【第3回】日商簿記3級 試験問題
第1問
配点:3点×15問=45点
問題番号の背景色:青が正解、赤が不正解
下記の取引の仕訳を示しなさい。ただし、勘定科目はプルダウンの中から最も適当と思われるものを選び、選択すること。なお、商品売買取引は3分法によることとし、消費税については問題中に指示がある場合のみ考慮すること。
1 |
商品¥38,000を販売し、代金のうち¥20,000は信販会社が発行している共通商品券で受け取り、残額は現金で受け取った。
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借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
現金 | 18,000 | 売上 | 38,000 |
受取商品券 | 20,000 |
商品の代金を他社が発行した商品券で受け取った場合は受取商品券勘定で処理します。受取商品券はあとで信販会社などに代金を請求できる権利なので資産です。
2 |
得意先へ販売した商品¥49,500(うち消費税¥4,500)について、品違いのため返品を受けた。なお、この代金は売掛金から差し引くこととした。
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借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
売上 | 45,000 | 売掛金 | 49,500 |
仮受消費税 | 4,500 |
商品を販売したときには次のような仕訳をしています。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
売掛金 | 49,500 | 売上 | 45,000 |
仮受消費税 | 4,500 |
返品を受けたときは、商品販売時の貸借逆仕訳を行ってこの仕訳を取り消します。
3 |
建物の改修工事を行い、¥530,000を小切手を振り出して支払った。このうち、¥360,000は耐用年数を延長させる改良のための支出であり、残りは定期的修繕のための支出である。
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借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
建物 | 360,000 | 当座預金 | 530,000 |
修繕費 | 170,000 |
改良のための支出は資本的支出に該当するので建物の取得原価に含めます。また、定期的修繕のための支出は収益的支出に該当するので修繕費勘定で処理します。
4 |
取引銀行からの借り入れ¥1,000,000(年利率3.65%、借入期間60日、利息は返済時に支払う契約である)について、返済期日が到来したため、元利合計を当座預金口座から返済した。なお、利息は1年を365日とした日割り計算による。
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借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
借入金 | 1,000,000 | 当座預金 | 1,006,000 |
支払利息 | 6,000 |
元利合計(元本と利息)を当座預金口座から返済したので借入金と当座預金が減少し、支払った利息は支払利息(費用)で処理します。
なお、支払利息の計算は次のようになります。
5 |
仕入先のA商店から商品¥200,000が到着した。商品代金から、注文時に現金で支払っている手付金(商品代金の20%)を差し引いた残額は月末に支払うこととした。また、商品の引取運賃¥1,000(当社負担)を運送会社に現金で支払った。
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借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
仕入 | 201,000 | 前払金 | 40,000 |
買掛金 | 160,000 | ||
現金 | 1,000 |
商品の仕入れに先立って手付金を支払った時には次のような仕訳をしています。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
前払金 | 40,000 | 現金など | 40,000 |
商品を受け取ったときに仕入を計上するとともに、この前払金を減少させ、残額を買掛金とします。
6 |
出張中の従業員から普通預金の口座に¥130,000の入金があった。このうち、¥80,000については、得意先B商店から注文を受けた際に受領した手付金であることが判明しているが、残額についての詳細は不明であった。
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借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
普通預金 | 130,000 | 前受金 | 80,000 |
仮受金 | 50,000 |
