第1問

下記の取引の仕訳を示しなさい。ただし、勘定科目はプルダウンの中から最も適当と思われるものを選び、選択すること。

1 当社は事務用品の販売を行っており、オフィス用デスク(¥100,000)とオフィス用チェア(¥50,000)を大阪商事へ販売する契約を締結するとともに、先にオフィス用デスクのみを大阪商事へ引き渡した。なお、代金はオフィス用チェアを引き渡した後に請求する契約となっており、オフィス用デスクの代金についてはまだ顧客との契約から生じた債権となっていない。また、オフィス用デスクの引き渡しとオフィス用チェアの引き渡しは、それぞれ独立した履行義務として識別する。
借方科目金額貸方科目金額
2 ×7年12月31日に発生した火災によって建物(取得原価¥3,000,000、期首減価償却累計額¥750,000、耐用年数20年、残存価額ゼロ、定額法)が焼失したため、火災発生日の簿価を未決算勘定に振り替えていた。焼失した建物には総額¥2,500,000の火災保険が掛けられており、保険会社に保険金の請求を行ったところ、保険会社から¥2,000,000支払う旨の連絡を受けた。なお、決算日は3月31日(会計期間1年)であり、減価償却費は月割計算、間接法による記帳を行っている。
借方科目金額貸方科目金額
3 売掛金¥500,000がある得意先の札幌商店が倒産した。会計上はこの売掛金に対して100%の貸倒引当金を設定したが、税法上は会社更生法の申立前であるため損金算入が認められなかった。貸倒引当金を設定するための決算整理仕訳はすでに行っているものとし、税効果会計の適用にかかわる仕訳のみを解答しなさい。また、貸倒引当金に期首残高はなく、法人税等の実効税率は30%とする。
借方科目金額貸方科目金額
4 本日(為替レートは1ドル=¥122)、商品8,000ドルを輸入し、手付金2,000ドルを差し引いた残額6,000ドルを掛けとした。なお、手付金支払い時の為替レートは1ドル=¥121であった。
借方科目金額貸方科目金額
5 決算にあたり、翌年度における従業員に対する賞与支給額¥600,000(支給予定日:×8年6月20日、対象期間:×7年12月1日から×8年5月31日の6か月分)について、当期の負担額を賞与引当金に計上する。なお、当期は×7年4月1日から×8年3月31日までの1年間である。
借方科目金額貸方科目金額

第2問

次の[資料]にもとづいて、株主資本等変動計算書(単位:円)を完成しなさい。金額が負の値の場合は、プルダウンから「△」を選択し、不要な空欄には何も入力しないこと。なお、会計期間はX4年4月1日からX5年3月31日までの1年間である。

[資料]当期の株主資本等変動計算書に関する取引(発生順)

1.×4年6月25日、定時株主総会において、次のとおり剰余金の処分が決定された。
(1)株主への配当:¥300,000(うち、¥100,000はその他資本剰余金を財源とし、¥200,000は繰越利益剰余金を財源とする。準備金については会社法で規定する額を積み立てる。)
(2)繰越利益剰余金から修繕積立金¥80,000を積み立てる。

2.新株を発行し、¥800,000の払込みを受けた。資本金組入額は会社法規定の最低額とする。

3.資本準備金¥450,000を資本金に振り替えた。

4.同業者の株式会社愛媛商店を吸収合併し、当社の株式1,000株(時価@¥1,000)を愛媛商店の株主に交付した。承継した愛媛商店の諸資産は¥6,000,000(時価)で、諸負債は¥5,300,000(時価)である。合併契約に定められた資本金とする額は¥700,000であり、残りは資本準備金とする。

5.当社が前期より保有しているその他有価証券(取得原価¥100,000)の時価は、前期末が¥120,000で、当期末が¥150,000であった。まだ再振替仕訳が行われていないため、決算において再振替仕訳と決算整理仕訳を行う。なお、その他有価証券の評価差額について税効果会計(法定実効税率は30%)を適用する。

6.決算にあたり、当期純利益¥560,000を計上した。

株主資本
資本金 資本剰余金 利益剰余金
資本準備金 その他資本剰余金 資本剰余金合計 利益準備金 その他利益剰余金
修繕積立金
当期首残高 5,600,000 600,000 350,000 950,000 410,000 320,000
当期変動額
 剰余金の配当
 修繕積立金の積立
 新株の発行
 準備金の振替
 吸収合併
 当期純利益
 株主資本以外の項目
の当期変動額(純額)
当期変動額合計
当期末残高

(下段へ続く)

(上段より続く)

株主資本 評価・換算差額等
利益剰余金 株主資本合計 その他有価証券
評価差額金
評価・換算差額等
合計
その他利益剰余金 利益剰余金合計
繰越利益剰余金
当期首残高 500,000 1,230,000 7,780,000 14,000 14,000
当期変動額
 剰余金の配当
 修繕積立金の積立
 新株の発行
 準備金の振替
 吸収合併
 当期純利益
 株主資本以外の項目
の当期変動額(純額)
当期変動額合計
当期末残高

