材料の追加投入~例題と計算方法~

材料の追加投入~例題と計算方法~

材料が追加投入された場合の処理方法を理解したところで、今回は具体的な例題を使ってその計算方法を学習していきたいと思います。

材料の追加投入の例題

次の資料に基づいて、当月の完成品原価および月末仕掛品原価を求めなさい。

1.生産データ

生産データ

( )内は加工進捗度を示す。

2.原価データ

原価データ

3.完成品と月末仕掛品への原価配分は先入先出法による。

材料費の計算

SHIBUYA
SHIBUYA

最初に前回の内容をまとめておきます。

複数種類の材料を追加投入した場合

前回の内容はこちら。

【直接材料費進捗度とは?】複数種類の材料を追加投入した場合 【直接材料費進捗度とは?】複数種類の材料を追加投入した場合

a材料費

材料の追加投入(始点投入)

a材料は始点投入なので、月初仕掛品・月末仕掛品ともに完成品と同量の材料が含まれています。

したがって、仕掛品の直接材料費進捗度はともに100%ということになります。

材料の追加投入(始点投入の計算方法)

先入先出法なので、まず当月投入分の単価を使って月末仕掛品の原価を計算し、借方(インプット側)との差額で完成品原価を求めます。

b材料費

材料の追加投入(途中投入1)

月初仕掛品・月末仕掛品ともにb材料の投入点(20%)を通過しているので、完成品と同量の材料が含まれています。

材料の追加投入(途中投入の計算方法)

仕掛品の直接材料費進捗度はともに100%となるので、計算方法は先ほどのa材料費(始点投入)のケースと同じです。

c材料費

材料の追加投入(途中投入2)

月末仕掛品はc材料の投入点(50%)を通過しているので、完成品と同量の材料が含まれています。

一方、月初仕掛品はc材料の投入点を通過していないので、月初仕掛品にはc材料は一切含まれていないことになります。

材料の追加投入(途中投入の計算方法)

月末仕掛品の直接材料費進捗度は100%ですが、月初仕掛品の直接材料費進捗度は0%(換算量は0個)ということになります。

d材料費

d材料は工程の終点で投入されるので、仕掛品にはまったく含まれていません。したがって、d材料費はすべて完成品の原価となります

e材料費

材料の追加投入(平均的に投入)

e材料は工程を通じて平均的に投入しているので、仕掛品は加工進捗度に比例した原価を負担します。

材料の追加投入(平均投入の計算方法)

仕掛品の数量に加工進捗度を掛けた完成品換算量に基づいて計算していきます。したがって、計算方法は加工費と同じとなります

加工費の計算

加工費の計算

加工費は加工進捗度にもとづいた完成品換算量によって計算します。これに関しては今まで学習してきた通りなので特に問題ないでしょう。

例題の答え

以上より、例題の答えは次のようになります。

当月の完成品原価

当月の完成品原価

月末仕掛品原価

月末仕掛品原価