現金を受け取ったが、処理すべき金額がまだ確定していない、あるいは処理すべき相手勘定が未定である場合に、その金額や勘定科目が判明するまでの間、一時的に記帳処理しておくため、仮受金勘定(負債)を用いて処理します。
7 |
店頭における一日分の売上の仕訳を行うにあたり、集計結果は次のとおりであった。なお、合計額のうち¥45,320はクレジットカード、残りは現金による決済であった。消費税は税抜方式によって処理し、信販会社への手数料(販売代金の3%)は代金回収時に計上する。 ![]()
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借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
現金 | 78,980 | 売上 | 113,000 |
クレジット売掛金 | 45,320 | 仮受消費税 | 11,300 |
税抜方式では、受け取った消費税を「仮受消費税」(負債)で処理します。したがって、「売上」は消費税を含まない金額となります。また、クレジットカードによる売り上げは「クレジット売掛金」で処理します。
8 |
社会保険料¥30,000を現金で納付した。このうち、¥15,000は従業員からすでに預かっている分である。
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借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
社会保険料預り金 | 15,000 | 現金 | 30,000 |
法定福利費 | 15,000 |
健康保険や雇用保険などの社会保険料は従業員個人と会社(雇用主)の両方が折半で負担します。従業員負担分はすでに源泉徴収している「社会保険料預り金」を取り崩し、会社負担分は法定福利費勘定(費用)で処理します。
9 |
営業のために利用するバス代の支払用ICカードから旅費交通費¥5,000を支払った。なお、当社ではチャージをした時に仮払金として処理し、使用時に適切な勘定に振り替える処理をしている。
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借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
旅費交通費 | 5,000 | 仮払金 | 5,000 |
チャージ(入金)時には次のような仕訳をしています。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
仮払金 | ××× | 現金など | ××× |
実際に使用した時にこの仮払金から旅費交通費へ振り替えます。
10 |
期首となり、未払利息¥20,000について再振替仕訳を行う。
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借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
未払利息 | 20,000 | 支払利息 | 20,000 |
まず前期末に行った仕訳から考えます。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
支払利息 | 20,000 | 未払利息 | 20,000 |
再振替仕訳は前期末に行ったこの決算整理仕訳の貸借逆仕訳となります。
11 |
店舗の賃借契約終了にあたり、契約時に差し入れている敷金¥300,000から原状回復のための費用¥180,000が差し引かれた残額を現金で受け取った。
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借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
修繕費 | 180,000 | 差入保証金 | 300,000 |
現金 | 120,000 |
敷金を差し入れたときには次のような仕訳をしています。取引や賃貸借契約に際して、契約の履行を担保するために保証金や敷金等を差し入れた時は差入保証金勘定(資産)で処理をします。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
差入保証金 | 300,000 | 現金など | 300,000 |
賃借契約が終了すると差入保証金が戻ってくるので、この差入保証金¥300,000を取り崩します。また、原状回復のために使用された額は修繕費とし、残額が手取金となります。
12 |
すでに現金で受領している商品の売上¥40,000について、決算日までにこの商品が出荷されていなかったことが判明したが、売上取消の処理が未処理のままとなっていたため修正する。
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借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
売上 | 40,000 | 前受金 | 40,000 |
代金を受け取ったが、まだ商品を引き渡していない場合は受け取った金額を「前受金」とします。したがって、売上を取り消して前受金を計上します。
