第1問

下記の取引の仕訳を示しなさい。ただし、勘定科目はプルダウンの中から最も適当と思われるものを選び、選択すること。

1 当社は事務用品の販売を行っており、オフィス用デスク(¥100,000)とオフィス用チェア(¥50,000)を大阪商事へ販売する契約を締結するとともに、先にオフィス用デスクのみを引き渡していたが、本日、オフィス用チェアの引き渡しを行ったため、大阪商事へ請求書を送付した。なお、代金はオフィス用チェアを引き渡した後に請求する契約となっており、オフィス用デスクの引き渡しとオフィス用チェアの引き渡しは、それぞれ独立した履行義務として識別している。
借方科目金額貸方科目金額
2 札幌商事に対する買掛金¥2,500,000の支払い時に、同社からの仕入割戻¥300,000が未収入金に含まれていることが判明したため、これを相殺した純額で支払うこととし、普通預金口座から支払った。
借方科目金額貸方科目金額
3 沖縄商事から、商品¥3,200,000と研究開発専用で使用する測定機器備品¥600,000を、翌月末払いの条件で購入した。これらに対する消費税の税率は10%であり、取引は税抜方式により記帳する。
借方科目金額貸方科目金額
4 前期に保証書をつけて販売した商品について無償修理の依頼があり、貯蔵品に計上されている修理用部品を使用した分の修理費用合計¥1,150,000が発生した。なお、前期末に計上した商品保証引当金の残高は¥1,000,000であった。借方と貸方に同じ勘定科目が生じる場合は、両者を相殺して仕訳をすること。
借方科目金額貸方科目金額
5 商品¥300,000をクレジット払いの条件で顧客に販売し、信販会社へのクレジット手数料(税抜き販売代金の4%)を販売時に認識した。なお、消費税の税率は販売代金に対して10%とし、税抜方式で処理するが、クレジット手数料には消費税は課税されない。
借方科目金額貸方科目金額

第2問

(問1)以下の資料にもとづいて、ソフトウェア勘定に記入するとともに、当期の固定資産除却損の金額を答えなさい。なお、当期(×7年4月1日から×8年3月31日までの1年間)のソフトウェア関連の取引は[資料Ⅱ]に記載されており、減価償却の方法は[資料Ⅲ]に記載されている。

【解答にあたっての留意事項】
・日付は採点の対象としないため、記入しなくてもよい。
・英米式決算法によって帳簿を締め切ること。
・翌期の開始記入は不要である。

[資料Ⅰ]前期末(×7年3月31日)の固定資産台帳の内容(取得原価の部分まで)

固定資産台帳

取得年月日用途期末数量耐用年数取得原価
ソフトウェア
 ×1. 4.1システムA110年2,000,000
 ×5.10.1システムB110年3,000,000
[資料Ⅱ]当期のソフトウェアに関する取引

①社内利用目的のソフトウェア(システムC)の開発を外部に依頼し、4回均等分割支払いの条件で契約総額¥4,000,000の全額を未払計上し、3回分をすでに支払っていた。×8年1月1日、このソフトウェアの製作が完成し、使用を開始したため、ソフトウェア勘定に振り替えるとともに、最終回(第4回目)の支払いを普通預金から行った。

②同日(×8年1月1日)、システムC(耐用年数10年)の稼働に伴い、システムAが不要となったため、12月末の帳簿価額にもとづき、除却処理を行った。

[資料Ⅲ]減価償却の方法

ソフトウェアは、定額法(直接法)によって償却する。なお、期中取得分は年間の償却費を月割りで計算すること。

ソフトウェア

日付摘要借方日付摘要借方
固定資産除却損

(問2)以下の[資料]にもとづいて、損益計算書および貸借対照表(単位:円)の一部に記入しなさい。なお、当期の会計期間は×5年4月1日から×6年3月31日までの1年間である。

