【第1回】日商簿記3級 試験問題
第1問
配点:3点×15問=45点
問題番号の背景色:青が正解、赤が不正解
下記の取引の仕訳を示しなさい。ただし、勘定科目はプルダウンの中から最も適当と思われるものを選び、選択すること。なお、商品売買取引は3分法によることとし、消費税については問題中に指示がある場合のみ考慮すること。
1 |
商品¥100,000を仕入れ、代金は掛けとした。その際、当社負担の引取運賃¥2,000を現金で支払った。
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借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
仕入 | 102,000 | 買掛金 | 100,000 |
現金 | 2,000 |
当社負担の引取運賃(仕入諸掛)は、「仕入」の金額に含めて処理します。
2 |
得意先甲商店に対する売掛金¥50,000について、電子記録債権の発生記録が行われた。
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借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
電子記録債権 | 50,000 | 売掛金 | 50,000 |
電子債権記録機関に必要事項を電子記録することで発生する債権(債務)を電子記録債権(債務)といいます。
電子記録債権の発生記録を行うことで「売掛金」が「電子記録債権」へ変わるため、売掛金勘定から電子記録債権勘定へ金額を振り替えます。
3 |
営業に使用する目的でパソコン5台(1台あたり¥120,000)を購入し、代金は来月末に支払うこととした。なお、このパソコンのセッティング費用¥10,000については、現金で支払った。
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借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
備品 | 610,000 | 未払金 | 600,000 |
現金 | 10,000 |
パソコンのセッティング費用は付随費用として、備品の取得原価に含めます。
4 |
取引銀行から¥1,000,000を借り入れ、利息が差し引かれた残額を当座預金とした。なお、借入期間は82日、利率は年3.65%である。利息の計算は1年を365日とする日割で行う。
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借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
当座預金 | 991,800 | 借入金 | 1,000,000 |
支払利息 | 8,200 |
利息は借入時に計上する方法と返済時に計上する方法があります。
本問は「利息が差し引かれた残額を当座預金とした」とあるので、前者の方法(借入時に計上する方法)となります。よって、借入金¥1,000,000と支払利息¥8,200の差額を当座預金とします。
なお、支払利息の計算は次のようになります。
5 |
当社は、仕入先B商店へ¥200,000の商品の注文を行い、その予約金として商品代金の20%を現金で支払った。
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借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
前払金 | 40,000 | 現金 | 40,000 |
予約金や内金、手付金を支払ったときは、将来商品を受け取る権利として、これを前払金(資産)で処理します。
6 |
先月、得意先C商店より¥350,000が当座預金の口座に振り込まれ、その内容が不明であったため仮受金として処理していたが、本日C商店から連絡が入り、その内訳が売掛金の回収額¥300,000と注文を受けた商品¥400,000に対する手付金¥50,000であることが判明した。
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借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
仮受金 | 350,000 | 売掛金 | 300,000 |
前受金 | 50,000 |
得意先C商店より¥350,000が当座預金口座に振り込まれたときは、その内容が不明であったため次のような仕訳をしています。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
当座預金 | 350,000 | 仮受金 | 350,000 |
その後、C商店から連絡が入り、処理すべき勘定科目が判明した時点で「仮受金」から適切な勘定へ振り替えます。なお、商品の手付金や内金は「前受金」で処理します。
7 |
以下の商品を売り上げ、品物とともに次の納品書兼請求書の原本を発送した。なお、代金の全額は来月末に受け取る予定である。商品の販売代金と送料の合計を掛けとして処理すること。また、同時に配送業者へ商品を引き渡し、同額の送料を現金で支払っている。