13 |
営業用の土地50㎡を、1㎡あたり¥50,000で購入し、不動産会社への仲介手数料¥300,000および売買契約書の収入印紙代¥20,000とともに小切手を振り出して支払った。なお、収入印紙代は費用として処理すること。
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借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
土地 | 2,800,000 | 当座預金 | 2,820,000 |
租税公課 | 20,000 |
仲介手数料は付随費用として土地の取得原価に含めて処理し、収入印紙代は指示にある通り費用(租税公課)で処理をします。
14 |
従業員が出張から戻り、旅費の精算を行ったところ、概算額として現金で手渡していた¥30,000では足りず、従業員が立て替えた不足額の¥5,000は次の給料に含めて従業員へ支払うこととし、これを未払金として計上した。
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借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
旅費交通費 | 35,000 | 仮払金 | 30,000 |
未払金 | 5,000 |
概算額を支払った時には次のような仕訳をしています。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
仮払金 | 30,000 | 現金など | 30,000 |
概算額として支払っていた¥30,000は仮払金で処理をしているので、まずこれを旅費交通費へ振り替え、残りの¥5,000は指示にある通り未払金とします。
15 |
決算につき、当期純利益¥250,000を繰越利益剰余金へ振り替えた。
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借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
損益 | 250,000 | 繰越利益剰余金 | 250,000 |
損益振替によって、収益はすべて損益勘定の貸方へ、費用はすべて損益勘定の借方へ振り替えられます。当期純利益ということは、損益勘定が「借方(費用)<貸方(収益)」となっていることから、この貸借差額を繰越利益剰余金勘定の貸方へ振り替えます。
第2問
(1)次の【資料】にもとづいて、下記の問に答えなさい。なお、当期の会計期間は×7年4月1日から×8年3月31日までの1年間である。また、減価償却費は月割計算で計上する。
【資料1】固定資産台帳
固定資産台帳
×8年3月31日
資産名 | 0001 ノートパソコン | 供用日 | ×5年12月1日 |
区分 | 備品 | 償却方法 | 定額法 |
数量 | 1台 | 耐用年数 | 6年 |
取得年月日 | ×5年11月20日 | 残存価額 | ゼロ |
年月日 | 摘要 | 取得原価 | 減価償却費 | 帳簿価額 |
---|---|---|---|---|
×5年11月20日 | 新規取得 | ¥144,000 | ¥144,000 | |
×5年12月1日 | 供用開始 | ¥144,000 | ||
×6年3月31日 | 減価償却 | ① | ( ? ) | |
×7年3月31日 | 減価償却 | ② | ( ? ) | |
×8年3月31日 | 減価償却 | ( ? ) | ③ |
【資料2】備品減価償却累計額勘定
備品減価償却累計額
×8.3/31 | 次期繰越 | ⑤ | ×7.4/1 | 前期繰越 | ④ |
×8.3/31 | ( ? ) | ( ? ) | |||
( ? ) | ( ? ) |
【問1】①~⑤に当てはまる適切な金額を答えなさい。
① | ¥ | |
② | ¥ | |
③ | ¥ | |
④ | ¥ | |
⑤ | ¥ |
【問2】×8年6月末日において、この備品を¥100,000で売却した。このとき生じる固定資産売却損益の金額を答えなさい。なお、()内に「損」か「益」のいずれかを選択すること。
円の | 固定資産売却 |
青が正解、赤が不正解
※【問2】は金額と「益」の両方合って正解
【問1】
①¥8,000
②¥24,000
③¥88,000
④¥32,000
⑤¥56,000
【問2】18,000円の固定資産売却(益)
配点:2点×6箇所=12点
【問1】の解説
各年度末における減価償却の仕訳は次のようになります。
×6年3月31日
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
減価償却費 | 8,000 | 備品減価償却累計額 | 8,000 |
減価償却は供用日(使用開始日)から減価償却を行います。したがって、×5年度における減価償却費の計算は供用日(×5年12月1日)から決算日(×6年3月31日)までの4か月で計算します。
×7年3月31日
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
減価償却費 | 24,000 | 備品減価償却累計額 | 24,000 |
