引当金を繰り入れる仕訳はどれもワンパターンなので問題ないと思います。それぞれの引当金の内容(なぜ引当金を設定する必要があるのか)を理解してください。
退職給付引当金とは?
退職給付とは、一定の期間にわたり労働を提供したことなどの事由に基づいて、退職以後に従業員に支給される給付のことをいいます。
ボキタロー
要するに退職金のことですね。
退職給付は一般に、労働の対価として支払われる賃金の後払いであると考えられています(賃金後払説)。
この考え方によると、退職給付は退職時にその全額を一括して費用とするのではなく、従業員の労働に応じて毎期費用として計上すべきということになります。
そこで、将来の退職給付のうち当期に発生した分を見積り、決算においてその金額を費用として計上するとともに、将来の支払いに備えて引当金を設定します。これを退職給付引当金といいます。
決算時(引当金の設定)の仕訳
例題1
決算につき、退職給付引当金¥2,000を繰り入れた。
退職給付引当金の繰入額は退職給付費用(販売費及び一般管理費)で処理します。
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
---|---|---|---|
退職給付費用 | 2,000 | 退職給付引当金 | 2,000 |
注意
「退職給付引当金繰入」ではないので注意してください。退職金を支払ったときの仕訳
例題2
従業員の退職にあたり、退職金¥80,000を現金で支払った。なお、退職給付引当金の残高は¥100,000である。
退職給付引当金を設定している場合は退職金を支払ったときにそれを取り崩します。
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
---|---|---|---|
退職給付引当金 | 80,000 | 現金 | 80,000 |