税金等に関する仕訳問題2

問題

次の各取引の仕訳を示しなさい。ただし、使用する勘定科目は次の中から最も適切なものを選ぶこと。

現金クレジット売掛金仮払法人税等仮払消費税
未収還付法人税等未収還付消費税従業員預り金仮受消費税
未払法人税等未払消費税広告宣伝費法定福利費
支払手数料法人税、住民税及び事業税

①従業員の給料から控除していた源泉所得税¥450,000、住民税¥175,000、社会保険料¥62,000について、社会保険料の会社負担分とあわせて現金で支払った。なお、当社では社会保険料について、従業員と事業主とで同額を負担することとしている。

②広告宣伝費¥168,300(消費税込み)を現金で支払った。なお、消費税(税抜方式で処理)の税率10%である。

③商品¥500,000をクレジット払いの条件で顧客に販売した。信販会社へのクレジット手数料(販売代金の5%)は販売時に認識する。なお、消費税(税抜方式で処理)の税率は販売代金に対して10%であるが、クレジット手数料には消費税は課税されない。

④決算時における仮払消費税は¥947,000、仮受消費税は¥1,520,000である。

⑤当期の利益に対する法人税、住民税及び事業税の金額が¥450,000と計算された。なお、期中に中間納付した額は、法人税が¥300,000、住民税が¥100,000、事業税が¥90,000である。




解答

借方科目金額貸方科目金額
従業員預り金687,000現金749,000
法定福利費62,000
広告宣伝費153,000現金168,300
仮払消費税15,300
クレジット売掛金525,000売上500,000
支払手数料25,000仮受消費税50,000
仮受消費税1,520,000仮払消費税947,000
未払消費税573,000
法人税、住民税及び事業税450,000仮払法人税等490,000
未収還付法人税等40,000

解説

ほとんどが3級の内容となるので、出来なかった人はもう一度3級の内容を復習しておきましょう。

①の取引

給料支払い時には、源泉所得税¥450,000、住民税¥175,000、社会保険料¥62,000を従業員預り金勘定で処理しています(処理済み)。

借方科目金額貸方科目金額
給料××現金××
従業員預り金687,000

これらを支払ったときは従業員預り金を取り崩し、社会保険料の会社負担分は法定福利費勘定で処理をします。

社会保険料は「従業員と事業主とで同額を負担する」ので、法定福利費の金額は従業員の負担額¥62,000と同額とします。

②の取引

税抜方式で処理しているため、支払額に含まれている消費税額¥15,300(=¥168,300×0.1/1.1)は仮払消費税勘定で処理をします。

③の取引

支払手数料:代金¥500,000×5%=¥25,000

仮受消費税:代金¥500,000×10%=¥50,000

クレジット売掛金:貸借差額

MEMO

クレジット払いによる商品販売は、信販会社に対する債権の譲渡という性格があります。このような金銭債権の譲渡は消費税法上、非課税取引とされており消費税はかかりません。

④の取引

受け取った消費税(仮受消費税)が支払った消費税(仮払消費税)よりも多い場合は、その差額を後日納付するため、未払消費税勘定(負債)で処理します。

MEMO

仮に「仮受消費税<仮払消費税」だった場合は、この差額が還付される(戻ってくる)ため、未収還付消費税勘定(資産)で処理をします。

⑤の取引

中間納付したときは次のような仕訳をしています(処理済み)。

借方科目金額貸方科目金額
仮払法人税等490,000現金など490,000

法人税等の中間納付額¥490,000(¥300,000+¥100,000+¥90,000)よりも当期の税額が小さい場合は、その差額が後日還付されます。この還付額は未収還付法人税等(資産)で処理をします。