×8年3月31日
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
減価償却費 | 24,000 | 備品減価償却累計額 | 24,000 |
以上より、固定資産台帳および備品減価償却累計額勘定は次のようなります。
固定資産台帳
年月日 | 摘要 | 取得原価 | 減価償却費 | 帳簿価額 |
---|---|---|---|---|
×5年11月20日 | 新規取得 | ¥144,000 | ¥144,000 | |
×5年12月1日 | 供用開始 | ¥144,000 | ||
×6年3月31日 | 減価償却 | ①¥8,000 | ¥136,000 | |
×7年3月31日 | 減価償却 | ②¥24,000 | ¥112,000 | |
×8年3月31日 | 減価償却 | ¥24,000 | ③¥88,000 |
※帳簿価額は「取得原価¥144,000ー減価償却累計額」で算定します。
備品減価償却累計額
×8.3/31 | 次期繰越 | ⑤56,000 | ×7.4/1 | 前期繰越 | ④32,000 |
×8.3/31 | 減価償却費 | 24,000 | |||
56,000 | 56,000 |
【減価償却累計額】
×6年3月31日:¥8,000
×7年3月31日:¥8,000+¥24,000=¥32,000(前期繰越)
×8年3月31日:¥32,000+¥24,000=¥56,000(次期繰越)
【問2】の解説
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
備品減価償却累計額 | 56,000 | 備品 | 144,000 |
減価償却費 | 6,000 | 固定資産売却益 | 18,000 |
現金など | 100,000 |
減価償却費は×8年度期首(×8年4月1日)から売却日(×8年6月30日)までの3か月で計算します。
帳簿価額が¥82,000(=取得原価¥144,000ー¥備品減価償却累計額56,000ー減価償却費¥6,000)
の備品を¥100,000で売却したので¥18,000儲かった(固定資産売却益)ということです。
(2)当社では商品売買に関する取引について三分法によって記帳している。次の資料に基づいて、以下の問いに答えなさい。なお、同じ日付の取引は別個の取引ではなく、1つの取引を転記したものである。
【資料】6月中の商品売買取引に関する勘定記入
現金
1日 | 前月繰越 | 154,000 | 15日 | 仕入 | 25,000 |
20日 | 売上 | 32,000 | 25日 | (?) | ( ? ) |
30日 | (?) | ( ? ) | 30日 | 次月繰越 | 207,000 |
( ? ) | ( ? ) |
売掛金
1日 | 前月繰越 | 62,000 | 30日 | 現金 | 144,000 |
10日 | 売上 | 84,000 | 〃 | 次月繰越 | 68,000 |
20日 | 売上 | 66,000 | |||
212,000 | 212,000 |
買掛金
25日 | 現金 | 98,000 | 1日 | 前月繰越 | 43,000 |
30日 | 次月繰越 | 37,000 | 5日 | 仕入 | 55,000 |
15日 | 仕入 | 37,000 | |||
135,000 | 135,000 |
(問)次の各日付における商品売買取引に関する仕訳を示しなさい。ただし、勘定科目はプルダウンの中から最も適当と思われるものを選び、選択すること。
配点:3点×15問=45点
日付の背景色:青が正解、赤が不正解
10日 |
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借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
売掛金 | 84,000 | 売上 | 84,000 |
10日の取引は売掛金勘定の借方にあります。売掛金は資産(貸借対照表の借方項目)なので、この取引によって売掛金が増加したことを表します。また、相手勘定科目は売上となっているので貸方には売上勘定を記入します。
15日 |
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借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
仕入 | 62,000 | 現金 | 25,000 |
買掛金 | 37,000 |
15日の取引は現金勘定の貸方と買掛金勘定の貸方にあります。相手科目はともに仕入なので、この取引は現金支払いと掛けによる仕入取引ということになります。
25日 |
|
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
買掛金 | 98,000 | 現金 | 98,000 |
25日の取引は現金勘定の貸方および買掛金勘定の借方にあるので、これは現金による買掛金の支払であることがわかります。
30日 |