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借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
売掛金 | 113,500 | 売上 | 113,500 |
発送費 | 500 | 現金 | 500 |
売上の金額は相手から受け取る対価の額(送料も含む)で計上します。また、指示にある通り売上と送料の合計額を売掛金とし、配送にかかった費用は「発送費」として別に計上します。
この結果、利益は「売上¥113,500ー発送費¥500=¥113,000」となり、送料として受け取ったものが当社の利益になることはありません。
8 |
週末に用度係から小口現金に関して、タクシー代¥20,000、収入印紙¥35,000、事務用品¥5,000、切手代¥3,000の支払報告があった。なお、当社は定額資金前渡制(インプレスト・システム)を採用しており、翌週の始めに支払報告にもとづいて普通預金口座から引き出して補給する。
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借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
旅費交通費 | 20,000 | 小口現金 | 63,000 |
租税公課 | 35,000 | ||
消耗品費 | 5,000 | ||
通信費 | 3,000 |
「翌週の始めに支払報告にもとづいて普通預金口座から引き出して補給する」とあるので、貸方は小口現金となる点に注意しましょう。
9 |
株式会社の設立にあたり、1株当たり¥800で株式を1,000株発行し、払込金を普通預金とした。なお、発行価額の全額を資本金とする。
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借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
普通預金 | 800,000 | 資本金 | 800,000 |
株式会社では、設立時または設立後の資金調達などの目的で株式を発行することがあります。株式を購入した株主からの払込金額は、原則としてその全額を資本金(純資産)とします。
10 |
当期首に建物(取得原価:¥1,100,000、期首減価償却累計額:¥66,000)を¥950,000で売却し、売却代金については翌月10日に受け取ることとした。
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借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
未収入金 | 950,000 | 建物 | 1,100,000 |
建物減価償却累計額 | 66,000 | ||
固定資産売却損 | 84,000 |
固定資産を売却した場合は、売却した固定資産の取得原価を減少させるとともに売却分に係る減価償却累計額を減額します。
簿価(取得原価ー減価償却累計額)と売却額の差額が固定資産売却損益となり、借方に差額が出るケースでは「固定資産売却損」(費用)、貸方に差額が出るケースでは「固定資産売却益」(収益)となります。
11 |
株主総会において繰越利益剰余金の処分が承認された(株主への配当金:¥100,000、利益準備金の積み立て:¥10,000)。
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借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
繰越利益剰余金 | 110,000 | 未払配当金 | 100,000 |
利益準備金 | 10,000 |
株式会社では、会社の所有者(オーナー)である株主が株主総会において、会社の利益(剰余金)の使い道を決定することとされています。
株主総会で剰余金の使いみちが承認されたときに繰越利益剰余金勘定(純資産)を減少させます。
なお、株主総会の段階では使い道が決まっただけであり実際に株主へ配当したわけではないので、株主への配当金は未払配当金勘定(負債)で処理しておき、実際に配当が行われたときにこれを減少させます。
12 |
前期に取得した売掛金¥25,000が貸し倒れた。なお、貸倒引当金の残高は¥18,000である。
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借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
貸倒引当金 | 18,000 | 売掛金 | 25,000 |
貸倒損失 | 7,000 |
前期発生分の売掛金が貸し倒れた場合、これに対応する貸倒引当金を取り崩す(減額する)処理をします。貸し倒れた売掛金が貸倒引当金の残高を超える場合は、その超過額を貸倒損失とします。
13 |
営業目的で保有していた土地¥1,000,000を同額で売却し、代金は来月末に受け取ることとしていたが、その際に次のような仕訳をしていたためこれを修正する。
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借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
