ボキタロー
「いつもニコニコ現金払い」だった僕のお店もついにクレジットカード決済を導入しました。
はい。
ボキタロー
でもどうやって処理したらいいのかな?普通の「売掛金」と同じでいいの?
処理方法は似ていますが少し違う点があります。
ボキタロー
じゃあ仕訳のやり方を教えて。
それでは、今回はクレジット払いで商品を販売したときの処理と敷金などを支払ったときの処理について勉強しましょう。
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クレジット払いによる商品の販売
クレジット売掛金とは?
クレジット払いによる商品の販売は次のような流れで行われます。
手順1
商品の販売

販売店はクレジットカードの提示と引き換えに商品を渡します。
手順2
代金の立替え

販売店は信販会社から手数料を差し引かれた残額を受け取ります。
手順3
代金の回収

信販会社は販売店に代わって消費者から代金を回収します。
クレジットカードによって商品を売り上げた場合、あとで信販会社から代金を受け取れる権利が発生します。この権利はクレジット売掛金勘定 で処理します。
クレジット売掛金は資産(貸借対照表の借方項目)なので、増加すれば借方、減少すれば貸方に記入します。
MEMO
「クレジット売掛金」は信販会社に対する債権なので、得意先に対する「売掛金」とは区別する必要があります。ただし、仕訳上は普通の「売掛金」と同じように考えていけば問題ありません。売掛金の処理はこちらを参考にしてください。

クレジット売掛金の処理方法
クレジット払いで商品を販売したときの仕訳
例題1
商品¥1,000をクレジット払いの条件で販売した。なお、信販会社への手数料(販売代金の2%)は販売時に計上する。
ヒント
販売側は手数料を差し引かれた残額を「クレジット売掛金」で処理します。また、信販会社への手数料は「支払手数料」(費用)で処理します。
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
---|---|---|---|
980 | 1,000 | ||
20 |
代金を受け取ったときの仕訳
例題2
手数料を差し引かれた残額¥980が信販会社から当社の当座預金口座に入金された。
ヒント
信販会社から代金を受け取ったときに「クレジット売掛金」を減少させます。
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
---|---|---|---|
980 | 980 |
敷金などを支払ったときの処理
差入保証金とは?
差入保証金とは
差入保証金(さしいれほしょうきん)とは、取引や賃貸借契約に際して、契約の履行を担保するために差し入れる保証金や敷金等をいいます。
差し入れた保証金や敷金は原則として契約終了時に返還されます。つまり、一時的に預けているだけと考えられるので差入保証金は資産(将来返してもらえる権利)となります。
例題3
営業に使用する目的で、店舗を1か月あたり¥1,000で賃借する契約を結んだ。この契約にあたり、敷金(家賃の2か月分)および不動産会社への仲介手数料(家賃の1か月分)を小切手を振り出して支払った。
ヒント
敷金は「差入保証金」(資産)、仲介手数料は「支払手数料」(費用)で処理します。
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
---|---|---|---|
2,000 | 3,000 | ||
1,000 |
まとめ
ボキタロー
クレジットカードって、販売店は手数料が引かれるだけで何かメリットあるの?
1つは商機を逃さないというメリットがあります。例えば、外国人観光客などは買い物にクレジットカードなどを利用する場合が多いので、カードを使えないお店より使えるお店の方を選ぶケースが多くなるでしょう。
またクレジットカードを使えば、まとまったお金を持っていない人でも分割払いで商品を買えるので、高額な商品が売れやすくなります。
ボキタロー
僕のお店もクレジットカード決済にしてから高い商品が売れるようになった気がする。
その他にも、現金管理の手間が省けるので経理作業を軽減できるなどといったメリットもあります。
ボキタロー
なるほど。手数料を払うだけのメリットがお店にもあるんだね。
まとめ
- クレジットカードで商品を売り上げた場合、販売店はこの売上債権を「クレジット売掛金」(資産)で処理する。
- 取引や賃貸借契約に際して、保証金や敷金等の担保を差し入れた場合は「差入保証金」(資産)で処理する。