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借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
現金 | 144,000 | 売掛金 | 144,000 |
30日の取引は現金勘定の借方および売掛金勘定の貸方にあるので、これは現金による売掛金の回収であることがわかります。
なお、現金勘定は次のようになります。
現金
1日 | 前月繰越 | 154,000 | 15日 | 仕入 | 25,000 |
20日 | 売上 | 32,000 | 25日 | 買掛金 | 98,000 |
30日 | 売掛金 | 144,000 | 30日 | 次月繰越 | 207,000 |
330,000 | 330,000 |
第3問
次の決算整理前残高試算表と決算整理事項等にもとづいて、決算整理後残高試算表を完成しなさい。なお、会計期間はx4年4月1日からx5年3月31日までの1年間である。
決算整理前残高試算表
借方 | 勘定科目 | 貸方 |
354,000 | 現金 | |
720,000 | 普通預金 | |
1,000,000 | 定期預金 | |
800,000 | 売掛金 | |
320,000 | 繰越商品 | |
25,000 | 貯蔵品 | |
300,000 | 貸付金 | |
300,000 | 備品 | |
買掛金 | 500,000 | |
借入金 | 100,000 | |
仮受金 | 20,000 | |
貸倒引当金 | 25,000 | |
備品減価償却累計額 | 150,000 | |
資本金 | 2,060,000 | |
繰越利益剰余金 | 380,000 | |
売上 | 3,500,000 | |
受取利息 | 15,000 | |
その他の収益 | 250,000 | |
2,200,000 | 仕入 | |
115,000 | 通信費 | |
9,000 | 支払利息 | |
857,000 | その他の費用 | |
7,000,000 | 7,000,000 |
[決算整理事項等]
- 現金の帳簿残高と実際有高を照合したところ、実際有高が¥7,000超過していた。この原因を調査したところ、受取利息¥5,000および支払利息¥1,000の記帳漏れであることが判明したが、残額については原因が判明しなかったため、雑損または雑益に振り替える。
- 前期に貸倒処理した売掛金¥100,000について、得意先の清算に伴い¥10,000の分配を受けたが、これを仮受金として処理していた。
- 売掛金の期末残高に対して1%の貸倒引当金を差額補充法により設定する。
- 期末商品棚卸高は以下で示す【商品有高帳】を参照すること。なお、当社では商品の払出単価の計算方法として先入先出法を採用している。
- 当期首に、備品の一部(取得原価¥120,000、期首減価償却累計額¥80,000)を売却した際に売却代金¥10,000を仮受金として処理していたため、これを修正する。
- 備品はすべて、耐用年数を6年、残存価額をゼロとする定額法によって減価償却を行う。
- 決算にあたり金庫を実査したところ、郵便切手が¥10,000分残っていた。当社では、これを購入したときに費用として処理している。なお、決算整理前残高試算表における貯蔵品はすべて前期の郵便切手の未使用額であるが、期首の再振替仕訳が未処理となっている。
- 定期預金は、当期の9月25日に1年満期(年利率3.65%)で預け入れたものである。経過日数188日分の利息を計上する。なお、利息は1年を365日とする日割計算によること。
決算整理後残高試算表
借方 | 勘定科目 | 貸方 |
現金 | ||
普通預金 | ||
定期預金 | ||
売掛金 | ||
繰越商品 | ||
貯蔵品 | ||
利息 |
||
貸付金 | ||
備品 | ||
買掛金 | ||
借入金 | ||
貸倒引当金 | ||
備品減価償却累計額 | ||
資本金 | 2,060,000 | |
繰越利益剰余金 | ||
売上 | ||
受取利息 | ||
貸倒引当金 |
||
雑 |
||
その他の収益 | 250,000 | |
仕入 | ||
通信費 | ||
減価償却費 | ||
支払利息 | ||
857,000 | その他の費用 | |
背景色:青が正解、赤が不正解
【商品有高帳】(3月の記帳)

決算整理後残高試算表
借方 | 勘定科目 | 貸方 |
361,000 | 現金 | |
720,000 | 普通預金 | |
1,000,000 | 定期預金 | |
800,000 | 売掛金 | |
364,000 | 繰越商品 | |
10,000 | 貯蔵品 | |
18,800 | 未収利息 | |
300,000 | 貸付金 | |
180,000 | 備品 | |
買掛金 | 500,000 | |
借入金 | 100,000 | |
貸倒引当金 | 8,000 | |
備品減価償却累計額 | 100,000 | |
資本金 | 2,060,000 | |
繰越利益剰余金 | 380,000 | |
売上 | 3,500,000 | |
受取利息 | 38,800 | |
貸倒引当金戻入 | 17,000 | |
償却債権取立益 | 10,000 | |
雑益 | 3,000 | |
