材料費の分類
材料費とは物品の消費によって生ずる原価をいいます。
製造業では、1つの製品を製造するにも膨大な数の材料を使うことも珍しくありません。その数は数千点からときには数万点に及ぶこともあります。
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そんなに多くの材料費をどうやって計算するの? |
材料費の計算は、まず材料の原価を以下のように分類するところからはじまります。
直接材料費
直接材料費とは、材料費のうち製品1つにいくらかかったのかが明確なもの(製品に跡付けできるもの)をいいます。
直接材料費には次のようなものがあります。
- ①主要材料費(原料費)
- 製品の主たる素材となる物品の原価。原料費ともいう。
- ②買入部品費
- 外部から購入して、そのまま製品に組み込む部品の原価。(例)自動車のタイヤ、ライトなど。
間接材料費
間接材料費とは、材料費のうち製品1つにいくらかかったのかが明確には分からないもの(製品に跡付けできないもの)、または金額的に重要でないものをいいます。
間接材料費には次のようなものがあります。
- ①補助材料費
- 製品を生産するために、補助的に消費する物品の原価。(例)燃料、塗料など。
- ②工場消耗品費
- 製品を生産するための消耗品の原価。(例)サンドペーパー、ニス、機械油など。
- ③消耗工具器具備品費
- 耐用年数が1年未満、または取得原価が低いため固定資産として扱われない工具器具備品の原価。(例)のこぎりやドライバーなどの工具、圧力計などの器具、机や椅子などの備品。

材料の基本的な動き
材料は一般に企業外部から購入して、いったん倉庫に納入し、必要に応じて工場へ払い出す(消費する)という過程をとります。そこで、材料費に関する学習では、材料の「購入」と「消費」に分けて考えていく必要があります。
なお、材料は購入しただけでは製造原価(材料費)にはならないという点を最初に注意しておいてください。
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なんでよ? |
最初に書いたとおり、材料費とは物品の消費によって生ずる原価のことです。したがって、材料を消費することによって、初めて製造原価となるのです。
そして、消費されずに月末に残っている材料は貸借対照表において「材料」(資産)として翌月に繰り越していきます。
【材料の基本的な動き】

製造する製品の種類にもよりますが、一般に材料費は原価の中でも多くの割合を占める原価要素なので、それだけ正確に計算する必要があります。したがって、他の原価要素と比べて必然的に原価計算上の重要性は高くなります。
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じゃあ、試験上の重要性も高いということだね。気合入れて勉強しないと。 |
次のページでは、まず材料の「購入」について学習し、それ以降のページにおいて材料の「消費」について学習することにしましょう。
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