手形の更改とは
![]() |
もうすぐ手形の支払日なのにお金の都合がつかないの。どうしよう。。。 |
手形の更改という方法があります。手形の更改とは、手形の支払人が手形の満期日に資金がないため、手形所持人の承諾を得て、支払期日延長の目的で従来の手形を書き替えることをいいます。
![]() |
そんな手があったのか!じゃ、さっそく延長をお願いしに行こっと。 |
ただし、支払期日延長分の利息を支払わなければならない場合もあります。
![]() |
そうなの?まぁそれは仕方ないか。。。 |
手形の更改に際しては、旧手形(従来の支払期日の手形)と新手形(新しい支払期日の手形)を交換するので、(1)旧手形の減少(2)新手形の増加(3)利息の支払い(受け取り)という3つのことを意識するといいでしょう。
なお、このときの利息の処理方法は①現金などで支払う(受取る)方法と②新手形の額面金額に含める方法があります。

①利息を現金などで支払う(受取る)方法
例題 | 当社が甲社に振り出した約束手形¥100,000が本日満期となったが、資金不足のため甲社の承諾を得て、1か月後支払いの新手形に書き替えた。なお、新手形の期日までの利息¥1,000は現金で支払った。 |
---|
当社(手形の支払人)の仕訳
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
---|---|---|---|
支払手形 支払利息 |
100,000 1,000 |
支払手形 現金 |
100,000 1,000 |
![]() |
借方と貸方の「支払手形」を相殺したらダメ? |
借方の「支払手形」は旧手形(の減少)を意味しており、貸方の「支払手形」は新手形(の増加)を意味しています。このように、借方の「支払手形」と貸方の「支払手形」は意味が異なるものなので、相殺せずに必ず両建表示するようにしてください。
利息の支払いに関する処理については特に問題ないと思います。利息の支払額は支払利息勘定(営業外費用)で処理します。
甲社(手形の受取人)の仕訳
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
---|---|---|---|
受取手形 現金 |
100,000 1,000 |
受取手形 受取利息 |
100,000 1,000 |
借方の「受取手形」は新手形(の増加)を、貸方の「受取手形」は旧手形(の減少)を意味しています。なお、利息の受取額は受取利息勘定(営業外収益)で処理します。
②利息を新手形の額面金額に含める方法
例題 | 当社が甲社に振り出した約束手形¥100,000が本日満期となったが、資金不足のため甲社の承諾を得て、1か月後支払いの新手形に書き替えた。なお、新手形の期日までの利息¥1,000は新手形の額面金額に含めて処理をする。 |
---|
当社(手形の支払人)の仕訳
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
---|---|---|---|
支払手形 支払利息 |
100,000 1,000 |
支払手形 | 101,000 |
利息を新手形の額面金額に含めるので、利息の分だけ旧手形よりも新手形の額面金額の方が大きくなります。
甲社(手形の受取人)の仕訳
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
---|---|---|---|
受取手形 | 101,000 | 受取手形 受取利息 |
100,000 1,000 |
・スポンサーリンク | |
・関連記事
< 前のページへ | 目 次 | 次のページへ > | ||||