経過勘定項目に関する問題1

問題

以下の各問いに答えなさい。

目標タイム 4分

00:00

【問1】次の1~4に関する決算整理仕訳を答えなさい。

  1. 給料の未払額が¥7,000ある。
  2. 受取手数料の前受額が¥5,000ある。
  3. 支払利息の前払額が¥4,000ある。
  4. 受取利息の未収額が¥6,000ある。
借方金額貸方金額
1
2
3
4

【問2】期首となり、次の勘定について再振替仕訳を行う。

1.前受利息¥10,000、2.未払利息¥20,000、3.未収利息¥3,000、4.前払保険料¥15,000、

借方金額貸方金額
1
2
3
4




解答

借方金額貸方金額
1給料7,000未払給料7,000
2受取手数料5,000前受手数料5,000
3前払利息4,000支払利息4,000
4未収利息6,000受取利息6,000

解説

経過勘定項目に関しては丸暗記に頼るのではなく、なるべく理論的に考えていきましょう。最初のうちは面倒くさいかもしれませんが、慣れてくれば瞬間的にわかるようになりますし、暗記のように忘れてしまったり間違えたりすることもなくなります。

特に皆さんが頭を悩ませるところは4つの経過勘定項目が資産なのか?それとも負債なのか?という点だと思います。これについては次のように考えると分かりやすいと思います。

未払費用

考え方①(経過勘定に着目する方法)

未払費用は「(当期に属する費用だが)まだ払っていない」→「なので将来払わないといけない」→将来の義務となるため負債(貸方)。

考え方②(損益項目に着目する方法)

未払費用は「(当期に属する費用だが)まだ払っていない」→「しかし当期の費用として計上する必要がある」→「費用を追加で計上」しなければならないので借方に費用を計上。その相手科目として貸方に未払費用がくるため負債となる

前受収益

考え方①(経過勘定に着目する方法)

前受収益は「(当期に属さない収益だが)前もって受け取った」→「なので将来それに対するサービス等を提供する義務がある」→将来の義務となるため負債(貸方)。

考え方②(損益項目に着目する方法)

前受収益は「(当期に属さない収益だが)前もって受け取った」→「(当期に属さないので)当期の収益から取り除く必要がある」→「収益をマイナス」しなければならないので借方に収益を計上。その相手科目として貸方に前受収益がくるため負債となる。

前払費用

考え方①(経過勘定に着目する方法)

前払費用は「(当期に属さない費用だが)前もって支払った」→「なので将来それに対するサービス等を受ける権利がある」→将来の権利となるため資産(借方)。

考え方②(損益項目に着目する方法)

前払費用は「(当期に属さない費用だが)前もって支払った」→「(当期に属さないので)当期の費用から取り除く必要がある」→「費用をマイナス」しなければならないので貸方に費用を計上。その相手科目として借方に前払費用がくるため資産となる。

未収収益

考え方①(経過勘定に着目する方法)

未収収益は「(当期に属する収益だが)まだ受け取っていない」→「なので将来受け取ることができる」→将来の権利となるため資産(借方)。

考え方②(損益項目に着目する方法)

未収収益は「(当期に属する収益だが)まだ受け取っていない」→「しかし当期の収益として計上する必要がある」→「収益を追加で計上」しなければならないので貸方に収益を計上。その相手科目として借方に未収収益がくるため資産となる

解答

借方金額貸方金額
1前受利息10,000受取利息10,000
2未払利息20,000支払利息20,000
3受取利息3,000未収利息3,000
4保険料15,000前払保険料15,000

解説

決算整理仕訳において資産又は負債として繰り延べた(または見越計上した)ものを再び収益・費用に戻すため、翌期首には再振替仕訳を行います。

再振替仕訳は前期末に行った決算整理仕訳の貸借逆仕訳となるので、まず前期末に行った仕訳から考えます。

借方金額貸方金額
1受取利息10,000前受利息10,000
2支払利息20,000未払利息20,000
3未収利息3,000受取利息3,000
4前払保険料15,000保険料15,000
前期末に行った仕訳

この仕訳を貸借逆にしたものが解答の再振替仕訳となります。