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売掛金と買掛金および返品の処理

掛取引とは商品の代金を後日まとめて精算する取引のことをいいます。今回は売掛金と買掛金それと返品の仕訳のやり方について独学者にもわかりやすく解説していきます。

重要度★★★★★ 日商簿記3級無料講座第2章-2のアイキャッチ画像
ボキタロー君の顔(普)

僕の会社は「いつもニコニコ現金払い」がモットーです。

そうですか。キャッシュレス化の波に逆行してますね。

ボキタロー君の顔(困)

うん。取引のたびに現金や小切手で精算していたら事務処理が大変で。

掛(かけ)取引はいかがでしょう。

ボキタロー君の顔(普)

掛取引?それって便利なの?

掛取引は一般的に「ツケ」といわれるものです。今回は「ツケ」による商品売買取引の処理、掛取引について勉強しましょう。

1.掛取引とは?

掛取引とは

取引の代金を現金で精算せず、後日まとめて精算する取引のことを掛取引(かけとりひき)といいます。

毎日大量に取引が行われる場合、そのつど個別に現金や小切手で精算していたのでは事務処理が大変になります。その場合、一定期間(1ヶ月など)の取引金額をまとめて精算するほうが効率的なのです。

2.仕入側の処理

商品を掛けで仕入れたときの仕訳

商品を掛けで仕入れた場合、将来代金を支払う義務が発生します。簿記上、このような義務は負債として扱います。

商品を掛けで仕入れたときのイメージ

掛取引で生じた代金を支払う義務は買掛金(かいかけきん)勘定(負債)で処理します。

買掛金勘定の記入場所

買掛金負債(貸借対照表の貸方項目)なので、増加すれば貸方、減少すれば借方に記入します。

例題1

商品5個(@¥30)を仕入れ、代金は掛けとした。

使用する勘定科目

買掛金、仕入

@は単価、つまりこの場合は商品1個あたりの金額を表します。

借方科目 金額 貸方科目 金額
仕入 150 買掛金 150

借方】
「仕入」の増加 仕入勘定の記入場所

【貸方
「買掛金」の増加 買掛金勘定の記入場所

買掛金を支払ったときの仕訳

買掛金を支払ったときのイメージ

買掛金の代金を支払うことによって義務が消滅するので買掛金勘定を減少させます。

例題2

決済日となり、買掛金¥150を小切手を振り出して支払った。

使用する勘定科目

当座預金、買掛金

小切手の振り出しの処理を忘れた人はこちら。

借方科目 金額 貸方科目 金額
買掛金 150 当座預金 150

借方】
「買掛金」の減少 買掛金勘定の記入場所

【貸方
「当座預金」の減少 当座預金勘定の記入場所

3.販売側の処理

商品を掛けで販売したときの仕訳

商品を掛けで販売した場合、将来代金を受け取る権利が発生します。簿記上、このような権利は資産として扱います。

商品を掛けで販売したときのイメージ

掛取引で生じた代金を受け取る権利は売掛金(うりかけきん)勘定(資産)で処理します。

売掛金勘定の記入場所

売掛金資産(貸借対照表の借方項目)なので、増加すれば借方、減少すれば貸方に記入します。

例題3

商品5個(@¥40)を売り上げ、代金は掛けとした。

使用する勘定科目

売掛金、売上

借方科目 金額 貸方科目 金額
売掛金 200 売上 200

借方】
「売掛金」の増加 売掛金勘定の記入場所

【貸方
「売上」の増加 売上勘定の記入場所

代金を受け取ったときの仕訳

売掛金を受け取ったときのイメージ

売掛金の代金を受け取ることによって権利が消滅するので売掛金勘定を減少させます。

例題4

決済日となり、売掛金¥200を他社振出しの小切手で回収した。

使用する勘定科目

現金、売掛金

他人振出しの小切手の処理を忘れた人はこちら。

借方科目 金額 貸方科目 金額
現金 200 売掛金 200

借方】
「現金」の増加 現金勘定の記入場所

【貸方
「売掛金」の減少 売掛金勘定の記入場所

4.返品の処理方法

次に返品をした(返品を受けた)ときの処理を見ていきましょう。

返品とは

返品(へんぴん)とは品違いなどの理由によって商品を返す(または返ってくる)ことをいいます。

返品の処理は全く難しくありません。なぜなら、商品を仕入れたとき、または販売したときの逆仕訳をすればいいだけだからです。

「逆仕訳」とは、ある仕訳の借方と貸方を逆にした仕訳をいいます。これからたびたび出てくる用語なので覚えておいてください。

仕入側の仕訳(仕入戻し)

仕入戻しとは、仕入れた商品をそのまま相手に返すことです。

仕入戻しのイメージ

仕入戻しは実質的に最初から商品の仕入れがなかったことと同じなので、商品を仕入れたときの逆仕訳を行うことによって仕入れの仕訳を取り消します。

例題5

品違いのため、掛けで仕入れた商品のうち¥80を返品した。

使用する勘定科目

買掛金、仕入

もしわからなければ、まず商品を仕入れた時の仕訳をしてみて、その借方と貸方を入れ替えてください。

借方科目 金額 貸方科目 金額
買掛金 80 仕入 80

借方】
「買掛金」の減少 買掛金勘定の記入場所

【貸方
「仕入」の減少 仕入勘定の記入場所

ちなみに分記法で記帳している場合は次のようになります。

分記法による仕訳

借方科目 金額 貸方科目 金額
買掛金 80 商品 80

分記法を忘れた人。


販売側の仕訳(売上戻り)

売上戻りとは、販売した商品がそのまま返ってくることです。

売上戻りのイメージ

売上戻りは実質的に最初から商品の販売がなかったことと同じなので、逆仕訳を行うことによって販売の仕訳を取り消します。

例題6

品違いのため、掛けで販売した商品のうち¥100(原価¥80)の返品を受けた。

使用する勘定科目

売掛金、売上

もしわからなければ、まず商品を販売した時の仕訳をしてみて、その借方と貸方を入れ替えてください。

借方科目 金額 貸方科目 金額
売上 100 売掛金 100

借方】
「売上」の減少 売上勘定の記入場所

【貸方
「売掛金」の減少 売掛金勘定の記入場所

ちなみに分記法で記帳している場合は次のようになります。

分記法による仕訳

借方科目 金額 貸方科目 金額
商品 80 売掛金 100
商品売買益 20

5.まとめ

掛けを利用した商品売買取引は一般的に行われていますので、実務上も試験上も掛取引に係る処理は基本かつ重要な項目です。

ボキタロー君の顔(普)

試験に出る?

売掛金と買掛金の処理はどんな簿記の試験でも必ず100%出ます。

ボキタロー君の顔(普)

100%!言い切って大丈夫なの?

はい、大丈夫です。そう言い切れるほど重要な項目なので、このページの内容を完璧に理解してから次へ進むようにしてください。

まとめ
  • 売掛金勘定は資産(貸借対照表の借方項目)なので、商品の販売によって増加すれば借方、決済によって減少すれば貸方に記入する。
  • 買掛金勘定は負債(貸借対照表の貸方項目)なので、商品の仕入れによって増加すれば貸方、支払いによって減少すれば借方に記入する。
  • 返品の処理は、商品を仕入れたときまたは販売したときの逆仕訳をすればいいだけである。
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