第1問

配点:3点×15問=45点

問題番号の背景色:青が正解、赤が不正解

下記の取引の仕訳を示しなさい。ただし、勘定科目はプルダウンの中から最も適当と思われるものを選び、選択すること。なお、商品売買取引は3分法によることとし、消費税については問題中に指示がある場合のみ考慮すること。

あなたの解答

1 先日、現金の帳簿残高と実際有高を照合したところ、実際有高が¥3,800だけ超過していたので、これを現金過不足としてしたが、決算にあたり、この超過分のうち¥3,200は受取利息の記帳漏れであることが判明した。残額については原因が判明しなかったため、雑損または雑益に振り替える。
借方科目金額貸方科目金額

解答・解説

借方金額貸方金額
現金過不足3,800受取利息3,200
雑益600

過不足判明時には次のような仕訳をしています。「実際有高が¥3,800だけ超過していた」ということは、帳簿の金額が¥3,800少ないということなので、実際の金額に修正するために「現金」を増やします。

借方金額貸方金額
現金3,800現金過不足3,800
過不足判明時の仕訳

決算時の仕訳は次のように行います。

①まず、貸方の現金過不足¥3,800をゼロにするため、借方にこれを記入します。現金過不足勘定は決算において、その全額が他の勘定へ振り替えられるため、残高はゼロとなります。

②次に、原因が判明したものを記入します。「¥3,200は受取利息の記帳漏れ」なので、受取利息(収益)¥3,200を貸方に記入します。

③最後に、貸借の差額で雑損または雑益を計算します。本問では貸方に差額が出るので収益の「雑益」となります。

あなたの解答

2 売掛金¥165,000を現金で回収したときに、誤って貸借を逆に仕訳していたため、これを修正する。
借方科目金額貸方科目金額

解答・解説

借方金額貸方金額
現金330,000売掛金330,000

頭の中でイメージしにくい人は、次のように考えていくといいでしょう。

①誤った仕訳の逆仕訳をして、誤った仕訳を取り消す

実際には次のような仕訳(誤った仕訳)を行っています。

借方金額貸方金額
売掛金165,000現金165,000
実際に行った仕訳(誤った仕訳)

この逆仕訳をして、誤った仕訳を取り消します。

借方金額貸方金額
現金165,000売掛金165,000

②正しい仕訳(あるべき仕訳)を行う

借方金額貸方金額
現金165,000売掛金165,000

③2つの仕訳を合算

①と②の仕訳を合算したものが解答の訂正仕訳となります。

あなたの解答

3 得意先に対する売掛金¥150,000のうち、¥80,000は郵便為替証書で受け取り、残額は同社振出の小切手で受け取った。
借方科目金額貸方科目金額

解答・解説

借方金額貸方金額
現金150,000売掛金150,000

郵便為替証書と他社振出小切手はともに通貨代用証券に当たるため、現金で処理をします。

あなたの解答

4 仕入先に対する買掛金¥230,000について、同社の承諾を受けたうえで、取引銀行を通じて電子記録債務の発生記録を行った。
借方科目金額貸方科目金額

解答・解説

借方金額貸方金額
買掛金230,000電子記録債務230,000

「買掛金」が「電子記録債務」に変わったので、買掛金を減少させ、電子記録債務(負債)を増加させます。

あなたの解答

5 定期預金¥500,000が満期となり、元本と利息の¥10,000を普通預金口座に振り替えた。
借方科目金額貸方科目金額

解答・解説

借方金額貸方金額
普通預金510,000定期預金500,000
受取利息10,000

定期預金¥500,000を普通預金へ振り替えるため、まずこれを減少させます。利息の¥10,000は「受取利息」(収益)とし、定期預金の元本と利息の合計(貸方合計)を普通預金とします。

あなたの解答

6 買掛金¥300,000の支払いのため、約束手形を振り出して仕入先に郵送し、郵送代金の¥300は現金で支払った。
借方科目金額貸方科目金額

解答・解説

借方金額貸方金額
買掛金300,000支払手形300,000
通信費300現金300

約束手形を振り出したときは「支払手形」(負債)で処理します。また、郵送代金は「通信費」(費用)とします。

あなたの解答

7 得意先へ商品¥500,000を販売し、送料¥3,000を加えた合計額を掛けとした。また同時に、配送会社へ商品を引き渡し、送料¥3,000は後日支払うこととした。
借方科目金額貸方科目金額

