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有形固定資産の購入と売却~減価償却がないケース~

固定資産は営業活動のために長期間にわたって保有する資産です。今回は有形固定資産の購入と売却(減価償却がないケース)に関する仕訳のやり方について独学でもわかりやすく解説していきます。

重要度★★★★☆ 日商簿記3級無料講座第4章-1のアイキャッチ画像

今回は有形固定資産の購入と売却について勉強していきましょう。

ボキタロー君の顔(普)

有形固定資産ってなに?

有形固定資産とは、長年にわたって使用する資産のうち、形のあるもの(目に見えるもの)をいいます。例えば、土地や建物、備品などが代表例です。

ボキタロー君の顔(普)

「有形」固定資産ってことは「無形」固定資産ってのもあるの?

はい、あります。ただし無形固定資産は2級以上の範囲なのでここでは説明しません。

ボキタロー君の顔(普)

形が無いのに固定資産って。気になるなぁ。

まぁそれは2級になってからゆっくりと勉強しましょう。これまでは主に商品の売買に関するお話でしたが、ここからは商品以外の話に切り替わるので注意してください。

1.有形固定資産とは?

有形固定資産とは

有形固定資産(ゆうけいこていしさん)とは、営業活動のために長期間にわたって使用するために保有する有形の資産のことをいいます。

営業で使用する目的以外で購入した場合は固定資産として処理しないので注意してください。例えば、自動車販売業を営んでいる会社が「販売目的」で自動車を購入した場合は、通常の商品売買の処理(商品の仕入れ)となります。

日商簿記3級で出題される有形固定資産としては次のようなものがあります。

有形固定資産の例
  • 建物(たてもの):事務所、営業所、店舗、工場、倉庫、車庫など。
  • 備品(びひん):パソコン、コピー機、FAX、事務机、テレビ、エアコンなど。
  • 車両運搬具(しゃりょううんぱんぐ):営業用の自動車・トラック・オートバイ、フォークリフトなど。
  • 土地(とち):事務所・店舗・工場などの建物の敷地、駐車場、資材置き場など。
固定資産勘定の記入場所

固定資産は資産(貸借対照表の借方項目)なので、増加すれば借方、減少すれば貸方に記入します。

2.有形固定資産の購入の処理方法

付随費用の扱い

固定資産の購入に際して、手数料や運送費、据付費などの付随費用が発生する場合があります。これらの付随費用は固定資産の取得原価に含めて処理します。

取得原価=購入代価(固定資産の本体価格)+付随費用

この他にも、固定資産を使用できる状態にするための支出額(中古建物の内装工事代や土地の整地費用など)も付随費用として処理します。

有形固定資産の購入の仕訳

例題1

土地を¥100,000で購入し、代金は手数料¥5,000とともに現金で支払った。

使用する勘定科目

現金、土地

取得原価は次のように計算します。

購入代価¥100,000+付随費用¥5,000

=取得原価¥105,000

借方科目 金額 貸方科目 金額
土地 105,000 現金 105,000

借方】
「土地」の増加 土地勘定の記入場所

【貸方
「現金」の減少 現金勘定の記入場所

3.有形固定資産の売却の処理方法

固定資産売却損益

固定資産の帳簿上の金額(簿価)と売却額が同じであるとは限りません。例えば、みなさんご存知のように土地の価格は上がったり下がったり変動します。このような固定資産の簿価と売却額との差額は固定資産売却損または固定資産売却益として処理します。

売却価額<簿価のケース

固定資産売却損のイメージ

保有している固定資産が値下がりして「売却価額<簿価」となった場合、両者の差額を固定資産売却損勘定で処理します。

固定資産売却損勘定の記入場所

固定資産売却損費用(損益計算書の借方項目)なので、増加すれば借方、減少すれば貸方に記入します。


売却価額>簿価のケース

固定資産売却益のイメージ

保有している固定資産が値上がりして「売却価額>簿価」となった場合、両者の差額を固定資産売却益勘定で処理します。

固定資産売却益勘定の記入場所

固定資産売却益収益(損益計算書の貸方項目)なので、増加すれば貸方、減少すれば借方に記入します。

それでは例題で仕訳を確認してみましょう。

有形固定資産の売却の仕訳

売却価額<簿価のケース

例題2

土地¥105,000を¥102,000で売却し、代金は当座預金に振り込まれた。

使用する勘定科目

当座預金、土地、固定資産売却損

「売却価額<簿価」のケースでは借方に差額が生じます。この差額を固定資産売却損(費用)で処理します。土地が値下がりして損をしたということです。

借方科目 金額 貸方科目 金額
当座預金 102,000 土地 105,000
固定資産売却損 3,000

借方】
「当座預金」の増加 当座預金勘定の記入場所

「固定資産売却損」の増加 固定資産売却損勘定の記入場所

【貸方
「土地」の減少 土地勘定の記入場所

売却価額>簿価のケース

例題3

土地¥105,000を¥110,000で売却し、代金は当座預金に振り込まれた。

使用する勘定科目

当座預金、土地、固定資産売却益

「売却価額>簿価」のケースでは貸方に差額が生じます。この差額を固定資産売却益(収益)で処理します。土地が値上がりして儲けたということです。

借方科目 金額 貸方科目 金額
当座預金 110,000 土地 105,000
固定資産売却益 5,000

借方】
「当座預金」の増加 当座預金勘定の記入場所

【貸方
「土地」の減少 土地勘定の記入場所

「固定資産売却益」の増加 固定資産売却益勘定の記入場所

4.まとめ

ところで、固定資産については「減価償却」が切っても切り離せない論点としてあります。

ボキタロー君の顔(普)

げんかしょうきゃく?

はい。3級簿記の学習前半で大きな山場となるところです。

ボキタロー君の顔(困)

山場ってことは難しいんだね。

ほんの少しだけ難しいかもしれません。しかし減価償却は、簿記の試験では必ず出題される超重要論点なので、次のページからは今まで以上に気合を入れていきましょう。

まとめ
  • 有形固定資産とは、営業活動のために長期間にわたって使用するために保有する有形の資産である。
  • 有形固定資産は資産(貸借対照表の借方項目)なので、購入によって増加すれば借方、売却によって減少すれば貸方に記入する。
  • 売却額が売却時の簿価を下回っているケース(売却額<簿価)では、売却額と簿価の差額を固定資産売却損(費用)で処理する。
  • 売却額が売却時の簿価を上回っているケース(売却額>簿価)では、売却額と簿価の差額を固定資産売却益(収益)で処理する。
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