未収入金 | 1,000,000 | 売掛金 | 1,000,000 |
この土地は販売目的の商品ではないので、売却代金の未収は「売掛金」ではなく「未収入金」で処理をします。したがって、売掛金を取り消して未収入金を計上します。
14 |
当期の総仕入高は¥900,000、戻し高は¥53,000、期首商品棚卸高は¥63,000、期末商品棚卸高は¥68,000であった。仕入勘定において算定された売上原価を損益勘定へ振り替える。
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借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
損益 | 842,000 | 仕入 | 842,000 |
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
仕入 | 63,000 | 繰越商品 | 63,000 |
繰越商品 | 68,000 | 仕入 | 68,000 |
決算整理後の仕入勘定は売上原価を表します。なお売上原価の計算では、総仕入高から戻し高を控除した純仕入高を使います。
15 |
以下の納付書にもとづき、当社の普通預金口座から振り込んだ。
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借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
仮払法人税等 | 300,000 | 普通預金 | 300,000 |
法人税等の中間納付額は「仮払法人税等」(資産)で処理しておきます。
第2問
(1)以下の資料に基づいて解答欄の勘定に記入しなさい。当期の会計期間は×8年4月1日から×9年3月31日の1年間である。ただし、勘定記入に用いる勘定科目等に関しては、プルダウンから最も適当であると思われるものを選び、選択すること。
【資料】保険料はすべて建物に対するものであり、毎年12月1日に向こう1年分(毎年同額)を現金で前払いしている。なお、決算整理前残高試算表における保険料の金額は¥60,000であった。
保険料
×8.4/1 | ×9.3/31 | ||||
×8.12/1 | 〃 | ||||
前払保険料
×8.4/1 | ×8.4/1 | ||||
×9.3/31 | ×9.3/31 | ||||
背景色:青が正解、赤が不正解
保険料
×8.4/1 | 前払保険料 | 24,000 | ×9.3/31 | 前払保険料 | 24,000 |
×8.12/1 | 現金 | 36,000 | 〃 | 損益 | 36,000 |
60,000 | 60,000 |
前払保険料
×8.4/1 | 前期繰越 | 24,000 | ×8.4/1 | 保険料 | 24,000 |
×9.3/31 | 保険料 | 24,000 | ×9.3/31 | 次期繰越 | 24,000 |
48,000 | 48,000 |
配点:2点×4箇所=8点
本問の最大のポイントは、決算整理前残高試算表における保険料が20か月分の金額を表しているという点です。
期首再振替仕訳
前期末において、未経過の8か月分(×8年4月1日~×8年11月30日)を次のように繰り延べています。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
前払保険料 | 8か月分 | 保険料 | 8か月分 |
当期首には、前期末に行ったこの仕訳について再振替仕訳を行います。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
保険料 | 8か月分 | 前払保険料 | 8か月分 |
期中取引
1年分の保険料を支払ったとき(×8年12月1日)には次のような仕訳を行います。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
保険料 | 12か月分 | 現金 | 12か月分 |
前T/Bの保険料¥60,000は20か月分の金額を表すので、1か月あたりの保険料は¥3,000となります。
したがって、当期首の再振替仕訳(8か月分)および当期支払時(12か月分)の仕訳は次のようになります。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
保険料 | 24,000 | 前払保険料 | 24,000 |
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
保険料 | 36,000 | 現金 | 36,000 |
決算整理仕訳
当期末において、前払いしている未経過の8か月分(×9年4月1日~×9年11月30日)を次のように繰り延べます。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
前払保険料 | 24,000 | 保険料 | 24,000 |
8か月分の保険料を繰り延べることで、保険料勘定は当期に属する12か月分の金額となります。
損益振替・帳簿の締め切り
保険料は費用なので、これを損益勘定の借方に振り替えます。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
