決算振替とは?
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決算整理がすべて終わり、決算整理後試算表も作成しました。次は何をやるんだっけ? |
はい、決算整理後試算表を作成した後は決算振替(けっさんふりかえ)を行います。決算振替とは、帳簿上で当期純利益を算定するための一連の手続きをいいます。
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ふーん。じゃあ、何をしたらいいの? |
帳簿上で当期純利益を算定するためには、まず損益勘定というものを設けて、当期において発生したすべての収益を損益勘定の貸方へ、また、すべての費用を損益勘定の借方へ振り替えます。その結果、損益勘定の貸借差額が当期純利益(または当期純損失)を表すことになります。
当期純利益が発生するケース
利益は「収益ー費用」で計算されるので、これがプラスになるケース、すなわち「借方合計(費用の合計額)<貸方合計(収益の合計額)」のケースでは当期純利益が発生します。
当期純利益が発生するケースでは、これを資本金勘定の貸方へ振り替えます。つまり、当期純利益の金額だけ資本金(会社の元手)が増加することになります。

当期純損失が発生するケース
「収益ー費用」がマイナスになるケース、すなわち「借方合計(費用の合計額)>貸方合計(収益の合計額)」のケースでは当期純損失が発生します。
当期純損失が発生するケースでは、これを資本金勘定の借方へ振り替えます。つまり、当期純損失の金額だけ資本金(会社の元手)が減少することになります。

決算振替の仕訳
それでは、例題を使って仕訳を見ていきましょう。
決算振替は①収益の振替え、②費用の振替え、③資本金への振替えという3段階の手順で行なっていきます。
①収益の振替え
まず、すべての勘定の中で収益に属するものを損益勘定の貸方へ振替えます。
例えば、当期の収益が「売上」の¥15,000と「受取利息」の¥1,000だけだったとすると、仕訳は以下のようになります。
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
---|---|---|---|
売上 受取利息 |
15,000 1,000 |
損益 | 16,000 |
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「売上」と「受取利息」は収益だから貸方じゃないの? |
この仕訳は、以下のように各収益の金額を損益勘定の貸方へ振り替えた(移し替えた)ことを意味しているのです。

②費用の振替え
次に、費用に属する勘定を損益勘定の借方へ振替えます。
例えば、当期の費用が「仕入」の¥9,000と「支払利息」の¥2,000だけだったとした場合、費用の振替えの仕訳は次のようになります。
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
---|---|---|---|
損益 | 11,000 | 仕入 支払利息 |
9,000 2,000 |
ちなみに、この「仕入」は決算整理後の金額ですから売上原価の金額を表しているということに注意してください。

③資本金への振替え
この例題では「借方合計(費用の合計額)<貸方合計(収益の合計額)」となり、貸借差額が貸方に発生します。つまり当期純利益が発生するので、これを資本金勘定の貸方へ振り替えます。
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
---|---|---|---|
損益 | 5,000 | 資本金 | 5,000 |

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ふー、やっと終わった。あとは損益計算書と貸借対照表を作成して終わりだね。 |
いいえ、まだ帳簿の作業は終わっていません。最後に帳簿を締切る必要があるのです。
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疲れたから、それはまた次回にね。 |
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