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【役務収益と役務原価】サービス業の処理

重要度★★☆☆☆ 2級商業簿記無料講座第2章-5のアイキャッチ画像

これまでは具体的な形の有るモノを売買する商品売買業について学習してきましたが、世の中には形のない「サービス」を提供することで収益を得る業種もあります。このような業種の場合、どのように仕訳をすればいいのでしょうか?

1.代金を前受けしたときの処理

サービス業とは

サービス業とは

物品の販売ではなく、サービス(役務(えきむ))を提供することで収益を得る業種のことをサービス業といいます。サービス業には、教育、宅配、運送・輸送、修理・補修、理容、クリーニングなど様々な業態があります。

代金を前受けしたときの仕訳

例題1

学習塾を経営する当社では、来月開講予定の講座(受講期間1年)の受講料¥100,000を現金で受け取った。

3級で学習したように売上を計上するためには、原則として「代金の授受」と「商品の引渡又はサービス(役務)の提供」の2つの条件を満たす必要があります。したがって、サービスを提供する前に代金を前受けしただけでは収益を計上することはできません。

そこで、受け取った金額を「前受金」として処理します。

借方科目 金額 貸方科目 金額
現金 100,000 前受金 100,000

2.費用を支払ったときの処理

例題2

来月開講予定の講座に先立ち、教材の作成費用として¥15,000を現金で支払った。なお、この教材作成費用は仕掛品勘定に計上する。

費用は収益を獲得するための”犠牲”となるものです。そのため、会計では収益が計上されたときに、その”犠牲”となった費用を対応させて計上すべきというルールになっています(これを「費用収益対応の原則」といいます)。

この原則からいうと、サービスの提供による収益が計上されていない段階で費用だけを計上することはできません。そこで、支払った金額を「仕掛品」勘定(資産)で処理します。

借方科目 金額 貸方科目 金額
仕掛品 15,000 現金 15,000

工業簿記を学習した人ならお分かりだと思いますが、仕掛品勘定は「作り掛けのもの」にかかった費用(原価)を集計しておくための勘定です。

3.決算時の処理

決算時の仕訳

例題3

決算日現在、講座の8割が終了している。

決算においては、当期にサービスの提供を終えた部分に相当する金額のみを収益(役務収益)および費用(役務原価)として計上します。

役務収益と役務原価(決算時の処理)

具体的には、当期にサービスの提供を行った部分に相当する金額を「前受金」から「役務収益」勘定へ振り替えます。また、役務収益に対応する費用を「仕掛品」から「役務原価」勘定へ振り替えます。

借方科目 金額 貸方科目 金額
前受金 (※)80,000 役務収益 80,000
役務原価 (#)12,000 仕掛品 12,000

(※)¥100,000×80%

(#)¥15,000×80%

役務収益が発生するのと同時に費用が発生する場合には、「仕掛品」を経由せずに、支払った金額を直接「役務原価」に計上することができます。

損益計算書の表示

役務収益と役務原価(損益計算書の表示)

商品販売業の売上高にあたるものが「役務収益」で、売上原価にあたるものが「役務原価」となるため、サービス業における損益計算書の表示はこのようになります。

4.サービスの提供が終了したときの処理

サービスの提供が終了したときの仕訳

例題4

講座の全日程が終了した。

サービスの提供が終了したときは、残りの部分(2割)に相当する金額について、役務収益および役務原価を計上します。

借方科目 金額 貸方科目 金額
前受金 (※)20,000 役務収益 20,000
役務原価 (#)3,000 仕掛品 3,000

(※)¥100,000×20%

(#)¥15,000×20%

一括して収益を計上する方法

サービスの提供をすべて終えたときに一括して収益(役務収益)及び費用(役務原価)を計上する方法もあります。その場合には、次のような仕訳となります。

借方科目 金額 貸方科目 金額
前受金 100,000 役務収益 100,000
役務原価 15,000 仕掛品 15,000

この方法を採用している場合は、決算時の仕訳は必要ありません。

5.まとめ

まとめ
  • サービス(役務)を提供することで収益を得る業種のことをサービス業という。
  • サービスを提供する前に代金を受け取ったときは「前受金」で処理する。
  • サービスを提供する前に費用を支払ったときは「仕掛品」で処理する。
  • 決算においては、当期にサービスの提供を行った部分に相当する金額を「前受金」から「役務収益」勘定へ振り替える。また、役務収益に対応する費用を「仕掛品」から「役務原価」勘定へ振り替える。
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