、第4問全体についての正答率は50%強程度だったようです。

受験者には、簿記に関する基本的な知識や仕組みを理解するために、計算や仕訳問題だけでなく、簿記のテキストをしっかり読み込む勉強を期待したいと思います。


第5問

出題の意図

本問は、個人企業の決算にかかる精算表を完成させる問題で、決算に関する基本的な知識や処理能力があるかを問うものです。基本的項目を出題したので、確実にできることが望まれます。決算にあたっては、未処理の取引を整理したうえで、決算整理を行います。各資料番号の処理内容のうち、主な注意点は次のとおりです。

1.決算後の現金残高は、実際有高となります。

4.貸倒引当金の設定は、債権の修正後残高(3の取引を加味する)に対して行います。

8.支払家賃勘定に含まれる次期分の金額を、前払家賃として繰延処理します。

9.支払利息勘定に、未計上の当期経過利息を、未払利息として見越計上します。

講評

学習状況の差が答案に表れています。特に、有価証券の売却および評価に関する一連の処理、費用の繰延べと見越しに関する処理については、その差を感じました。処理にあたっては、期中取引の未処理項目なのか、または、決算整理項目なのかを把握してください。

また、資料の項目を見て、機械的に処理する訓練を行うだけではなく、情報を正しく捉えたうえで、何をどのように修正または計上したらよいのかを考え処理するようにしてください。




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