その他の収益 | 250,000 | |
2,156,000 | 仕入 | |
130,000 | 通信費 | |
30,000 | 減価償却費 | |
10,000 | 支払利息 | |
30,000 | 固定資産売却損 | |
857,000 | その他の費用 | |
6,966,800 | 6966,800 |
配点: 2点 ×1箇所 + 3点×11箇所=35点
※「貸倒引当金戻入」「償却債権取立益」「固定資産売却損」は、科目が間違っていても金額があっていれば正解
※それ以外は科目と金額の両方が合っていれば正解
※借方と貸方の両方に金額を書いていると不正解
決算整理事項等1
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
現金 | 7,000 | 受取利息 | 5,000 |
支払利息 | 1,000 | 雑益 | 3,000 |
①まず、現金の帳簿残高を実際有高に合わせるため、現金を¥7,000増やします。
②次に、原因が判明した受取利息(収益)と支払利息(費用)を記入します。
③最後に、貸借差額で雑損または雑益を計算します。本問では貸方に差額が出るので、収益の「雑益」となります。
決算整理事項等2
過去に貸倒処理した売掛金を当期に回収した場合は償却債権取立益とします。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
仮受金 | 10,000 | 償却債権取立益 | 10,000 |
決算整理事項等3
・貸倒引当金の設定額:¥800,000×1%=¥8,000
・貸倒引当金の残高:¥25,000
・貸倒引当金の戻入額:¥8,000ー¥25,000=△¥17,000(戻入)
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
貸倒引当金 | 17,000 | 貸倒引当金戻入 | 17,000 |
決算整理事項等4
期首商品棚卸高(前T/Bの金額)¥320,000を「繰越商品」から「仕入」に振り替えて、期末商品棚卸高¥364,000を「仕入」から「繰越商品」に振り替えます。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
仕入 | 320,000 | 繰越商品 | 320,000 |
繰越商品 | 364,000 | 仕入 | 364,000 |
この仕訳後の「仕入」(後T/Bの金額)が売上原価を表します。
仕入
期首商品棚卸高 ¥320,000 |
売上原価 (後T/B「仕入」) ¥2,156,000 |
当期商品仕入高 (前T/B「仕入」) ¥2,200,000 |
|
期末商品棚卸高 ¥364,000 |
なお、商品有高帳の記入は次のようになります。

決算整理事項等5
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
仮受金 | 10,000 | 備品 | 120,000 |
備品減価償却累計額 | 80,000 | ||
固定資産売却損 | 30,000 |
決算整理事項等6
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
減価償却費 | 30,000 | 備品減価償却累計額 | 30,000 |
決算整理事項等7
期首の再振替仕訳が未処理となっているので、まずこの仕訳をしていきます。郵便切手は通信費で処理します。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
通信費 | 25,000 | 貯蔵品 | 25,000 |
次に、郵便切手の未使用額を通信費から貯蔵品へ振り替えます。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
貯蔵品 | 10,000 | 通信費 | 10,000 |
よって当期の「通信費」は、前期の未使用額¥25,000と当期の購入額などからなる¥115,000の合計から当期の未使用額¥10,000を差し引いた¥130,000となります。
通信費
前期の未使用額 (前T/B「貯蔵品」) ¥25,000 |
当期の未使用額 (後T/B「通信費」) ∴¥130,000 |
当期の購入額など (前T/B「通信費」) ¥115,000 |
|
当期の未使用額 (後T/B「貯蔵品」) ¥10,000 |
決算整理事項等8
すでに経過している188日分の利息は当期に属する収益となるため、これを未収利息(資産)として見越計上します。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
未収利息 | 18,800 | 受取利息 | 18,800 |
繰越利益剰余金
当期純利益の繰越利益剰余金への振り替えは後TB作成後の決算振替において行われます。したがって、繰越利益剰余金の金額は前TBと後TBとで同じになります。
受験科目 | 【第3回】3級模擬試験 |
かかった時間 | |
得点 |

※説明も兼ねて本来より少し多めに書いています。
集計漏れや二重計上がないように、解答の記入が終わったら科目や金額の横にチェック(✓)を付けておきましょう。