[資料Ⅰ]期首時点で保有している有価証券

銘柄取得原価前期末時価当期末時価保有目的
A社株式¥500,000¥550,000¥540,000その他
B社株式¥300,000¥280,000¥320,000その他
[資料Ⅱ]当期の有価証券に関する取引
①×5年10月1日、売買目的でC社株式500株を¥800で取得し、代金は普通預金口座から支払った。
②×5年11月15日、売買目的でC社株式500株を¥860で取得し、代金は普通預金口座から支払った。
③×5年12月20日、保有するC社株式のうち700株を1株につき¥840で売却し、代金は普通預金口座に振り込まれた。
④×6年2月1日、A社株式の発行済株式の10%を所有していたが、追加で50%を新たに取得し、A社に対する支配を獲得することとなり、代金¥2,500,000を普通預金口座から支払った。
⑤×6年3月31日、決算につき有価証券に関する処理を行う。なお、C社株式の当期末時価は1株¥810である。

[資料Ⅲ]その他
・その他有価証券の評価は全部純資産直入法による。また、税効果会計については考慮しなくてよい。
・払出単価の計算は移動平均法による。
・売買目的有価証券は分記法で記帳すること。

損益計算書(一部)
×5年4月1日から×6年3月31日

Ⅳ 営業外収益
Ⅴ 営業外費用

貸借対照表(一部)
×6年3月31日

資産の部・・・(省略)・・・
Ⅰ流動資産純資産の部
  有価証券Ⅱ評価・換算差額等
Ⅱ固定資産 その他有価証券評価差額金
 3.投資その他の資産
  投資有価証券
  関係会社株式

第3問

次の資料にもとづいて、精算表を完成させなさい。なお、当社の会計期間は×5年4月1日から×6年3月31日までの1年間である。また、精算表の修正記入欄は省略している。

[資料Ⅰ]前期末貸借対照表(単位:円)

貸借対照表
×5年3月31日

現金預金431,900買掛金580,000
売掛金900,000未払営業費20,000
売買目的有価証券115,000未払法人税等105,000
繰越商品520,000貸倒引当金27,000
前払利息5,000長期借入金1,000,000
備品300,000備品減価償却累計額108,000
土地3,000,000資本金3,000,000
のれん112,500資本準備金445,000
満期保有目的債券585,600利益準備金285,000
繰越利益剰余金400,000
5,970,0005,970,000

※便宜上、本来の貸借対照表の表示科目ではなく帳簿上の科目で表示しているものがある。

[資料Ⅱ]当期の現金預金勘定の要約

現金預金

前期繰越431,900買掛金の決済2,400,000
売掛金の決済4,860,000有価証券の取得270,000
有価証券の売却120,000保険料の支払240,000
有価証券利息の受取配当金の支払300,000
新株発行による払込営業費の支払1,450,000
法人税等の支払(※)170,000
借入金利息の支払20,000

(※)前期法人税等の未払分¥105,000および当期法人税等の中間申告分¥65,000である。

[資料Ⅲ]当期における期中取引等

1.商品売買
(1)仕入取引及び売上取引はすべて掛けにより行っている。
(2)当期の仕入高は¥2,700,000であり、売上高は¥5,000,000であった。

2.債権債務等
(1)買掛金の決済はすべて当座預金により行っており、当期の決済額は¥2,400,000である。
(2)売掛金の決済はすべて当座預金により行っており、当期の決済額は¥4,860,000である。
(3)売掛金¥30,000(前期発生分¥20,000、当期発生分¥10,000)が貸し倒れた。

3.有価証券
有価証券の状況は以下のとおりである。なお、売買目的有価証券の評価は洗替法により処理している。

銘柄保有目的取得原価前期末時価
A社株式売買目的¥130,000¥115,000
B社株式売買目的¥270,000
C社社債満期保有目的¥576,000¥580,000

