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当期の連結修正仕訳4~貸倒引当金の修正~

重要度★★★★☆ 2級商業簿記無料講座第10章-10のアイキャッチ画像

これまで学習してきたように連結財務諸表の作成にあたって、連結会社間の債権債務の期末残高は消去しなければなりませんが、個別会計上これらの債権(受取手形や売掛金など)に貸倒引当金が設定されている場合は、これも消去する必要があります。

1.期末貸倒引当金の修正

引当金のうち、連結会社を対象として引当てられたことが明らかのものは、これを調整する。
例題1

P社(親会社)のS社(子会社)に対する売掛金が×1年度末に¥1,000あった。当期(×1年4月1日から×2年3月31日)の連結財務諸表を作成するために必要な連結修正仕訳を示しなさい。なお、P社はこの売掛金に対して5%の貸倒引当金を設定している(差額補充法)。

(1)債権債務の相殺消去

まず、連結会社間の債権債務を相殺消去します。

借方科目 金額 貸方科目 金額
買掛金 1,000 売掛金 1,000

(2)貸倒引当金の修正

①P社の個別上の処理

P社の仕訳
(借)
貸倒引当金繰入
50
(貸)
貸倒引当金
50

売掛金残高¥1,000×5%

②連結会計上あるべき処理

連結上、連結会社間の売掛金は消去されるので、この売掛金に対して貸倒引当金が設定されることはありません。したがって、仕訳なしとなります。

③連結修正仕訳

以上より、貸倒引当金の修正に関する連結修正仕訳は次のようになります。

借方科目 金額 貸方科目 金額
貸倒引当金 50 貸倒引当金繰入 50

当期(×1年度)の連結修正仕訳

(1)債権債務の相殺消去と(2)貸倒引当金の修正を合算したものが当期(×1年度)の連結修正仕訳となります。

借方科目 金額 貸方科目 金額
買掛金 1,000 売掛金 1,000
貸倒引当金 50 貸倒引当金繰入 50

2.期首貸倒引当金の修正(開始仕訳)

次に、前期末に貸倒引当金の修正をしている場合の当期の連結修正仕訳についてみていきます。

例題2

P社(親会社)のS社(子会社)に対する売掛金が×1年度末に¥1,000、×2年度末に¥1,400あった。当期(×2年4月1日から×3年3月31日)の連結財務諸表を作成するために必要な連結修正仕訳を示しなさい。なお、P社はこの売掛金に対して5%の貸倒引当金を設定している(差額補充法)。

(1)債権債務の相殺消去

まず、当期末における連結会社間の債権債務を相殺消去します。

借方科目 金額 貸方科目 金額
買掛金 1,400 売掛金 1,400

(2)貸倒引当金の修正

①前期末の貸倒引当金の修正(開始仕訳)

連結財務諸表は親会社と子会社の個別財務諸表を合算して作成します。ところが、前期末の連結修正仕訳は個別会計上には反映されていないので、当期の連結財務諸表の作成にあたって、前期末までに行った連結修正仕訳を再度行う必要があります。

借方科目 金額 貸方科目 金額
貸倒引当金 50 利益剰余金当期首残高 50

開始仕訳においては、利益に影響を及ぼす項目(貸倒引当金繰入)は「利益剰余金当期首残高」となることに注意してください。

・前期末→「貸倒引当金繰入」の減少(利益の増加)→前期末の「利益剰余金」の増加→当期首の「利益剰余金当期首残高」の増加

②当期末の貸倒引当金の修正

差額補充法なので、P社の個別上の処理では前期末の貸倒引当金¥50と当期末の貸倒引当金¥70(¥1,400×5%)の差額¥20を繰り入れています。当期の連結修正仕訳ではこの金額を修正します。

借方科目 金額 貸方科目 金額
貸倒引当金 20 貸倒引当金繰入 20

当期(×2年度)の連結修正仕訳

以上の3つの仕訳を合算したものが当期(×2年度)の連結修正仕訳となります。

借方科目 金額 貸方科目 金額
買掛金 1,400 売掛金 1,400
貸倒引当金 50 利益剰余金当期首残高 50
貸倒引当金 20 貸倒引当金繰入 20

3.まとめ

まとめ
  • 連結財務諸表の作成にあたって個別会計上、連結会社間の債権に貸倒引当金が設定されている場合は、これも消去しなければならない。
  • 当期の連結修正仕訳では、開始仕訳として前期末に行った仕訳を再度行う。その際、「貸倒引当金繰入」は「利益剰余金当期首残高」となる点に注意。
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