問題
【問1】次の1~4に関する決算整理仕訳を答えなさい。
- 給料の未払額が¥7,000ある。
- 受取手数料の前受額が¥5,000ある。
- 支払利息の前払額が¥4,000ある。
- 受取利息の未収額が¥6,000ある。
【問2】期首となり、次の勘定について再振替仕訳を行う。
1.前受利息¥10,000、2.未払利息¥20,000、3.未収利息¥3,000、4.前払保険料¥15,000、
解答
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 | |
---|---|---|---|---|
1 | 給料 | 7,000 | 未払給料 | 7,000 |
2 | 受取手数料 | 5,000 | 前受手数料 | 5,000 |
3 | 前払利息 | 4,000 | 支払利息 | 4,000 |
4 | 未収利息 | 6,000 | 受取利息 | 6,000 |
解説
経過勘定項目に関する問題は丸暗記に頼るのではなく、なるべく理論的に考えていきましょう。
最初のうちは面倒くさいかもしれませんが、慣れてくれば瞬間的にわかるようになりますし、暗記のように忘れてしまったり間違えたりすることもなくなります。
特に皆さんが頭を悩ませるところは4つの経過勘定項目が資産なのか?それとも負債なのか?という点だと思います。これについては次のように考えると分かりやすいと思います。
【資料2】1.未払費用(費用の未払い)
step1
費用の計上
(借)給料 7,000
(貸)
未払費用は「当期に属するがいまだ計上されていない費用」なので、次期に支払う予定の金額のうち当期に属する部分を費用として計上します。
step2
未払費用の計上
(借)給料 7,000
(貸)未払給料 7,000
必然的に未払費用の項目は貸方に来るので未払費用は負債であるということがわかります。
【資料2】2.前受収益(収益の前受け)
step1
収益の減額
(借)受取手数料 5,000
(貸)
前受収益は「将来の収益を当期に前受けして計上したもの」なので、当期に計上した収益のうち、当期に属さない金額を減額します。
step2
前受収益の計上
(借)受取手数料 5,000
(貸)前受手数料 5,000
必然的に前受収益の項目は貸方に来るので前受収益は負債であるということがわかります。
【資料2】3.前払費用(費用の前払い)
step1
費用の減額
(借)
(貸)支払利息 4,000
前払費用は「将来の費用を当期に前払いして計上したもの」なので、当期に計上した費用のうち、当期に属さない金額を減額します。
step2
前払費用の計上
(借)前払利息 4,000
(貸)支払利息 4,000
必然的に前払費用の項目は借方に来るので前払費用は資産であるということがわかります。
【資料2】4.未収収益(収益の未収)
step1
収益の計上
(借)
(貸)受取利息 6,000
未収収益は「当期に属するがいまだ計上されていない収益」なので、次期に受け取る予定の金額のうち当期に属する部分を収益として計上します。
step2
未収収益の計上
(借)未収利息 6,000
(貸)受取利息 6,000
必然的に未収収益の項目は借方に来るので未収収益は資産であるということがわかります。
解答
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 | |
---|---|---|---|---|
1 | 前受利息 | 10,000 | 受取利息 | 10,000 |
2 | 未払利息 | 20,000 | 支払利息 | 20,000 |
3 | 受取利息 | 3,000 | 未収利息 | 3,000 |
4 | 保険料 | 15,000 | 前払保険料 | 15,000 |
解説
決算整理仕訳において、資産又は負債として繰り延べた(見越計上した)ものを収益・費用に戻すため、翌期首には再振替仕訳を行います。
再振替仕訳は前期末に行った決算整理仕訳の貸借逆仕訳となるので、まず前期末に行った仕訳から考えます。
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 | |
---|---|---|---|---|
1 | 受取利息 | 10,000 | 前受利息 | 10,000 |
2 | 支払利息 | 20,000 | 未払利息 | 20,000 |
3 | 未収利息 | 3,000 | 受取利息 | 3,000 |
4 | 前払保険料 | 15,000 | 保険料 | 15,000 |
この仕訳を貸借逆にしたものが解答の再振替仕訳となります。