第3問

次の決算整理前残高試算表と資料にもとづいて、貸借対照表(単位:円)を完成しなさい。なお、会計期間はx4年4月1日からx5年3月31日までの1年間である。

決算整理前残高試算表

借方勘定科目貸方
150,000現金
736,000当座預金
480,000電子記録債権
530,000売掛金
100,000売買目的有価証券
430,000繰越商品
60,000仮払法人税等
1,200,000建物
240,000備品
700,000ソフトウェア仮勘定
150,000満期保有目的債券
200,000その他有価証券
800,000子会社株式
建物減価償却累計額480,000
備品減価償却累計額60,000
買掛金485,000
借入金640,000
貸倒引当金22,000
資本金2,000,000
資本準備金500,000
利益準備金250,000
繰越利益剰余金670,000
売上3,257,000
受取手数料36,000
1,700,000仕入
790,000給料
96,200水道光熱費
25,500通信費
12,300支払利息
8,400,0008,400,000

[資料Ⅰ] 決算整理事項等

  1. 現金には米国ドル500ドル(取得時のレート:1ドル¥110)、売掛金には米国ドル2,000ドル(取得時のレート:1ドル¥115)、買掛金には米国ドル1,600ドル(取得時のレート:1ドル¥118)が含まれており、いずれも取得時のレートで換算している。x5年3月31日の為替レートは、1ドル¥120である。
  2. 当座預金の銀行残高は¥684,000であった。帳簿残高との差額の原因を調査したところ次の事項が判明した。
    (1)決算の直前に、電子記録債権¥120,000の支払期日が到来し、当座預金口座に振り込まれていたが、この取引がまだ記帳されていなかった。
    (2)通信費の支払いのために振り出した小切手¥?が金庫に保管されたまま、未渡しとなっていた。
    (3)決算日に現金¥150,000を当座預金口座に預け入れたが、銀行の営業時間外であったため、翌日の入金として処理されていた。
    (4)買掛金の支払いのため、小切手¥190,000を振り出していたが、これが未取付であった。
    (5)売掛金¥220,000を得意先振り出しの小切手で回収し、直ちに当座預金に預け入れたが、まだ取り立てが行われていなかった。
  3. 商品の期末帳簿棚卸高は600個(原価@¥950)であり、実地棚卸高は570個(うち、500個の正味売却価額@¥980、70個の正味売却価額@¥900)である。
  4. 売掛金及び電子記録債権の期末残高に対して3%の貸倒引当金を差額補充法により設定する。
  5. 固定資産の減価償却は次のとおり行う。
    建物:定額法(耐用年数20年、残存価額ゼロ)
    備品:200%定率法(耐用年数8年、残存価額ゼロ)
  6. 期末に保有している有価証券は[資料Ⅱ] のとおりである。有価証券の処理方法は切放法、税効果会計については考慮しなくてよい。
  7. 自社で利用する目的で、外部に開発を依頼していた在庫管理システムが×4年4月1日に完成し引き渡し受け、当日より稼働を開始したが、この処理が未処理であった。当該ソフトウェアの開発費用¥700,000はすでに支払いが終わっており、この全額をソフトウェア仮勘定で処理していたが、開発費用の中に今後5年間のメンテナンス費用¥50,000(年額¥10,000)が含まれていることが判明した。メンテナンス費用については、いったん全額を長期前払費用として処理しておき、決算において当期分を費用に振り替えるとともに、翌期以降の分は1年基準によって流動資産と固定資産に分類する。なお、ソフトウェアは定額法(償却年数5年)により償却する。
  8. 借入金の内訳は次のとおりである。
    ¥400,000:返済日×7年3月31日
    ¥240,000:返済日×5年9月30日
  9. 法人税、住民税及び事業税として¥155,800を計上する。なお、仮払法人税等の残高は中間申告した際に計上したものである。

[資料Ⅱ] 有価証券に関する資料

銘柄保有目的期末時価
A社株式売買目的¥70,000
B社社債満期保有目的¥160,000
C社株式支配目的¥900,000
D社株式長期利殖目的¥220,000

・B社社債は取得原価により評価する。なお、満期日はx8年3月31日である。

貸借対照表

x5年3月31日

資産の部負債の部
Ⅰ流動資産Ⅰ流動負債
 現金 買掛金
 当座預金 短期借入金
 電子記録債権 未払金
 売掛金 未払法人税等
  貸倒引当金Ⅱ固定負債
 有価証券 長期借入金
 商品  負債合計
 前払費用純資産の部
  流動資産合計Ⅰ株主資本
Ⅱ固定資産1.資本金2,000,000
1.有形固定資産2.資本剰余金
 建物1,200,000 (1)資本準備金500,000
  減価償却累計額3.利益剰余金
 備品240,000 (1)利益準備金250,000
  減価償却累計額 (2)その他利益剰余金
2.無形固定資産  繰越利益剰余金1,023,0001,273,000
 ソフトウェアⅢ評価・換算差額等
3.投資その他の資産1.その他有価証券評価差額金
 投資有価証券  純資産合計
 関係会社株式
 長期前払費用
  固定資産合計
資産合計負債及び純資産合計

