証憑から仕訳を導く問題5

問題

取引銀行のインターネットバンキングサービスから当座勘定照合表(入出金明細)を参照したところ、次のとおりであった。そこで、必要な仕訳を日付順にすべて答えなさい。なお、甲商事および乙商事はそれぞれ当社の商品の取引先であり、商品売買取引はすべて掛けとしている。また、小切手(No.101)は4月19日以前に振り出したものである。不要な欄は空欄のままにしておくこと。

目標タイム 2分30秒

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当座勘定照合表
借方金額貸方金額
4月20日の仕訳
借方金額貸方金額
4月21日の仕訳
借方金額貸方金額
4月22日の仕訳
借方金額貸方金額
4月25日の仕訳




解答

借方金額貸方金額
借入金80,000当座預金80,500
支払利息500
4月20日の仕訳
借方金額貸方金額
買掛金30,000当座預金30,200
支払手数料200
4月21日の仕訳
借方金額貸方金額
当座預金80,000売掛金80,000
4月22日の仕訳
借方金額貸方金額
支払手形25,000当座預金25,000
4月25日の仕訳

解説

当座勘定照合表とは、当座預金の入出金を示した明細書のことです。当座預金では普通預金のような通帳がないため、これに代わるものとして金融機関が当座預金口座を保有する顧客に送付する他、インターネットバンキングサービスを利用すればネット上で参照することもできます。

当座勘定照合表の「お支払金額」の欄にある金額は当座預金の減少、「お預り金額」の欄にある金額は当座預金の増加を表します。

4月20日の取引について

融資(借入金)の返済なので、「借入金」を減少させるとともに、支払った利息を「支払利息」として計上します。

4月21日の取引について

甲商事に対して振り込みを行っていますが、問題に「甲商事および乙商事はそれぞれ当社の商品の取引先であり、商品売買取引はすべて掛けとしている」とあるため、この取引は買掛金の支払いであることが分かります。

4月22日の取引について

乙商事から振り込みを受けているため、この取引は売掛金の代金回収であることが分かります。

4月25日の取引について

小切手(No.101)と約束手形(No.303)を1つの商品売買取引で振り出したものと仮定すると、これらを振り出したときの仕訳は次のようになっています。

借方金額貸方金額
仕入85,000当座預金60,000
支払手形25,000
処理済み

先方が小切手を銀行に呈示した段階で当座預金口座からその金額が引き落とされますが、当社側では振り出した時点ですでに当座預金を減少させています

したがって、先方が小切手を銀行に呈示したとき(当座預金口座から実際に引き落とされたとき)には処理をする必要はありません。

このように、小切手に関しては当社側で当座預金勘定(帳簿)の金額が減少するタイミングと銀行側で当座預金口座の金額が減少するタイミングにズレが生じます。