(1)A社株式は×5年3月15日に取得したものである。×5年4月15日にA社株式のすべて¥120,000で売却し、売却代金は当座預金に預け入れた。
(2)B社株式は×6年3月1日に取得したものである。
(3)C社社債(額面金額¥600,000、償還日×8年3月31日、年利率2.4%、利払日3月末)は×3年4月1日に取得したものである。なお、取得原価と額面金額との差額は金利の調整と認められるため、償却原価法(定額法)を適用している。また、当期の利息は当座預金に預け入れている。

4.保険料
×5年10月1日に、向こう2年分の保険料として¥240,000を現金で支払った。

5.剰余金の配当
株主総会(×5年6月25日)において、以下の内容が決議された。なお、配当金については後日小切手を振り出して支払っている。
 ・配当金¥300,000(財源は繰越利益剰余金)

6.増資
×6年1月15日に、新株1,000株を@¥800で発行し、当座預金への払い込みを受けた。なお、資本金組入額は会社法規定の最低限度額とする。

[資料Ⅳ]決算整理事項等

1.商品の期末残高は次のとおりである。なお、売上原価の計算は仕入の行で行うこと。また、棚卸減耗損と商品評価損は精算表上は独立の科目として表示すること。
 帳簿棚卸数量:2,000個 原価:@¥240
 実地棚卸数量:1,900個 正味売却価額:@¥220

2.備品は200%定率法(耐用年数10年、残存価額ゼロ)により減価償却を行う。

3.のれんは過去に大阪商事株式会社を取得した際に計上したものであり、発生年度より20年間にわたって定額法により償却する。なお、取得時の大阪商事株式会社の諸資産の帳簿価額は¥2,250,000(時価¥2,350,000)、諸負債の帳簿価額は¥900,000(時価¥900,000)であり、対価として大阪商事株式会社の株主に¥1,600,000を現金で交付している。

4.当期末に保有している有価証券の当期末時価は以下のとおりである。
 B社株式:¥280,000
 C社社債:¥590,000

5.売上債権の期末残高に対して3%の貸倒引当金を差額補充法により設定する。

6.経過勘定項目
・営業費の未払い:¥25,000
・借入金の利息の前払い:¥5,000
・保険料の前払い:¥?

7.法人税、住民税及び事業税として¥190,000を計上する。

精算表
×6年3月31日

勘定科目試算表損益計算書貸借対照表
借方貸方借方貸方借方貸方
現金預金
売掛金
売買目的有価証券
繰越商品
仮払法人税等
備品300,000300,000
土地3,000,0003,000,000
のれん
満期保有目的債券
買掛金
貸倒引当金
長期借入金1,000,0001,000,000
備品減価償却累計額
資本金
資本準備金
利益準備金
繰越利益剰余金
売上
有価証券評価損益
有価証券利息
仕入
営業費
保険料
貸倒損失
支払利息
有価証券売却損益
11,654,40011,654,400
棚卸減耗損
商品評価損
減価償却費
のれん償却
貸倒引当金繰入
未払営業費
前払利息
前払保険料
長期前払保険料
法人税、住民税及び事業税
未払法人税等
当期純利益428,000428,000
5,044,2005,044,2007,264,7007,264,700

第4問(1)

当社は遠隔地に工場をもつことから、工場会計を独立させている。材料と製品の倉庫は工場に置き、材料の購入の支払いと給与の支払いは本社が行っている。当月の次の取引について、工場での仕訳を示しなさい。ただし、勘定科目はプルダウンの中から最も適当と思われるものを選び、選択すること。

1 製品用の素材3,000kg(購入価額¥800/kg)および補修用材料100kg(購入価額¥200/kg)を倉庫に搬入した。なお、購入に際し、本社は、¥20,000の買入手数料を支払っている。
借方科目金額貸方科目金額
2 工場での賃金の消費額を計上した。直接工の作業時間の記録によれば、直接作業時間2,760時間、間接作業時間100時間であった。当工場で適用する予定総平均賃率は¥1,500である。また、間接工については、前月賃金未払高¥200,000、当月賃金支払高¥1,800,000、当月賃金未払高¥150,000であった。
借方科目金額貸方科目金額
3 当月に判明した材料の棚卸減耗について、¥90,000を計上した。
借方科目金額貸方科目金額

