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【間接法】減価償却の仕訳と記帳方法および表示方法

間接法による減価償却の仕訳のやり方と記帳方法および貸借対照表における減価償却累計額の表示方法などについて独学でもわかりやすく解説していきます。

重要度★★★★★ 日商簿記3級無料講座第4章-3のアイキャッチ画像

前回は減価償却費の計算方法について勉強しました。

ボキタロー君の顔(普)

はい、しました。

今回はそれをどうやって仕訳するのか?財務諸表にはどのように表示するのか?について学習します。

ボキタロー君の顔(普)

減価償却費は費用だから借方だよね。貸方ってどうなるんだろう?

貸方には評価勘定という少し特殊な勘定科目が出てきます。

ボキタロー君の顔(普)

評価勘定?いったいどんなものなんだろうね。

1.間接法と減価償却累計額

間接法とは?

前回は減価償却費の計算方法について説明しましたが、今回は計算した減価償却費をどのように処理(仕訳・記帳・表示)するのかについて見ていきます。

減価償却費の計算方法を忘れた人はこちら。


減価償却の記帳方法として、日商簿記3級では間接法(間接控除法)という方法が出題されます。

間接法とは

価値の減少分を固定資産の取得原価から直接減少させずに、減価償却累計額(げんかしょうきゃくるいけいがく)勘定を使って間接的に控除する方法。

間接法では価値の減少分を固定資産の取得原価から直接減額しないので、固定資産の帳簿上の金額は取得原価のままということになります。

減価償却累計額とは?

減価償却累計額とはその名のとおり、取得してから期末までの減価償却費の累計額(合計額)です。なお、仕訳では「○○減価償却累計額」という勘定科目を使います(○○の部分には固定資産の名称が入ります)。

減価償却費と減価償却累計額のイメージ

1会計期間の価値の減少分は減価償却費として毎期計上されるので、減価償却累計額は取得してから期末までの価値の減少額ということができます。

2.取得年度の処理

例題1

決算につき、次の資料に基づいて建物の減価償却を行う。なお、当期は×2年3月31日を決算日とする1年間である。

【資料】

取得日:×1年4月1日

取得原価:¥120,000

耐用年数:20年

残存価額:取得原価の10%

償却方法:定額法

記帳方法:間接法

まず、仕訳を確認しておきます。

取得原価¥120,000×0.9÷耐用年数20年=減価償却費¥5,400

借方科目 金額 貸方科目 金額
減価償却費 5,400 建物減価償却累計額 5,400

借方】
「減価償却費」の増加 減価償却費勘定の記入場所

【貸方
減価償却累計額は資産のマイナスとしての性質を有するので貸方の科目です。したがって増加すれば貸方に、減少すれば借方に記入します。

減価償却累計額のように、資産の実質的な価値を表すためにその資産の金額を間接的に控除(減額)するために用いる勘定のことを評価勘定(ひょうかかんじょう)といいます。

取得原価から減価償却累計額を控除したものが実質的な価値、すなわち帳簿価額(簿価)となります。

貸借対照表(×1年度)
減価償却累計額の貸借対照表における表示

「減価償却累計額」は仕訳では貸方に表示されますが、貸借対照表上は貸方に表示せずに固定資産から控除する形で借方に表示します。

要するに間接法では、取得したときの金額(取得原価)を明示しつつ、そこからこれだけ価値が減少しましたよ(減価償却累計額)という形で表示するというわけです。

【参考】会計期間について
    ×1年度は×1年から始まる会計期間のことです。

    (例)期首が4月1日、会計期間1年の場合

  • ×1年度:×1年4/1~×2年3/31
  • ×2年度:×2年4/1~×3年3/31

3.取得してから2年目以降の処理

例題2

決算につき、次の資料に基づいて建物の減価償却を行う。なお、当期は×3年3月31日を決算日とする1年間である。

【資料】

取得日:×1年4月1日

取得原価:¥120,000

耐用年数:20年

残存価額:取得原価の10%

償却方法:定額法

記帳方法:間接法

例題1(取得年度)では取得日~決算日までの期間で減価償却を行いますが、2年目以降は期首~決算日までの期間で減価償却を行います。

仕訳
(借)
減価償却費
5,400
(貸)
建物減価償却累計額
5,400

ただし、例題1も2も減価償却費の計算期間は1年間なので仕訳は同じになります。

減価償却費の計算タイムテーブル

減価償却累計額の金額は取得してから当期末までの減価償却費の累計額なので、前期の¥5,400と当期の¥5,400の合計額となります。

勘定記入のイメージ
勘定記入のイメージ

「前期繰越」は前期までの減価償却費の合計額、「減価償却費」は当期に計上した金額です。そしてこの合計が「次期繰越」となります。

貸借対照表(×2年度)
減価償却累計額の貸借対照表における表示

×1年度よりも減価償却累計額が増えた分だけ簿価は減少しますが、建物の金額は取得原価のまま変わりません。

4.月次決算における減価償却費の計上

毎月行われる月次決算では、年間で発生すると見積もられる減価償却費の12分の1を月割で計上します。

例題2

月次決算につき、建物について減価償却費を見積り月割計上を行う。なお、建物は以下の要領で減価償却を行う。

取得原価:¥120,000

耐用年数:20年

残存価額:取得原価の10%

償却方法:定額法

記帳方法:間接法

月次決算における減価償却費は1年間の金額を12で割ればいいだけなので特に問題ないと思います。

取得原価¥120,000×0.9÷耐用年数20年×1/12減価償却費¥450

借方科目 金額 貸方科目 金額
減価償却費 450 建物減価償却累計額 450

月次決算で見積計上した減価償却費の合計と年度末に計算すべき減価償却費との間に差額が生じた場合は年次決算において調整します。

5.まとめ

ボキタロー君の顔(普)

ところで「間接法」っていうからには「直接法」っていうのもあるんだよね?

はい、あります。ただし直接法は2級の範囲なので3級では勉強する必要はありません。

ボキタロー君の顔(普)

ちなみにどんな方法?

直接法は減価償却累計額を使わずに固定資産の取得原価を直接減額させる方法です。

ボキタロー君の顔(普)

そっちの方が簡単じゃん。

しかし、取得原価と減価償却累計額を両方表示する間接法の方が固定資産の管理には優れています。そのような理由で一般の会社では多くの場合、間接法が採用されています。

まとめ
  • 間接法とは、価値の減少分を固定資産の取得原価から直接減少させずに、減価償却累計額勘定を使って間接的に控除する方法をいう。
  • 減価償却累計額のように、資産の実質的な価値を表すため、その資産の金額を間接的に控除するために用いる勘定のことを評価勘定という。
  • 減価償却累計額勘定の金額は取得してから期末までの減価償却費の合計額を表す。
  • 取得原価から減価償却累計額を控除したものを帳簿価額(簿価)という。
  • 「減価償却累計額」は仕訳では貸方に表示されるが、貸借対照表に表示する場合は固定資産から控除する形で借方に表示する。
  • 月次決算における減価償却費は、年間で発生すると見積もられる減価償却費の12分の1を計上する。
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