解答・解説

借方金額貸方金額
売掛金503,000売上503,000
発送費3,000未払金3,000

相手から受け取る対価の額を「売上」とし、指示にある通り送料を加えた合計額を「売掛金」として処理します。

注意

発送費の未払いは、商品代金の未払いではないので「買掛金」ではなく「未払金」を使います。

あなたの解答

8

取引銀行のインターネットバンキングサービスから普通預金口座の入出金明細を参照したところ、次のとおりであった。5月25日の仕訳を示しなさい。なお、5月25日の給与振込額は、所得税の源泉徴収額¥50,000を差し引いた額である。

借方科目金額貸方科目金額

解答・解説

借方金額貸方金額
給料704,000普通預金655,000
支払手数料1,000所得税預り金50,000

所得税の源泉徴収額は会社が一時的に預かるお金なので「所得税預り金」(負債)で処理します。

また、「給料」の金額は支給額の総額となります。すなわち、入出金明細における給与振込の金額に所得税の源泉徴収額を加算したものが給料の金額です。

わかりにくい人は、次のように仕訳を2つに分解すると理解しやすいかもしれません。

①給与の支払いに関する仕訳

借方金額貸方金額
給料704,000普通預金654,000
所得税預り金50,000

②振込手数料に関する仕訳

借方金額貸方金額
支払手数料1,000普通預金1,000

あなたの解答

9 備品の減価償却(間接法で記帳)は、毎月¥4,000を概算額として4月から2月までの月次決算で計上しているが、減価償却費の年間確定額¥50,000との差額を年次決算において計上する。なお、当社の決算日は×5年3月31日である。
借方科目金額貸方科目金額

解答・解説

借方金額貸方金額
減価償却費6,000備品減価償却累計額6,000

4月から2月までの月次決算で計上している減価償却費は¥44,000(=¥4,000×11か月)です。年間の確定額が¥50,000なので、両者の差額を決算月において計上します。

減価償却費の計算

年間確定額¥50,000ー概算額累計¥44,000

¥6,000

あなたの解答

10 取引先の甲商事から¥800,000を現金で借り入れ、借用証書の代わりに同額の約束手形を振り出した。なお、借入期間は3か月、利息(年利率1.2%)は返済時に支払うこととした。
借方科目金額貸方科目金額

解答・解説

借方金額貸方金額
現金800,000手形借入金800,000

借用証書の代わりに手形を振り出して借り入れた場合は「手形借入金」(負債)で処理します。

MEMO

「利息は返済時に支払う」とあるため、借入時に利息を計上する必要はありません。

あなたの解答

11 商品¥200,000(税抜)を売り上げ、消費税¥20,000を含めた合計額のうち¥120,000は現金で受け取り、残額は共通商品券を受け取った。なお、消費税は税抜方式で記帳する。
借方科目金額貸方科目金額

解答・解説

借方金額貸方金額
現金120,000売上200,000
受取商品券100,000仮受消費税20,000

消費税は税抜方式で記帳するため、「売上」は税抜きの金額で計上し、受け取った消費税は「仮受消費税」(負債)とします。

また、受け取った商品券は「受取商品券」で処理します。

あなたの解答

12 商品¥123,000を注文し、その手付金として¥30,000の小切手を振り出して渡した。
借方科目金額貸方科目金額

解答・解説

借方金額貸方金額
前払金30,000当座預金30,000

手付金を支払った時は「前払金」(資産)で処理します。

MEMO

後日、商品を受け取ったときに、この前払金を取り崩して仕入を計上します。

あなたの解答

13 A社に対する売掛金¥100,000と買掛金¥350,000の決済日となり、A社の承諾を得たうえで両者を相殺処理し、買掛金の超過分は小切手を振り出して支払った。
借方科目金額貸方科目金額

解答・解説

借方金額貸方金額
買掛金350,000売掛金100,000
当座預金250,000

売掛金と買掛金を相殺処理するため、まずこの両者を減少させ、貸借差額を当座預金から支払うことになります。

MEMO

小切手を振り出したときは「当座預金」の減少となります。

あなたの解答

14 従業員が営業用のICカードから旅費交通費¥5,000および消耗品費¥1,000を支払った。なお、当社ではチャージ(入金)をした時に仮払金として処理し、使用時に適切な勘定に振り替える処理をしている。
借方科目金額貸方科目金額

解答・解説

借方金額貸方金額
旅費交通費5,000仮払金6,000
消耗品費1,000

ICカードにチャージ(入金)をした時には次のような仕訳をしています。

借方金額貸方金額
仮払金×××現金×××
チャージ(入金)時の仕訳

使用時には、支払った金額を「仮払金」から「旅費交通費」と「消耗品費」へ振り替えます。

あなたの解答

15

乙商事株式会社と株式会社甲商店は主たる営業活動として果物の販売を行っており、それぞれ商品発送時に売上、商品受取時に仕入を計上している。そこで次の証ひょうにもとづき、甲商店が代金を振り込んだ時の甲商店側の仕訳を示しなさい。なお、振込手数料は甲商店負担とする。

