問題
次の資料にもとづいて、【資料4】の損益計算書および貸借対照表を完成させなさい。なお、当期は×7年4月1日から×8年3月31日までの1年間である。
【資料1】決算整理前残高試算表(一部)
【資料2】決算整理事項等
①売掛金の期末残高のうち500ドルは、×8年2月1日に商品を掛けで輸出したことにより発生したものである。なお、この売掛金の決済日は×8年4月30日である。
②現在、急激な円高基調にあり為替変動リスクを回避するため、×8年3月1日に売掛金500ドルについて為替予約を行ったが、この処理が未処理であった。なお、為替予約については振当処理を採用し、取引発生時のレートによる換算額と予約レートによる換算額との差額はすべて当期の損益として処理する。
③売掛金の期末残高に対して、2%の貸倒引当金を設定する(差額補充法)。
【資料3】直物レートおよび先物レート
直物レート | 先物レート | |
×8年2月1日 | ¥130/ドル | ¥128/ドル |
×8年3月1日 | ¥126/ドル | ¥124/ドル |
×8年3月31日 | ¥122/ドル | ¥120/ドル |
【資料4】損益計算書および貸借対照表(一部)
(注)記入の必要のない箇所は空欄のままにしておくこと。
解答
解説
①取引発生時の仕訳(処理済み)
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
---|---|---|---|
売掛金 | 65,000 | 売上 | 65,000 |
500ドル×@¥130(×8年2月1日の直物レート)=¥65,000
②為替予約
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
---|---|---|---|
為替差損益 | 3,000 | 売掛金 | 3,000 |
取引発生時レートで換算¥65,000→予約レートで換算¥62,000(※)
∴売掛金(将来受け取る金額)が¥3,000減ったので損をした(為替差損)。
(※)500ドル×@¥124(×8年3月1日の先物レート)=¥62,000
③貸倒引当金の計上
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
---|---|---|---|
貸倒引当金繰入 | 2,000 | 貸倒引当金 | 2,000 |
(¥253,000ー¥3,000)×2%ー¥3,000=¥2,000
為替差損益
帳簿(仕訳)上は為替差損益としますが、損益計算書に表示するときは貸借を相殺して為替差損(借方残高)または為替差益(貸方残高)のどちらかのみを記載します。