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【参考】前期に取得した売買目的有価証券の売却~洗替法VS切放法~

重要度★☆☆☆☆ 2級商業簿記無料講座第4章-6のアイキャッチ画像

前回、その他有価証券における評価差額の処理として洗替法を学習しましたが、売買目的有価証券の評価差額の処理としては洗替法のほかに切放法という方法が認められています。2級の試験では出題可能性は低いかもしれませんが、念のため簡単に触れておきます。

1.洗替法・切放法とは?

すでに学習したように、売買目的有価証券は決算において帳簿価額を時価に評価替えします。

忘れた人はこちら。


その評価差額の処理として、売買目的有価証券については洗替法または切放法の選択適用が認められています。

その他有価証券については洗替法のみが認められています。

洗替法とは?

洗替法(あらいがえほう)とは、決算において時価に評価替えした後、翌期首に再振替仕訳を行って帳簿価額を取得原価に戻す方法をいいます。

切放法とは?

切放法(きりはなしほう)とは、決算において時価に評価替えした後、翌期首に再振替仕訳は行わず期末時価を翌期の帳簿価額とする方法をいいます。

2.洗替法による処理方法

例題1

当社は、売買目的でA社株式(取得原価¥10,000)を保有している。以下の仕訳を答えなさい。なお、売買目的有価証券の評価差額の処理方法として洗替法を採用している。

①決算時の仕訳(期末時価¥12,000)

②翌期首の仕訳

③翌期に¥13,000で売却したときの仕訳

①決算時の仕訳

決算において、帳簿価額(取得原価)を時価に評価替えします。

借方科目 金額 貸方科目 金額
売買目的有価証券 2,000 有価証券評価益 2,000

②翌期首の仕訳

洗替法では、翌期首において帳簿価額を取得原価に振り戻す処理を行います。前期末の逆仕訳です。

借方科目 金額 貸方科目 金額
有価証券評価益 2,000 売買目的有価証券 2,000

売却時の仕訳

借方科目 金額 貸方科目 金額
現金など 13,000 売買目的有価証券 10,000
有価証券売却益 3,000
売買目的有価証券の売却(洗替法)

洗替法では期首において帳簿価額を取得原価に振り戻す処理をします。そのため、売却額と比較される帳簿価額は取得原価となります。

3.切放法による処理方法

例題2

当社は、売買目的でA社株式(取得原価¥10,000)を保有している。以下の仕訳を答えなさい。なお、売買目的有価証券の評価差額の処理方法として切放法を採用している。

①決算時の仕訳(期末時価¥12,000)

②翌期首の仕訳

③翌期に¥13,000で売却したときの仕訳

①決算時の仕訳

決算において、帳簿価額(取得原価)を時価に評価替えします。これは洗替法と同じです。

借方科目 金額 貸方科目 金額
売買目的有価証券 2,000 有価証券評価益 2,000

②翌期首の仕訳

切放法では、翌期首において帳簿価額を取得原価に振り戻す処理は行いません。したがって、翌期首においては仕訳なしとなります。

売却時の仕訳

借方科目 金額 貸方科目 金額
現金など 13,000 売買目的有価証券 12,000
有価証券売却益 1,000
売買目的有価証券の売却(切放法)

切放法では期首において再振替仕訳はしないので、帳簿価額は前期末の時価のままとなります。そのため、売却額と比較される帳簿価額は前期末の時価となります。

4.洗替法VS切放法

有価証券評価益も有価証券売却益も、資金を売買目的有価証券で運用することによって得られる財務活動の成果といえます。したがって、これらをまとめて有価証券運用益と捉えることができます。

洗替法と切放法の比較

洗替法の場合、売買目的有価証券の運用によって得られ儲けは¥1,000となります。一方、切放法の場合も儲けは¥1,000となり、洗替法でも切放法でも有価証券運用益は同じです。

要するに、評価損益か売却損益かという内訳が異なるだけで、「運用によって得られ儲け」という大きな視点で見た場合はどちらの方法でも同じになるので問題ないということです。

5.まとめ

まとめ
  • 洗替法とは、決算において時価に評価替えした後、翌期首に再振替仕訳を行って帳簿価額を取得原価に戻す方法をいう。
  • 切放法とは、決算において時価に評価替えした後、翌期首に再振替仕訳は行わず期末時価を翌期の帳簿価額とする方法をいう。
  • 洗替法でも切放法でも、有価証券運用損益(評価損益+売却損益)は同じになる。
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