損益 | 36,000 | 保険料 | 36,000 |
資産の項目である前払保険料は「次期繰越」および残高を記入して締め切ります。資産の項目は借方に差額が出るので、貸借を一致させるために「次期繰越」は貸方に記入します。
(2)当社は、主要簿以外に解答欄の補助簿を用いている。次に示す1~4の取引がどの補助簿に記入されるか、該当する補助簿の欄にチェックマークを記入しなさい。なお、該当しない補助簿の欄には何も記入しないこと。
- A商店から商品¥80,000を仕入れ、代金のうち¥50,000については同店あての約束手形を振り出し、残額は掛けとした。なお、当社負担の引取運賃¥2,000については現金で支払った。
- A商店から仕入れた商品¥1,000が品違いであったため、同店に返品した。なお、代金は掛代金から差し引くこととした。
- 先月にB商店より建物¥500,000 と土地¥600,000 を購入する契約をしていたが、本日その引渡しを受けた。この引渡しにともない、購入代金のうち¥110,000は契約時に仮払金勘定で処理していた手付金を充当し、残額は当座預金口座から振り込んだ。
- C商店に商品¥123,000(送料込み)を売り渡し、代金のうち¥50,000は同店振出しの約束手形で受け取り、残額は掛けとした。なお、運送業者に対する送料¥3,000については小切手を振り出して支払った。
当座預金出納帳 | 商品有高帳 | 売掛金元帳 | 買掛金元帳 | 受取手形記入帳 | 支払手形記入帳 | 仕入帳 | 売上帳 | 固定資産台帳 | |
1 | |||||||||
2 | |||||||||
3 | |||||||||
4 |
問題番号の背景色:青が正解、赤が不正解
当座預金出納帳 | 商品有高帳 | 売掛金元帳 | 買掛金元帳 | 受取手形記入帳 | 支払手形記入帳 | 仕入帳 | 売上帳 | 固定資産台帳 | |
1 | ✓ | ✓ | ✓ | ✓ | |||||
2 | ✓ | ✓ | ✓ | ||||||
3 | ✓ | ✓ | |||||||
4 | ✓ | ✓ | ✓ | ✓ | ✓ |
配点:横一列正解で2点×4問=8点
各取引について仕訳をし、どの勘定科目が増減するかを把握すれば解答を導くことができます。なお、どの補助簿に記入されるかを判断できればいいので、金額まで考慮する必要はありません。
1.の取引
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
仕入 【記入される補助簿】仕入帳と商品有高帳 | 82,000 | 支払手形 【記入される補助簿】支払手形記入帳 | 50,000 |
買掛金 【記入される補助簿】買掛金元帳 | 30,000 | ||
現金 【記入される補助簿】現金出納帳(本問とは関係ありません) | 2,000 |
2.の取引
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
買掛金 【記入される補助簿】買掛金元帳 | 1,000 | 仕入 【記入される補助簿】仕入帳と商品有高帳 | 1,000 |
3.の取引
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
建物 【記入される補助簿】固定資産台帳 | 500,000 | 仮払金 | 110,000 |
土地 【記入される補助簿】固定資産台帳 | 600,000 | 当座預金 【記入される補助簿】当座預金出納帳 | 990,000 |
4.の取引
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
受取手形 【記入される補助簿】受取手形記入帳 | 50,000 | 売上 【記入される補助簿】売上帳と商品有高帳 | 123,000 |
売掛金 【記入される補助簿】売掛金元帳 | 73,000 | ||
発送費 | 3,000 | 当座預金 【記入される補助簿】当座預金出納帳 | 3,000 |
(3)次の【取引】について伝票へ記入しなさい。勘定科目はプルダウン項目から適当なものを選択すること。ただし、いったん全額を掛け取引とする方法と取引を分解する方法のいずれを採用しているかは各自で推測すること。なお、当社では3伝票制を採用している。
【取引】商品¥35,000を仕入れ、代金のうち¥8,000は現金で支払い、残額は掛けとした。
出金伝票 | |
科目 | 金額 |
振替伝票 | |||
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
仕入 | 35,000 | 35,000 |
背景色:青が正解、赤が不正解
出金伝票 | |
科目 | 金額 |
買掛金 | 8,000 |
振替伝票 | |||
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
仕入 | 35,000 | 買掛金 | 35,000 |
配点:2点×2箇所=4点
いったん全額を掛け取引とする方法と取引を分解する方法のいずれを採用しているかを判断するために、まず2つの方法によって仕訳を考えてみます。
記入する伝票 | 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|---|
