有価証券とは?
有価証券とは、書いて字のごとく価値の有る証券(紙片)のことです。
したがって、広い意味では、小切手や手形、商品券などの価値の有る紙片はすべて「有価証券」ということになります。しかし簿記では、もう少し狭い意味で株式や社債などのことを有価証券として扱います。
そして、これらの有価証券は有価証券勘定で処理をします。有価証券勘定は資産(貸借対照表の項目)なので、増加すれば借方、減少すれば貸方に記入します。

株式とは?
株式とは株式会社が経営資金などを集めるために発行するもので、基本的に集めたお金は返す必要はありません。
ただし、一定期間ごとに株主(株式の保有者)に対して、配当金を支払う必要があります。
社債とは?
社債とは、会社が広く大衆からお金を集めるために発行する証券です。
株式とは異なり社債は借金なので、利払日に一定額の利息を支払わなければなりません。また、返済期日(償還日)には元本を返済する必要があります。
3級での有価証券の論点
3級での有価証券の処理で主な論点となるのは、①購入時、②配当金(株式の場合)・利息(社債などの場合)の受取時、③売却時の処理です。

株式の購入時の処理
例題 | 当社は売買目的で甲商店の株式5株を@¥1,000で購入し、買入手数料¥100とともに現金で支払った。 |
---|
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@って前にも出てきたよね?メルアドのことだったっけ? |
@は単価を表します。この場合は”1株当たり”という意味です。なお、購入時の付随費用は取得原価に含めて処理します。
取得原価=購入代価(有価証券そのものの値段)+付随費用 |
したがって、例題の有価証券の取得原価は次のようになります。
5株×@¥1,000+買入手数料¥100=¥5,100 |
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
---|---|---|---|
有価証券 | 5,100 | 現金 | 5,100 |
社債の購入時の処理
社債の購入も基本的には株式と同じです。ただし、株式は株式数を単位として計算するのに対して社債の場合は通常口数(くちすう)を単位として計算します。
例題 | 当社は売買目的で乙社発行の額面総額¥2,000の社債を@¥100につき@¥95で購入し、代金は現金で支払った。 |
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この例題の場合、額面総額¥2,000で1口@¥100なので、購入口数は20口となります。
額面総額¥2,000 ÷ 1口当たり額面金額@¥100 = 20口 |
したがって、取得原価は¥1,900(=@¥95×20口)となります。
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
---|---|---|---|
有価証券 | 1,900 | 現金 | 1,900 |
※もちろん、次のような計算方法でも構いません。
額面総額¥2,000 × @¥95/@¥100 = ¥1,900 |
なお株式の場合と同様、買入手数料などの付随費用があれば取得原価に含めて処理します。
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付随費用を取得原価に含めるって、商品を仕入れた時に付随費用を「仕入」の金額に含めるっていうことと同じだね。 |
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