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開始仕訳とは~支配獲得後の連結~

重要度★★★★★ 2級商業簿記無料講座第10章-5のアイキャッチ画像

すでに説明したように連結修正仕訳は個別ベースでの帳簿には記録されません。つまり、当期の連結財務諸表を作成するためには過去に行った連結修正仕訳を再度やり直す必要があります。このための仕訳を開始仕訳といいます。

1.開始仕訳の基礎知識

連結財務諸表を作成するための連結修正仕訳は帳簿外の手続き(連結精算表上の手続き)として行われるので、個別ベースの帳簿には記録されません。つまり、翌期の個別財務諸表には連結修正仕訳の結果が反映されないということになります。

要するに連結財務諸表は、過年度の連結修正仕訳が反映されていない個別財務諸表を基礎として作成されるわけです。

意味が分からない人はこちら。


開始仕訳の基礎知識

そこで、当期の修正だけでなく前期以前に発生した金額も修正する必要が生じます。この前期以前に行った連結修正仕訳を当期に再度やり直すための仕訳を開始仕訳といいます。

開始仕訳は、前期以前に行った連結修正仕訳を累積したものとなります。当期に行う連結修正仕訳とは関係ないのでしっかりと区別しましょう。

2.開始仕訳のやり方

それでは、簡単な例題を使って開始仕訳のやり方を説明していきます。

例題1

P社は前期末(×1年3月31日)にS社(資本金¥8,000、利益剰余金¥2,000)の発行済株式の60%を¥7,000で取得し、支配した。当期(決算日×2年3月31日)の連結財務諸表を作成するために必要な開始仕訳を示しなさい。

前期末(×1年3月31日)に行った仕訳

まず、支配獲得日(前期末)に行った連結修正仕訳(投資と資本の相殺消去)を考えます。

借方科目 金額 貸方科目 金額
資本金 8,000 S社株式 7,000
利益剰余金 2,000 非支配株主持分 4,000
のれん 1,000

資本連結が分からない人はこちら。


当期末(×2年3月31日)に行う仕訳(開始仕訳)

開始仕訳は前期以前に行った連結修正仕訳を累積したものとなりますが、勘定科目が変わる点に注意してください。具体的には、純資産の勘定科目(資本金、利益剰余金、非支配株主持分)の後ろに「○○当期首残高」または「○○期首残高」をつければいいだけです。

借方科目 金額 貸方科目 金額
資本金当期首残高 8,000 S社株式 7,000
利益剰余金当期首残高 2,000 非支配株主持分当期首残高 4,000
のれん 1,000

3.【参考】連結S/Sと連結B/Sとの関係

基本的に連結修正仕訳は、連結財務諸表の表示科目をそのまま勘定科目として使います。

ところで、支配獲得日後は連結株主資本等変動計算書も作成しているため、連結貸借対照表の純資産の金額だけでなくこちらの金額も修正する必要があります。

連結株主資本等変動計算書と連結財務諸表の関係

連結貸借対照表の純資産の項目は、連結株主資本等変動計算書で計算された金額をそのまま記入したものなので、連結株主資本等変動計算書の金額を修正することで、結果的に連結貸借対照表の金額も修正できるわけです。

このような理由から、開始仕訳における純資産の項目は連結株主資本等変動計算書における表示科目の「○○当期首残高」という勘定科目を使って仕訳をします。

4.まとめ

まとめ
  • 前期以前に行った連結修正仕訳に関して、当期に修正する仕訳を開始仕訳という。
  • 開始仕訳は、前期以前に行った連結修正仕訳を累積したものである。
  • 開始仕訳では、純資産の勘定科目は連結株主資本等変動計算書の勘定科目(「○○当期首残高」または「○○期首残高」)を使って仕訳をする。
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