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出題の意図と講評まとめ

第142回日商簿記3級の「出題の意図と講評」



第1問

出題の意図

本問は、3級の学習範囲内における基本的な取引についての仕訳問題です。解答にあたっては、問題文を丁寧に読み、指定した勘定科目を使用することが必要になります。

1.直接法で記帳している備品を期中に売却したときの問題です。次のことを理解している必要があります。
①直接法で記帳しているため、備品勘定の残高は取得原価から前期末までの減価償却累計額を減算したものである。
②期中売却のため、当期に使用した期間について減価償却費を計上する必要がある。
③固定資産売却損益は、売却価額と帳簿価額(備品勘定の残高-減価償却費)の差額である。

2.給料の支払いに関する問題です。次のことを理解している必要があります。
①給料総額を給料勘定の借方に記帳する。
②給料総額から差し引いた、社会保険料および所得税の源泉徴収分は、それぞれ、社会保険料預り金勘定(負債)および所得税預り金勘定(負債)で処理する。

3.借用証書による貸付金が満期になり返済を受けたときの問題です。次のことを理解している必要があります。
①借用証書による貸付けは、貸付金勘定(資産)で処理する。
②正確な利息の計算。この問題では資料から貸付日数を正確に知ることができないので、利息は月割で計算する。

4.所有する株式を売却したときの問題です。次のことを理解している必要があります。
①売買手数料を差し引いた手取額と取得原価の差額が有価証券売却損益になる。
②手取額が後日に振り込まれる場合は、未収金勘定(資産)で処理する。

5.現金過不足に関する問題です。次のことを理解している必要があります。
①簿記で、現金として扱われるものを正しく理解していること。ここでは、紙幣、硬貨、得意先振出しの小切手が簿記上現金として扱われるもの、つまり現金の実際有高である。
②現金の実際有高(¥115,800)が帳簿残高(¥116,000)より少ないときは、帳簿残高を実際有高に合わせるために、現金勘定の貸方に不足額を記入するとともに、現金過不足勘定の借方に不足額を記入する。

講評

5問の中で、1、4、5の出来が思いの他に悪く、特に1.の誤答が目立ちました。

1.直接法で記帳している備品を期中に売却する問題ですが、直接法による学習そのものが行われていないか、または不十分であったように思われます。

4.有価証券とするところを、これまで多く出題されてきた売買目的有価証券勘定で処理する答案が目立ちました。指定された勘定科目をよく確認して解くように心がけてください。

5.紙幣と硬貨の合計を現金の実際有高としたり、紙幣・硬貨に得意先振出しの小切手と郵便切手を合計したものを現金の実際有高として、解答しているものが多々ありました。簿記上の現金にどのようなものがあるかは、簿記の学習において、まさに基本的事項です。検定を受けるにあたって、しっかり理解して欲しいと思います。

仕訳問題に限らず、どの問題も受験にあたってはテキストをよく読み、しっかりとした基礎力を付けていただきたいと思います。


第2問

出題の意図

本問は仕入帳および売上帳をもとに、商品有高帳(移動平均法)を作成する問題です。商品有高帳の作成にあたっては、次のことを理解しているかを問うています。

・商品有高帳には商品の在庫管理という目的があるため、以下の点に留意して記帳する。

①商品の種類ごとに記帳する。この問題はA商品の記帳を求めているのでB商品は記帳しない。

②受入欄、払出欄、残高欄すべて原価で記帳する。したがって、売上帳の@¥は売価であり商品有高帳に記入することはない。

③売上値引きは売価の修正であるから、商品有高帳に記入することはない。

④仕入戻しは、問題文の指示にしたがって「払出欄に記入」しているか。

・移動平均法は単価の異なる商品を受け入れるたびに、平均単価を残高欄に記入する方法である。

講評

受験者の答案からは、払出欄の単価に売価が書かれていたり、仕入戻しに関して払出数量が仕入数量と同数になっていたりする誤答が、思いのほかに多くありました。基礎をしっかり理解するとともに、与えられた資料を注意深く読むように心掛けて欲しいと思います。

