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外貨による前払金(前受金)の処理と決算時の換算替え

重要度★★★★☆ 2級商業簿記無料講座第12章-2のアイキャッチ画像

外貨建ての資産や負債は原則として取引発生時の為替相場で換算されるので、決算時の為替相場が乖離している場合、何もしないと貸借対照表が決算時点の企業の財政状態を正しく示さない恐れがあります。そこで換算替えという処理が必要になるわけです。

1.外貨による前払金(前受金)の処理

前払金を支払ったとき(前受金を受け取ったとき)の仕訳

例題1

商品100ドルを輸入するため、前払金20ドルを現金で支払った。前払金支払い時の為替相場は1ドル100円である。

外貨建取引が発生したときは、原則として取引発生時の為替相場により換算します。したがって、前払金を支払ったとき(前受金を受け取ったとき)は、金銭授受時の為替相場により換算した金額をもって記録します。

借方科目 金額 貸方科目 金額
前払金 (※)2,000 現金 2,000

(※)20ドル×100円/ドル

商品を輸入(輸出)したときの仕訳

例題2

商品100ドルを輸入し、前払金20ドルを差し引いた残額80ドルを掛けとした。輸入時の為替相場は1ドル110円である。

借方科目 金額 貸方科目 金額
仕入 10,800 前払金 2,000
買掛金 8,800
外貨による前払金(前受金)の処理

前払金(前受金)は金銭授受時の為替相場により換算し、買掛金(売掛金)は取引発生時の為替相場により換算します。また、仕入(売上)は貸方(借方)の合計金額とします。

仕入(売上)については、取引発生時の為替相場で換算されないということに注意してください。

2.決算時の処理方法

これまで見てきたように、外貨建ての資産・負債は取引発生時の為替相場で換算された金額で計上されています。しかし、取引発生時の為替相場が決算時の為替相場とかけ離れている場合、資産・負債の金額が企業の実態を表していないことになります。

換算替えとは?

そこで決算時において、貨幣項目については取引発生時の為替相場で換算されている金額を決算時の為替相場により換算し直し(これを換算替えといいます)、この金額をもって貸借対照表価額とします。

貨幣項目とは?

貨幣項目とは、現金や預金、回収額(支払額)が確定している金銭債権債務のことをいい、非貨幣項目とは、貨幣項目以外の資産・負債をいいます。

3.決算時の換算替え

例題3

決算整理前残高試算表における資産・負債のうち、外貨建てのものは次のとおりである。なお、決算時の為替相場は1ドル110円である。

・現金:2,100円(20ドル)

・売掛金:3,450円(30ドル)

・買掛金:2,800円(25ドル)

貸借対照表価額は決算時の為替相場(110円/ドル)で換算した金額となります。また、貸借対照表価額と帳簿価額との差額は為替差損益とします。

「現金」の換算替え

借方科目 金額 貸方科目 金額
現金 (※)100 為替差損益 100

(※)貸借対照表価額¥2,200ー帳簿価額¥2,100=+¥100

・貸借対照表価額:20ドル×110円/ドル=2,200円

「売掛金」の換算替え

借方科目 金額 貸方科目 金額
為替差損益 (※)150 売掛金 150

(※)貸借対照表価額¥3,300ー帳簿価額¥3,450=ー¥150

・貸借対照表価額:30ドル×110円/ドル=3,300円

「買掛金」の換算替え

借方科目 金額 貸方科目 金額
買掛金 (※)50 為替差損益 50

(※)貸借対照表価額¥2,750ー帳簿価額¥2,800=ー¥50

・貸借対照表価額:25ドル×110円/ドル=2,750円

4.まとめ

まとめ
  • 前払金・前受金がある場合、仕入(売上)の金額は取引発生時の為替相場で換算するのではなく、貸方(借方)の合計額とする。
  • 決算時において、貨幣項目については取引発生時の為替相場で換算されている金額を決算時の為替相場によって換算替えをし、この金額をもって貸借対照表価額とする。
  • 換算替えによって生じた差額は為替差損益勘定で処理する。
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