第4問(2)

次の資料にもとづき、以下で示す各問いに答えなさい。

[資料]

1.生産データ

月初仕掛品500個(0.6)
当月投入2,500個
合 計3,000個
正常仕損100個
月末仕掛品600個(0.5)
完成品2,300個

・( )内の数値は加工進捗度を表す。
・材料は工程の始点で投入している。

2.原価データ

直接材料費加工費
月初仕掛品¥500,000¥456,000
当月投入¥2,400,000¥3,256,800
合計¥2,900,000¥3,712,800

3.その他
・月末仕掛品の計算は先入先出法による。
・正常仕損の処理は度外視法による。なお、正常仕損はすべて当月投入分から生じたものとする。
・正常仕損費を月末仕掛品にも負担させるか否かは、月末仕掛品の加工進捗度と仕損の発生点を考慮して判断する。

(問1)正常仕損が工程の終点で発生しており、正常仕損品に処分価値がない場合、完成品総合原価を計算しなさい。

(問2)正常仕損が工程を通じて平均的に発生しており、正常仕損品に処分価値がない場合、完成品総合原価を計算しなさい。

(問3)正常仕損が工程の60%点で発生しており、正常仕損品には1個あたり@480円の処分価値がある場合、完成品総合原価を計算しなさい。なお、正常仕損品の処分価値は主として材料の価値に依存するものである。

(問4)正常仕損が工程の30%点で発生しており、正常仕損品には1個あたり@480円の処分価値がある場合、完成品総合原価を計算しなさい。なお、正常仕損品の処分価値は主として材料の価値に依存するものである。

(問1)
(問2)
(問3)
(問4)

第5問

当社では、製品Pを製造・販売している。これまで全部原価計算による損益計算書を作成してきたが、販売量と営業利益の関係がわかりにくいため、過去2期分のデータをもとに直接原価計算による損益計算書に作り替えることとした。次の資料にもとづいて、各問いに答えなさい。

[資料]

1.製品P1個あたり全部製造原価

前々期前期
直接材料費?円2,280円
変動加工費400円?円
固定加工費?円?円
合計4,000円3,700円

2.固定加工費は前々期、前期ともに¥1,200,000であった。固定加工費は各期の実際生産量にもとづいて実際配賦している。

3.販売費及び一般管理費(前々期・前期で変化なし)

変動販売費:@¥300/個
固定販売費及び一般管理費:¥?

4.生産・販売状況(期首・期末の仕掛品は存在しない)

前々期前期
期首製品在庫量0個0個
当期製品生産量1,000個1,200個
当期製品販売量1,000個1,000個
期末製品在庫量0個200個

5.全部原価計算による損益計算書(単位:円)

前々期前期
売上高5,000,0005,000,000
売上原価4,000,0003,700,000
 売上総利益1,000,0001,300,000
販売費及び一般管理費900,000900,000
 営業利益100,000400,000

(問1)次の直接原価計算による損益計算書(単位:円)を完成しなさい。

前々期前期
売上高5,000,0005,000,000
変動費
 貢献利益
固定費
 営業利益

(問2)前期の直接原価計算による損益計算書をもとに、次の①~⑤の金額または数値を答えなさい。

①損益分岐点の売上高はいくらか。

②60万円の営業利益を達成する売上高はいくらか。

③売上高が何%落ち込むと損益分岐点の売上高に達するか。

④売上高が100万円増加するとき、営業利益はいくら増加するか。

⑤損益分岐点の売上高を50万円引き下げるためには固定費をいくら引き下げる必要があるか。

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