なお、仕入戻しはあまり出題されていないことから、今回は問題文に「仕入戻しについては払出欄に商品を仕入れた時の単価で記入すること」と指示するなど、受験者の負担を減らしています。


第3問

出題の意図

本問は、前年度末の貸借対照表と本年度1月中の取引にもとづいて、1月末の合計試算表を作成する問題です。この問題では次のことを理解しているかを問うています。

①1月末の合計試算表を正しく作成できるか。具体的には、貸借対照表の金額を1月中の取引金額に加減できているかどうか。1月中の取引金額だけで1月末の合計試算表を作成していないか。

②前払費用の再振替仕訳が正確にできるか。

③常に当座借越を意識して仕訳処理ができるか。

仕訳そのものは基本的な内容であり、また、取引量も多くならないよう配慮してあります。合計試算表の意義を正しく理解するとともに、正確かつ迅速な解答を心がけてほしいものです。

講評

5割以上の得点をあげている受験者に対して、どの箇所を間違えているか調べたところ、①当座借越に係わる処理、②引出金勘定および資本金勘定、③配当金領収書の処理で、間違いが多くみられました。

①については、問題文で当座借越契約を結んでいることを把握し、それを意識しながら1月中の取引を仕訳していけば、十分に解ける問題です。

②については、解答用紙の合計試算表に引出金勘定がないことから、家計費については資本金勘定の借方に記入します。また、貸借対照表の当期純利益は、次期には資本金勘定に加算されます。ここはとても間違いの多いところです。以後の学習に役立ててください。

③について、配当金領収書は簿記上現金で扱うことを理解していないと、この問題は解けません。

第3問はテキストを良く読んで、基本的な論点をしっかり理解するとともに、問題を解くスピードを上げるために類似問題をたくさん解くことが有効になります。


第4問

出題の意図

基本的な伝票に関する処理を問う問題です。

(1)は既に振替伝票に記入されている金額から、いったん全額を掛取引として起票する方法と、取引を入金伝票・振替伝票に分解して起票する方法のいずれを採用しているのかを判断する必要があります。また、(2)は仕訳の内容から起票方法を判断する必要があります。

講評

本問は、伝票の問題としてはあまり出来がよくありませんでした。間違えが多く見受けられた箇所は次のとおりです。両問のいずれも、仕訳を正しく行うことができ、起票方法に注意していれば間違いを防ぐことができるものでした。

(1)入金伝票における科目名を売上としていた。振替伝票の金額が¥600,000であることから同伝票の起票はいったん全額を掛取引と売上計上していることに注意が必要でした。

(2)出金伝票の科目名と、振替伝票の借方金額欄に間違いが多く見受けられました。問題文より、購入にかかる支払いはすべて小切手の振出しであるため、出金伝票の起票は行いません。また、振替伝票の借方金額は、購入時にかかった総額が備品の取得原価となる点、借方科目が1つである点を考えれば、引取費を加えた金額となります。


第5問

出題の意図

貸借対照表および損益計算書の作成を問う問題です。141回から連続の出題となりますが、精算表は財務諸表を作成する流れを一覧にしたものですので、3級受験者は精算表作成のみならず、その結果である財務諸表作成についてもしっかり身に着けておくことが望まれます。

そして、実際の中小企業には赤字企業が多く存在することから、本問では最終損益が当期純損失 となるように出題しました。ただ、この点を除けば3級では典型的な論点を出題しましたので、落ち着いて解けば十分に高得点がとれるものと思われます。

講評

財務諸表作成の問題は、前回出題されたこともあり連続しての出題はないものとして受験したのではと思われる答案も少なからず見受けられました。

前回の講評でも指摘したとおり、決算問題では、精算表の作成に限らず財務諸表の作成・帳簿決算の内容が問われるものとして学習を行ってください。また、本問において間違いが多く見受けられた箇所は次のとおりです。

(貸借対照表に関して)
未収収益、前払費用の科目名と金額、備品減価償却累計額、当期純損失

(損益計算書に関して)
売上原価、租税公課、貸倒引当金繰入の科目名と金額、受取利息




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