第4問(1)

下記の取引の仕訳を示しなさい。ただし、勘定科目はプルダウンの中から最も適当と思われるものを選び、選択すること。

1 材料¥700,000を消費した。このうち¥500,000は直接材料費で、残りは間接材料費である。
借方科目金額貸方科目金額
2 製品が完成した。仕掛品勘定の借方に集計されている金額は、直接材料費が¥500,000、直接労務費が¥800,000、製造間接費の配賦額が¥600,000である。
借方科目金額貸方科目金額
3 工場が遠隔地にあることから、当社では工場会計を独立させている。材料の保管倉庫は工場にあるが、材料購入を含めて支払関係はすべて本社が行っている。材料¥200,000を掛けで購入し、材料は購入後ただちに検査したうえで倉庫に搬入した。このとき、工場で行われる仕訳を示しなさい。
借方科目金額貸方科目金額

第4問(2)

当社では、オフィス用インテリアの受注生産を行っており、製品原価の計算には実際個別原価計算を採用している。次の[資料]にもとづいて、下記の各問に答えなさい。

[資料]

1.当月の指図書別データ

製造指図書番号No.100No.200No.100-1No.200-1
月初仕掛品¥670,000
直接材料消費量380kg800kg60kg150kg
直接作業時間130時間180時間50時間100時間

2.直接材料費は予定消費価格(500 円/ kg) 、直接労務費は予定平均賃率( 1,500 円/時間)で計算している。

3.当社では固定予算によって製造間接費を管理しており、直接作業時間を配賦基準として各製造指図書に予定配賦している。製造間接費の月間予算額は1,200,000円であり、月間の予定総直接作業時間は500時間である。また、実際発生額は1,350,000円であった。

4.当月末において、製造指図書No.100はすべて完成し、その他は仕掛中である。

5.製造指図書No.100-1は、製造指図書No.100において補修可能な仕損が一部発生したために発行した補修指図書である。

6.製造指図書No.200-1は、製造指図書No.200の全部が仕損となり、補修不能なために発行した代品製造指図書である。なお、仕損品の処分価格は200,000円であった。

(問1)月末仕掛品原価および完成品原価を答えなさい。

月末仕掛品原価
完成品原価

(問2)製造間接費の予算差異および操業度差異の金額を答えなさい。

予算差異
操業度差異

※プルダウンから「有利差異」か「不利差異」を選択すること。

第5問

当社では、製品Aを生産・販売している。現在、当年度の実績データにもとづいて、来年度の利益計画に関する会議を行っている。以下は、社長と原価計算担当者の会話である。空欄①~⑥に入る適当な金額を答えなさい。

[資料]当年度の実績データ

1.製品Aの販売価格 @¥500/個

2.当年度の実績販売データ

期首製品0個
当期完成5,000個
合 計5,000個
期末製品400個
当期販売4,600個

・仕掛品は存在していない。

3.製造原価に関するデータ
(1)変動費
・直接材料費 @¥140/個
・加工費 @¥70/個

(2)固定費
・加工費 ¥450,000

4.販売費に関するデータ
(1)変動費 @¥40/個
(2)固定費 ¥240,000

原価計算担当「当年度の損益分岐点における売上高は( ① )円となります。」

社長「ふむ。では安全余裕率は( ② )%、経営レバレッジ係数は( ③ )ということか。」

原価計算担当者「そのとおりです。ちなみに、経営レバレッジ係数は固定費の利用度を表す指標で、経営レバレッジ係数に売上高の増減率をかけたものが営業利益の増減率になるという特徴があります。」

社長「今の好景気であれば経営レバレッジ係数は大きいことに越したことはないからもう少し増やしたいところだな。」

原価計算担当者「総原価に占める固定費の割合を高めれば、経営レバレッジ係数を高めることができます。それについては今後の検討課題といたしましょう。」

社長「我が社としては、この好景気の波に乗って来年度には当年度の営業利益の2倍の営業利益を獲得したいと考えている。その場合に必要となる売上高はいくらかね?」

原価計算担当者「はい。製品の販売価格、変動費率、固定費が当年度と変化がないと仮定した場合、当年度の2倍の営業利益を獲得するために必要な売上高は( ④ )円となります。」

社長「なるほど。それでは、来年度の売上高営業利益率25%を達成するために必要な販売量も教えてくれるかね?」

原価計算担当者「はい。その場合の販売量は( ⑤ )個です。」

社長「そうか。ところで、我が社では内部管理用に直接原価計算を採用しているが、外部報告のための全部原価計算による営業利益も知っておきたい。」

原価計算担当者「全部原価計算による営業利益は固定費調整を行うことで容易に計算することができます。固定費調整の計算式は【全部原価計算による営業利益=直接原価計算による営業利益+( ⑥ )円】で表すことができます。」

社長「君のような優秀な部下がいてくれて助かったよ。さすがは日商簿記2級の資格保持者だな。」

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