振替伝票 | 仕入 | 35,000 | 買掛金 | 35,000 |
出金伝票 | 買掛金 | 8,000 | 現金 | 8,000 |
記入する伝票 | 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|---|
振替伝票 | 仕入 | 27,000 | 買掛金 | 27,000 |
出金伝票 | 仕入 | 8,000 | 現金 | 8,000 |
振替伝票における金額が仕入の全額¥35,000となっていることから、いったん全額を掛け取引とする方法を採用していることがわかります。
第3問
次の決算整理前残高試算表と決算整理事項等にもとづいて、損益計算書と貸借対照表を完成しなさい。なお、会計期間はx4年4月1日からx5年3月31日までの1年間である。
決算整理前残高試算表
借方 | 勘定科目 | 貸方 |
234,000 | 現金 | |
1,120,000 | 普通預金 | |
820,000 | 売掛金 | |
230,000 | 繰越商品 | |
160,000 | 仮払金 | |
190,000 | 仮払消費税 | |
70,000 | 仮払法人税等 | |
400,000 | 備品 | |
1,000,000 | 土地 | |
買掛金 | 500,000 | |
借入金 | 350,000 | |
未払金 | 220,000 | |
仮受消費税 | 300,000 | |
貸倒引当金 | 18,000 | |
備品減価償却累計額 | 150,000 | |
資本金 | 1,812,000 | |
繰越利益剰余金 | 380,000 | |
売上 | 3,000,000 | |
その他の収益 | 270,000 | |
1,900,000 | 仕入 | |
86,000 | 租税公課 | |
790,000 | その他の費用 | |
7,000,000 | 7,000,000 |
[決算整理事項等]
- 現金の手許有高は¥220,000であり、帳簿残高との差額は雑損または雑益とする。
- 売掛金¥100,000が普通預金口座に振り込まれていたが、この取引が未記帳であった。
- 売掛金の期末残高に対して3%の貸倒引当金を差額補充法により設定する。
- 期末商品棚卸高は¥300,000である。
- ×4年10月1日に、備品¥160,000を一括購入した際に購入代金の全額を仮払金として処理していたためこれを修正する。これ以外に当期に取得した備品はない。
- 備品は、残存価額をゼロ、耐用年数を8年とする定額法により減価償却を行う。なお、当期に取得した備品については月割計算によること。
- 消費税の処理を税抜方式によって行う。
- 借入金は、期間1年間、利率年1.2%、利息は1年分を元本返済時に支払う条件で、当期の12月1日に借り入れたものである。なお、利息は月割で計上すること。
- 当期の法人税、住民税及び事業税は¥150,000と算定された。仮払法人税等との差額を未払法人税等として計上する。
損益計算書
x4年4月1日からx5年3月31日まで
売上原価 | 売上 | 3,000,000 | |||
租税公課 | 86,000 | その他の収益 | 270,000 | ||
貸倒引当金繰入 | |||||
減価償却費 | |||||
雑 |
|||||
支払利息 | |||||
その他の費用 | 790,000 | ||||
法人税、住民税及び事業税 | |||||
当期純 |
|||||
3,270,000 | 3,270,000 |
貸借対照表
x5年3月31日
現金 | 買掛金 | 500,000 | ||||
普通預金 | 借入金 | 350,000 | ||||
売掛金 | 未払金 | 220,000 | ||||
貸倒引当金 | △ | 未払消費税 | ||||
商品 | 未払法人税等 | |||||
備品 | 未払費用 | |||||
減価償却累計額 | △ | 資本金 | 1,812,000 | |||
土地 | 1,000,000 | 繰越利益剰余金 | ||||
配点箇所:青が正解、赤が不正解
損益計算書
x4年4月1日からx5年3月31日まで
売上原価 | 1,830,000 | 売上 | 3,000,000 | ||
租税公課 | 86,000 | その他の収益 | 270,000 | ||
貸倒引当金繰入 | 3,600 | ||||
減価償却費 | 60,000 | ||||
雑損 | 14,000 | ||||
支払利息 | 1,400 | ||||
その他の費用 | 790,000 | ||||
法人税、住民税及び事業税 | 150,000 | ||||
当期純利益 | 335,000 | ||||
3,270,000 | 3,270,000 |
貸借対照表
x5年3月31日
現金 | 220,000 | 買掛金 | 500,000 | |||
普通預金 | 1,220,000 | 借入金 | 350,000 | |||
売掛金 | 720,000 | 未払金 | 220,000 | |||
貸倒引当金 | △ | 21,600 | 698,400 | 未払消費税 | 110,000 | |
商品 | 300,000 | 未払法人税等 | 80,000 | |||
