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問題5-3:固定資産全般に関する仕訳問題③



問題

以下の取引について仕訳を答えなさい。ただし、勘定科目は次の中から最も適当と思われるものを選ぶこと。


現金 当座預金 受取手形 売掛金
未収入金 前払利息 営業外受取手形 備品
構築物 車両運搬具 建物 土地
備品減価償却累計額 車両運搬具減価償却累計額 建物減価償却累計額 支払手形 
買掛金 未払金 前受利息 営業外支払手形
減価償却費 修繕費 支払利息 受取利息
修繕引当金 固定資産売却損 固定資産売却益 火災損失
保険差益 固定資産除却損 未決算 建設仮勘定

  1. 工場の増設工事(工事代金¥1,100,000は支払済み)が完成し、固定資産等の勘定に振替計上を行った。工事の明細は、建物¥500,000、構築物¥300,000、修繕費¥200,000、共通工事費¥100,000であり、共通工事費は各勘定の金額比で配賦することとした。
  2. ×15年4月1日、建物の修繕を行い、その代金¥500,000を小切手を振り出して支払った。この修繕の結果、残存耐用年数が10年に延長した。なお、この建物は×1年4月1日より使用を開始しており、当初の耐用年数は20年であった。修繕後の残存耐用年数のうち、延長耐用年数に相当する部分を資本的支出とする。
  3. 営業用車両(取得原価¥2,000,000、残存価額¥200,000、期首減価償却累計額¥1,230,000、生産高比例法・間接法による減価償却、)を下取りさせて、新たな営業用車両を¥2,300,000で購入した。なお、旧車両の見積総走行距離は180,000km、当期の走行距離は15,000kmである。また、旧車両の下取価額は¥500,000で、購入価額との差額は約束手形を振り出して支払うこととした。
  4. 営業目的で土地付きの中古建物を¥3,000,000で一括購入し、代金は小切手で支払った。不動産鑑定士の鑑定によると、この建物および土地の時価はそれぞれ¥1,400,000と¥2,100,000であった。取得価額は各資産の時価の比によって按分する。


※解答・解説はこの下にあります。











解答

答え

借方科目 金額 貸方科目 金額
1 建物
構築物
修繕費
550,000
330,000
220,000
建設仮勘定 1,100,000
2 建物
修繕費
200,000
300,000
当座預金 500,000
3 車両運搬具
車両運搬具減価償却累計額
減価償却費
固定資産売却損
2,300,000
1,230,000

150,000
120,000
車両運搬具
営業外支払手形
2,000,000
1,800,000
4 建物
土地
1,200,000
1,800,000
当座預金 3,000,000


解説

1.の解説

建物などは完成するまで相当の期間を要するので、その期間に支払った建設に伴う工事代金は建設仮勘定の借方に記入しておき、完成して引渡しを受けた時に建物などの各勘定へ振り替えます。

問題では指示にあるとおり、金額比に応じて共通工事費を各固定資産の取得原価と修繕費に按分します。

【共通工事費の配賦率】

共通工事費¥100,000÷(建物¥500,000+構築物¥300,000+修繕費¥200,000)
0.1

【共通工事費の配賦額】

各金額に配賦率0.1を掛けたものが共通工事費の配賦額となります。

建物への配賦額 ¥500,000×0.1=¥50,000
構築物への配賦額 ¥300,000×0.1=¥30,000
修繕費への配賦額 ¥200,000×0.1=¥20,000

【建物・構築物の取得原価と修繕費】

各金額に共通工事費の配賦額を加算したものが、建物と構築物の取得原価および修繕費となります。

建物 ¥500,000+¥50,000=¥550,000
構築物 ¥300,000+¥30,000=¥330,000
修繕費 ¥200,000+¥20,000=¥220,000

2.の解説

本問は2級受験者にとってはかなりの難問になりますので、できなくても気にする必要はありません。何もヒントがない状態だとおそらくほとんどの人が正解できないので、資本的支出を計算するための方法を問題文に書いておきましたが、意味が分からなかった人も多いと思います。

2級の試験で出題される可能性は低いと思われますが、資本的支出と収益的支出を区別するための方法をここで簡単に説明しておきます。

まず資本的支出は次の式で計算します。

資本的支出 = 支出額 × 延長耐用年数/修繕後の残存耐用年数

問題では、使用開始日(×1年4月1日)から修繕日(×15年4月1日)まで14年が経過しています。当初の耐用年数20年で考えた場合、残りの耐用年数は6年です。これが修繕によって10年になった延長されたわけですから、延長耐用年数は4年ということになります。

資本的支出と収益的支出の区別

したがって、資本的支出は次のようになります。

資本的支出 = 支出額¥500,000 × 延長耐用年数4年/修繕後の残存耐用年数10年
¥200,000

資本的支出以外の部分が収益的支出となるので修繕費として処理します。

3.の解説

固定資産の買換えの処理は、基本的に旧固定資産の売却と新固定資産の購入から成っています。したがって、まず売却と購入の仕訳をそれぞれ考えて、それらを合算するという方法で解くことができます。

ⅰ.旧車両の売却

(借) 未収入金
車両運搬具減価償却累計額
減価償却費
固定資産売却損
500,000
1,230,000
150,000
120,000
(貸) 車両運搬具 2,000,000

減価償却費:(¥2,000,000-¥200,000)×15,000km/180,000km

※下取価額については、便宜上「未収入金」勘定を使っています。

ⅱ.新車両の購入

下取価額を購入代金の一部にあて、残額を「営業外支払手形」とします。商品ではないので「支払手形」ではありません。

(借) 車両運搬具 2,300,000 (貸) 未収入金
営業外支払手形
500,000
1,800,000

ⅲ.買換えの仕訳(ⅰ+ⅱ)

借方の「車両運搬具」と貸方の「車両運搬具」は相殺しないようにしてください。

借方科目 金額 貸方科目 金額
車両運搬具
車両運搬具減価償却累計額
減価償却費
固定資産売却損
2,300,000
1,230,000

150,000
120,000
車両運搬具
営業外支払手形
2,000,000
1,800,000

固定資産の買換えでは、新資産の取得原価と下取価額との差額が支払額となり、また、旧資産の簿価と下取価額との差額が売却損益となります。

固定資産の買換えのイメージ

4.の解説

問題の指示にある通り、土地付き建物の購入価額¥3,000,000を時価の比によって各資産に按分します。

【建物への按分額】

¥3,000,000 × ¥1,400,000/(¥1,400,000+¥2,100,000)=¥1,200,000

【土地への按分額】

¥3,000,000 × ¥2,100,000/(¥1,400,000+¥2,100,000)=¥1,800,000




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