債権債務に関する仕訳問題1

問題

以下の各問いに答えなさい。ただし、使用する勘定科目は次の中から最も適当と思われるものを選ぶこと。

現金普通預金当座預金受取手形
売掛金未収入金営業外受取手形土地
支払手形買掛金営業外支払手形売上
土地売却益支払手数料債権売却損土地売却損
保証債務見返保証債務

【問1】次の取引の仕訳を答えなさい。

①土地(帳簿価額5,000,000円)を9,000,000円で売却し、代金のうち70%は当座預金に入金され、残額は6ヶ月後を支払期日とする手形で受け取った。

②当社は、甲社の債務1,000,000円について連帯保証人となったため、対照勘定を使って備忘記録を行った。

③ ②の債務について、甲社が返済期日に返済不能となり債権者から返済を求められたため、利息50,000円とともに小切手を振り出して支払った。

【問2】次の取引の仕訳を答えなさい。

①仕入先甲社に対する買掛金50,000円の支払いのため、得意先乙社に対する売掛金50,000円を乙社の承諾を得た上で、甲社に譲渡した。

②得意先A社に対する売掛金100,000円をA社の承諾を得た上で、B社に95,000円で譲渡し、代金は普通預金口座へ振り込まれた。




解答

借方科目金額貸方科目金額
当座預金6,300,000土地5,000,000
営業外受取手形2,700,000土地売却益4,000,000
保証債務見返1,000,000保証債務1,000,000
未収入金1,050,000当座預金1,050,000
保証債務1,000,000保証債務見返1,000,000

解説

①の仕訳

商品以外のものを売買したときに手形を使用した場合は、営業外受取手形勘定(資産)または営業外支払手形勘定(負債)を用いて処理します。

②の仕訳

債務保証の契約をしたときには、債務の保証に係る偶発債務を対照勘定(保証債務見返保証債務)を使って備忘記録します。

③の仕訳

当社が、主たる債務者(甲社)に代わって債務を返済した場合、のちに主たる債務者に対してその代金を請求することができるので、将来予想される受取額を未収入金などで処理します。 また同時に、偶発債務の消滅に伴って備忘記録(対照勘定)を消去します

MEMO

「未収入金」は「貸付金」や「立替金」などで処理することもあります。試験では問題の指示に従ってください。

解答

借方科目金額貸方科目金額
買掛金50,000売掛金50,000
普通預金95,000売掛金100,000
債権売却損5,000

解説

売掛金などの売上債権は、買掛金などの債務の支払いのために債務者の承諾を得た上で第三者へ譲渡することができます。この場合、これらの債権・債務を相殺させる仕訳を行います。

また、債権の現金化やリスクヘッジなどの目的のために、売掛金などの売上債権をファクタリング会社(債権の買取りや回収などを行う会社)などへ売却することがあります。

このとき、債権金額と売却金額との差額は債権売却損勘定(営業外費用)で処理します。