本支店会計の問題3(帳簿の締め切り)

問題

次の資料にもとづいて、以下の各問いに答えなさい。

【資料1】決算整理前残高試算表

【資料2】決算整理事項等

(1)商品の期末棚卸高:(本店)¥35,300、(支店)¥10,500

(2)本店支店ともに、売上債権の期末残高に対して3%の貸倒引当金を差額補充法によって設定する。

(3)備品の減価償却は本店支店ともに、耐用年数5年、残存価額ゼロ、定額法によって行う。

(4)販売費の前払い:(本店)¥18,500、(支店)¥2,100


【問1】本店の損益勘定を完成させなさい。なお、当社では総合損益勘定は設けずに、本店の損益勘定において会社全体の純損益を算定している。

【問2】支店勘定および本店勘定の次期繰越額を答えなさい。




解答

【問1】

【問2】

支店勘定および本店勘定の次期繰越額:¥102,280

解説

支店の損益勘定の作成

まず、支店の利益を算定するために支店の損益勘定を作成します。

決算整理仕訳

借方科目 金額 貸方科目 金額
1 仕入 11,400 繰越商品 11,400
繰越商品 10,500 仕入 10,500
2 貸倒引当金繰入 620 貸倒引当金 620
3 減価償却費 5,000 備品減価償却累計額 5,000
4 前払販売費 2,100 販売費 2,100

貸倒引当金繰入:売掛金¥34,000×3%ー¥400=¥620

減価償却費:備品¥25,000÷5年=5,000

損益振替

支店の収益と費用を損益勘定へ振り替えます。

借方科目 金額 貸方科目 金額
売上 325,100 損益 325,100
損益 267,320 仕入 223,100
販売費 25,200
貸倒引当金繰入 620
一般管理費 13,400
減価償却費 5,000

支店利益の算定

損益勘定で算定された支店の純利益を本店勘定へ振り替えます。

借方科目 金額 貸方科目 金額
損益 57,780 本店 57,780

支店の損益勘定

本店の損益勘定の作成

決算整理仕訳

借方科目 金額 貸方科目 金額
1 仕入 28,700 繰越商品 28,700
繰越商品 35,300 仕入 35,300
2 貸倒引当金繰入 380 貸倒引当金 380
3 減価償却費 8,000 備品減価償却累計額 8,000
4 前払販売費 18,500 販売費 18,500

貸倒引当金繰入:売掛金¥56,000×3%ー¥1,300=¥380

減価償却費:備品¥40,000÷5年=8,000

損益振替

本店の収益と費用を損益勘定へ振り替えます。

借方科目 金額 貸方科目 金額
売上 630,000 損益 630,000
損益 558,780 仕入 443,400
販売費 85,000
貸倒引当金繰入 380
一般管理費 22,000
減価償却費 8,000

支店利益の振替

支店の純利益を支店勘定で受け入れ、それを損益勘定へ振り替えます。

借方科目 金額 貸方科目 金額
支店 57,780 損益 57,780

繰越利益剰余金への振替

本店の損益勘定で算定された会社全体の純利益を繰越利益剰余金勘定へ振り替えます。

借方科目 金額 貸方科目 金額
損益 129,000 繰越利益剰余金 129,000

支店勘定および本店勘定の次期繰越額

支店勘定および本店勘定の次期繰越額は、前T/Bの支店勘定(本店勘定)に支店の純利益を加算したものとなります。