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債権の区分と貸倒引当金(個別評価と一括評価)

重要度★★★★☆ 2級商業簿記無料講座第6章-1のアイキャッチ画像

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1.債権の区分と貸倒引当金の計算方法

貸倒引当金に関する基本的な処理方法は3級で学習しましたが、2級では債権を債務者の状況によって区分し、その債権ごとに貸倒引当金を設定するという方法を勉強していきます。

一般債権

一般債権とは、経営状態に重大な問題が生じていない債務者に対する債権をいいます。一般債権については、債権をまとめて過去の貸倒実績率により貸倒引当金を設定します(一括評価)

貸倒引当金の計算方法の3級で学習した通り、債権金額に貸倒実績率を掛けて貸倒見積高(貸倒引当金の設定額)を計算します。ちなみに、このような計算方法を貸倒実績率法といいます。

貸倒見積高=(一般債権A+一般債権B+一般債権C)×貸倒実績率

なお、貸倒実績率とは過去の実績に基づいて計算された債権が貸し倒れる割合のことですが、問題では数字が与えられるので気にする必要はありません。

貸倒懸念債権

貸倒懸念債権(かしだおれけねんさいけん)とは、経営破綻の状態には至っていないが、債務の弁済に重大な問題が生じている(または生じる可能性の高い)債務者に対する債権をいいます。

貸倒懸念債権については、個々の債権ごとに貸倒引当金を設定します(個別評価)。貸倒懸念債権に対する貸倒見積高の算定方法として、①財務内容評価法と②キャッシュフロー見積法という2つの方法がありますが、2級では①財務内容評価法を前提とします。

財務内容評価法では、債務者から担保を受け入れていたり債務の保証がある場合は、債権金額から担保の処分見込額および保証による回収見込額を減額し、その残額に貸倒設定率を掛けて貸倒見積高を算定します。

貸倒見積高=(債権額ー担保の処分見込額・保証による回収見込額)×貸倒設定率

破産更生債権等

破産更生債権等(はさんこうせいさいけんとう)とは、経営破綻または実質的に経営破綻に陥っている債務者に対する債権のことをいいます。破産更生債権等も貸倒懸念債権と同様に、個々の債権ごとに貸倒引当金を設定します(個別評価)。

破産更生債権等は回収できる可能性が低いので、債権額から担保の処分見込額や保証による回収見込額を減額した残額をすべて貸倒見積高とします(財務内容評価法)。

貸倒見積高=債権額ー担保の処分見込額・保証による回収見込額
個別評価と一括評価のイメージ

2.一般債権に対する貸倒引当金の設定

一般債権に対する貸倒引当金の設定方法は3級で学習した内容なので問題ないと思います。

例題1

決算にあたり、売掛金残高¥500,000に対して貸倒引当金を設定する。なお、貸倒実績率は5%であり、貸倒引当金の残高は¥10,000である。

一般債権に対する貸倒見積高(貸倒引当金の設定額)は、債権の期末残高に貸倒実績率を掛けて計算します。

貸倒見積高=¥500,000×5%=¥25,000

貸倒引当金の繰入額は貸倒見積高と貸倒引当金残高との差額となります(差額補充法)。

借方科目 金額 貸方科目 金額
貸倒引当金繰入 15,000 貸倒引当金 15,000

ちなみに貸倒見積高が貸倒引当金の期末残高よりも小さい場合には、その差額を貸倒引当金戻入勘定で処理します。

例題2

決算にあたり、売掛金残高¥500,000に対して貸倒引当金を設定する。なお、貸倒実績率は5%であり、貸倒引当金の残高は¥30,000である。

借方科目 金額 貸方科目 金額
貸倒引当金 5,000 貸倒引当金戻入 5,000

3.貸倒懸念債権に対する貸倒引当金の設定

例題3

決算にあたり、A社の財政状態が悪化しているため、A社に対する売掛金残高¥500,000から担保の処分見込額¥100,000を差し引いた残額の40%を貸倒引当金として設定する。

貸倒懸念債権については債権金額から担保の処分見込額や保証による回収見込額を減額し、その残額に貸倒設定率を掛けて貸倒見積高を算定します。

貸倒見積高=(¥500,000ー¥100,000)×40%=¥160,000

借方科目 金額 貸方科目 金額
貸倒引当金繰入 160,000 貸倒引当金 160,000

4.貸倒引当金繰入の表示方法

営業債権に対する貸倒引当金繰入は、損益計算書上、販売費及び一般管理費に表示し、営業外債権に対する貸倒引当金繰入は、営業外費用の区分に表示します。

営業債権とは主たる営業活動(商品の販売やサービスの提供など)によって生じた債権のことで、売掛金や受取手形などがそれにあたります。一方、営業外債権とは主たる営業活動以外から生じた債権のことで貸付金などがあります。

損益計算書における貸倒引当金繰入の表示方法