備品 | 560,000 | 未払費用 | 1,400 | |||
減価償却累計額 | △ | 210,000 | 350,000 | 資本金 | 1,812,000 | |
土地 | 1,000,000 | 繰越利益剰余金 | 715,000 | |||
3,788,400 | 3,788,400 |
配点: 1点 ×2箇所 + 3点×11箇所=35点
決算整理事項等1
「手許有高¥220,000<帳簿残高¥234,000」となっているため、帳簿残高を手許有高に合わせるため現金を減らし、両者の差額を雑損とします。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
雑損 | 14,000 | 現金 | 14,000 |
決算整理事項等2
売掛金の回収が未記帳となっているため、これを正しく記帳します。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
普通預金 | 100,000 | 売掛金 | 100,000 |
決算整理事項等3
貸倒引当金の設定額:(¥820,000ー¥100,000)×3%=¥21,600
貸倒引当金の繰入額:¥21,600ー¥18,000=¥3,600
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
貸倒引当金繰入 | 3,600 | 貸倒引当金 | 3,600 |
決算整理事項等4
期首商品棚卸高(前T/Bの金額)¥230,000を「繰越商品」から「仕入」に振り替えて、期末商品棚卸高¥300,000を「仕入」から「繰越商品」に振り替えます。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
仕入 | 230,000 | 繰越商品 | 230,000 |
繰越商品 | 300,000 | 仕入 | 300,000 |
この仕訳後の「仕入」(後T/Bの金額)が売上原価を表します。
仕入
期首商品棚卸高 ¥230,000 |
売上原価 (後T/B「仕入」) ¥1,830,000 |
当期商品仕入高 (前T/B「仕入」) ¥1,900,000 |
|
期末商品棚卸高 ¥300,000 |
決算整理事項等5
備品を購入したときには次のような仕訳をしています。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
仮払金 | 160,000 | 現金など | 160,000 |
そこで、これを修正するために「仮払金」を「備品」に振り替えます。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
備品 | 160,000 | 仮払金 | 160,000 |
決算整理事項等6
当期以前から保有している分
当期以前から保有している分については1年間で減価償却費を計算します。
当期に取得した分
決算整理事項等5で取得した備品は、取得日(×4年10月1日)から決算日(×5年3月31日)までの6か月で月割計算します。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
減価償却費 | 60,000 | 備品減価償却累計額 | 60,000 |
決算整理事項等7
仮払消費税と仮受消費税を相殺し、両者の差額を「未払消費税」とします。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
仮受消費税 | 300,000 | 仮払消費税 | 190,000 |
未払消費税 | 110,000 |
決算整理事項等8
借入金の借入日(×4年12月1日)から決算日(×5年3月31日)までの4か月分の利息の未払額を計上します。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
支払利息 | 1,400 | 未払利息 | 1,400 |
決算整理事項等9
中間納付分の「仮払法人税等」を取り崩し、法人税、住民税及び事業税との差額を「未払法人税等」として処理します。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
法人税、住民税及び事業税 | 150,000 | 仮払法人税等 | 70,000 |
未払法人税等 | 80,000 |
当期純利益(純損失)の算定
最後に、損益計算書の貸借差額(収益ー費用)で当期純利益または当期純損失を計算します。
繰越利益剰余金の計算
当期純利益は「繰越利益剰余金」に加算します。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
収益の総額 | 3,270,000 | 費用の総額 | 2,935,000 |
損益 | 335,000 |
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
損益 | 335,000 | 繰越利益剰余金 | 335,000 |
受験科目 | 【第1回】3級模擬試験 |
かかった時間 | |
得点 |
※説明も兼ねて本来より少し多めに書いています。
集計漏れや二重計上がないように、解答の記入が終わったら科目や金額の横にチェック(✓)を付けておきましょう。