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シングルプランによる仕訳と勘定記入

重要度★★★☆☆ 2級工業簿記無料講座第10章-5のアイキャッチ画像

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1.標準原価計算の記帳方法

標準原価計算の記帳方法にはどの段階で標準原価を複式簿記の中に導入するかによって、シングルプランとパーシャルプランの2つの方法があります。

この2つの方法は当月製造原価を標準原価で記入するか、実際原価で記入するかの違いであると言えます。

これは仕掛品勘定の借方をどちらで記入するかの違いであると言い換えることもできます。ただし、月初仕掛品は前月の月末仕掛品が繰り越されてきたものなので、どちらの方法であっても月初仕掛品は標準原価で記入されたものとなります

シングルプラン(単記法)

シングルプランは仕掛品勘定のすべてを標準原価で記入する方法です。仕掛品勘定を標準原価のみで記入するので、シングル(単一の)プランといいます。

シングルプランでは仕掛品勘定の借方(各原価要素の貸方)における当月製造原価を標準原価で記入するので、標準原価差異は各原価要素の勘定で個別に把握されることになります。

シングルプランのイメージ

パーシャルプラン(分記法)

パーシャルプランは当月製造原価を実際原価で記入する方法です。仕掛品勘定の一部に実際原価が入ってくるので、パーシャル(一部の、部分的な)プランといいます。

パーシャルプランでは仕掛品勘定の借方(各原価要素の貸方)における当月製造原価を実際原価で記入するので、標準原価差異は仕掛品勘定で一括して把握されることになります。

パーシャルプランのイメージ

2.シングルプランによる一連の記帳方法

それでは「第10章-2:標準原価計算の一連の手続」の例題の計算結果を使って、シングルプランによる仕訳と勘定記入を見ていきましょう。パーシャルプランについては次のページで説明します。

1.完成品原価の振替え

当月完成品原価を標準原価で製品勘定へ振り替えます。なお、シングルプランでもパーシャルプランでも仕掛品勘定の貸方以降(製品勘定および売上原価勘定)は標準原価で記入します。

借方科目 金額 貸方科目 金額
製品 360,000 仕掛品 360,000

【勘定記入】

完成品原価の振替え

※月初製品原価:原価標準@¥900×月初製品80個=¥72,000

2.当月製造原価の振替え

シングルプランでは当月製造原価を標準原価で仕掛品勘定へ振り替えます。

借方科目 金額 貸方科目 金額
仕掛品 414,000 材料 150,000
賃金 176,000
製造間接費 88,000

【勘定記入】

当月製造原価の振替え

3.標準原価差異の計上

次に月末仕掛品を標準原価で記入します。

シングルプランでは仕掛品勘定の借方・貸方ともに標準原価で記入されるため、仕掛品勘定において差異は把握されません。

一方、各原価要素の勘定(材料勘定・賃金勘定など)の借方は実際原価で記入されるのに対して、貸方は標準原価で記入されています。この借方の実際原価と貸方の標準原価との差額が標準原価差異を意味するので、差異は各原価要素の勘定で個別に把握されることとなります。

したがって、差異は各原価要素の勘定から標準原価差異勘定へ振り替えられることになります。

直接材料費差異と製造間接費差異は不利差異(借方差異)なので、標準原価差異勘定の借方へ振り替え、直接労務費差異は有利差異(貸方差異)なので、標準原価差異勘定の貸方へ振り替えます。

借方科目 金額 貸方科目 金額
標準原価差異 8,100 材料 8,100
賃金 1,400 標準原価差異 1,400
標準原価差異 2,000 製造間接費 2,000

※標準原価差異を直接材料費差異勘定・直接労務費差異勘定・製造間接費差異勘定に分けて記入する場合などもあります。

【勘定記入】

標準原価差異の計上

4.売上原価の計上

当月の売上原価を標準原価で売上原価勘定へ振り替えます。

借方科目 金額 貸方科目 金額
売上原価 405,000 製品 405,000

【勘定記入】

売上原価の計上

※月末製品原価:原価標準@¥900×月末製品30個=¥27,000

※売上原価:原価標準@¥900×販売品450個=¥405,000

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