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【貯蔵品の処理】再振替仕訳の意味とやり方を徹底解説

貯蔵品の購入時に費用として処理する方法では翌期首に再振替仕訳という手続きを行います。今回は貯蔵品の処理や再振替仕訳のやり方について独学でもわかりやすく解説していきます。

重要度★★★☆☆ 日商簿記3級無料講座第6章-4のアイキャッチ画像

ボキタロー君の会社の財務諸表を拝見したのですが、例年に比べて「通信費」が異様に多いのはなぜですか?

ボキタロー君の顔(普)

郵便切手をまとめ買いしたの。切手って「通信費」で処理するんだよね?

それはそうですが、その切手はすべて使い切ったのですか?

ボキタロー君の顔(普)

ううん。ほとんど使ってないね。

そのような処理をすると、恣意的に費用を大きく(利益を小さく)することが可能となってしまいます。利益が小さくなると税金の金額も少なくなるので税務上も問題です。

ボキタロー君の顔(普)

そうなの?じゃあ、どうやって処理すればいいの?

それでは今回は貯蔵品の処理について勉強しましょう。貯蔵品の仕訳自体は簡単ですが、再振替仕訳という簿記特有の考え方が少しやっかいなので、しっかりと理解してください。

1.貯蔵品に関する一連の処理

コピー用紙や文房具、プリンタ用のインクなどのように毎期経常的に購入して消費するような消耗品は、購入時にすべて費用処理するのが一般的です。しかし、郵便切手や収入印紙など換金性が高い資産は、財産管理や税務申告を目的として厳密な資産計上を行う必要があります。

このようなものに関しては、購入時には適切な費用勘定で処理し、決算において未使用額を資産(貯蔵品勘定)に振り替える処理を行います。

貯蔵品勘定の記載場所

貯蔵品資産(貸借対照表の借方項目)なので、増加すれば借方、減少すれば貸方に記入します。

これとは逆に、購入時には資産に計上し、使用分を費用に振り替える方法もありますが、日商簿記3級試験では出題されませんので説明は省略します。

購入時の仕訳

例題1

郵便切手¥8,200を現金で購入した。

使用する勘定科目

現金、通信費

借方科目 金額 貸方科目 金額
通信費 8,200 現金 8,200

借方】
「通信費」の増加 通信費勘定の記入場所

【貸方
「現金」の減少 現金勘定の記入場所

決算整理仕訳

購入した金額がそのまますべて当期の費用になるわけではありません。

先ほど説明したように、郵便切手や収入印紙などは使った分だけが当期の費用となり、使っていない分は資産(貯蔵品)として次期へ繰り越します。なお、この処理は決算整理仕訳として行います。

例題2

決算時に郵便切手が¥820分残っていた。

ヒント

郵便切手の未使用額を通信費勘定から貯蔵品勘定へ振り替えます。

使用する勘定科目

貯蔵品、通信費

借方科目 金額 貸方科目 金額
貯蔵品 820 通信費 820

借方】
「貯蔵品」の増加 貯蔵品勘定の記入場所

【貸方
「通信費」の減少 通信費勘定の記入場所

勘定記入のイメージ 貯蔵品の勘定記入のイメージ

未使用額を貯蔵品勘定へ振り替えることによって、通信費勘定には当期の使用額が残ります。これが当期の費用となるわけです。

決算整理仕訳のイメージ

この決算整理仕訳の結果、決算整理後における通信費勘定の金額は当期使用額の¥7,380、貯蔵品勘定の金額は未使用額の¥820となります。

2.翌期首の仕訳(再振替仕訳)

翌期首には再振替仕訳(さいふりかえしわけ)を行います。

再振替仕訳とは

収益や費用を適正に算定するため、期首において前期末の決算整理仕訳の逆仕訳を行う場合があります。これを再振替仕訳といいます。

要するに、決算整理仕訳の借方と貸方を逆にするだけなので、仕訳自体は問題ないと思います。

例題3

期首につき再振替仕訳を行う。

使用する勘定科目

貯蔵品、通信費

借方科目 金額 貸方科目 金額
通信費 820 貯蔵品 820

それではなぜ、このような再振替仕訳が必要なのでしょうか?これから詳しく説明していきます。

3.再振替仕訳が必要となる理由

再振替仕訳を説明するために、翌期の期首から決算までの一連の処理を見ていきます。

再振替仕訳

1期首再振替仕訳

再振替仕訳によって、前期未使用額分の費用(通信費)が計上されたところから当期がスタートするわけです。なお、貯蔵品は前期繰越額と相殺されて消えます。

 
期中

2期中

残っている切手をすべて使ったとします。もし再振替仕訳をしなければ、使った分の通信費が全く計上されないことになってしまいます。

 
決算整理仕訳後の通信費勘定のイメージ

3決算整理仕訳

もし切手が残っていれば、その未使用額を貯蔵品へ振替えて次期へ繰り越す、ということを繰り返します。

 

4.まとめ

これで適正な期間損益を計算するために再振替仕訳が必要であることがお分かりになったと思います。

ボキタロー君の顔(普)

う~ん。わかったような、わからないような。

当期の費用にならないものを次期へ持っていくためにその分をマイナスします。そして、次期の費用とするためにそれを再び費用に戻してやるというイメージです。

ボキタロー君の顔(普)

次期の費用を前払いしたってこと?

なかなか鋭いことを言いますね。ニュアンスは少し違いますがそんな感じのイメージでいいと思います。

ボキタロー君の顔(普)

やるときはやる男です。

費用の前払いなどについては次のページ以降で詳しく学習しますが、そこでもこの再振替仕訳という考え方が重要になってくるので、しっかりとその意味とやり方を理解しておいてください。

まとめ
  • 郵便切手や収入印紙などは、購入時には適切な費用勘定で処理し、決算において未使用額を資産(貯蔵品勘定)に振り替える。
  • 適正な期間損益計算のため、期首において前期末の決算整理仕訳の逆仕訳を行うことがある。これを再振替仕訳という。
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