借方科目金額貸方科目金額

解答・解説

借方金額貸方金額
買掛金20,000当座預金20,200
支払手数料200

当座勘定照合表を見ると、甲商店は当座預金口座から代金を振り込んでいるので、当座預金勘定の減少として処理します。また、振込手数料は甲商店が負担するので、これを「支払手数料」(費用)で処理します。

注意

振込先は乙商事の普通預金口座ですが、甲商店は当座預金口座から代金を振り込んでいるという点に注意しましょう。

第2問

(1)以下の資料に基づいて解答欄の勘定に記入しなさい。当期(×8年度)の会計期間は×8年4月1日から×9年3月31日の1年間である。ただし、勘定記入に用いる勘定科目等に関しては、プルダウンから最も適当であると思われるものを選び、選択すること。

【資料】法人税、住民税及び事業税に関する取引

<×8年3月31日> ×7年度の決算において、法人税、住民税及び事業税¥300,000を計上した。この全額を未払法人税等として処理している。
<×8年5月20日> 確定申告を行い、法人税、住民税及び事業税¥300,000を現金で納付した。
<×8年11月20日> 中間申告を行い、法人税、住民税及び事業税¥150,000を現金で納付した。
<×9年3月31日> ×8年度の決算において、税引前当期純利益の30%を法人税、住民税及び事業税として計上した。

【解答上の留意事項】

・出題の便宜上、売上以外の収益は「その他の収益」、仕入および法人税等以外の費用は「その他の費用」としてまとめて表示している。
・日付は採点対象としないため、空欄のままでもよい。

あなたの解答

法人税、住民税及び事業税

仮払法人税等

未払法人税等

損益

×9.3/31 仕入 5,600,000 ×9.3/31 売上9,000,000
その他の費用 2,300,000 その他の収益600,000
9,600,000 9,600,000

青が正解、赤が不正解

※摘要欄と金額の両方合っていれば正解

解答・解説

法人税、住民税及び事業税

×9年3/31諸口510,000×9年3/31損益510,000

仮払法人税等

×8年11/20現金150,000×9年3/31法人税、住民税及び事業税150,000

未払法人税等

×8年5/20現金300,000×8年4/1前期繰越300,000
×9年3/31次期繰越360,000×9年3/31法人税、住民税及び事業税360,000
660,000660,000

損益

×9.3/31仕入5,600,000×9.3/31売上9,000,000
その他の費用2,300,000その他の収益600,000
法人税、住民税及び事業税510,000
繰越利益剰余金1,190,000
9,600,0009,600,000

配点:2点×5箇所=10点


前年度(×8年3月31日)の仕訳

借方金額貸方金額
法人税、住民税及び事業税300,000未払法人税等300,000

前年度に計上した未払法人税等(負債)は当期に繰り越され、法人税等を納付したときにこれを減少させます。

法人税等を納付したとき(×8年5月20日)

借方金額貸方金額
未払法人税等300,000現金300,000

中間納付をしたとき(×8年11月20日)

借方金額貸方金額
仮払法人税等150,000現金150,000

中間納付をしたときは、納付した金額をいったん仮払法人税等(資産)に計上しておきます。

法人税等の計上(×9年3月31日)

まず損益勘定より、税引前当期純利益を計算します。

税引前当期純利益の計算

収益(¥9,000,000+¥600,000)ー費用(¥5,600,000+¥2,300,000)

¥1,700,000

税引前当期純利益に30%を掛けたものを「法人税、住民税及び事業税」とし、「仮払法人税等」との差額を「未払法人税等」とします。

法人税等の計算

税引前当期純利益¥1,700,000×30%

¥510,000

借方金額貸方金額
法人税、住民税及び事業税510,000仮払法人税等150,000
未払法人税等360,000
注意

中間納付した仮払法人税等を取り崩すことを忘れないように注意してください。

決算振替(×9年3月31日)

収益を損益勘定の貸方へ、費用を損益勘定の借方へ振り替えます。

借方金額貸方金額
売上9,000,000損益9,600,000
その他の収益600,000
損益8,410,000仕入5,600,000
その他の費用2,300,000
法人税、住民税及び事業税510,000

最後に、当期純利益(税引後)を「繰越利益剰余金」(純資産)へ振り替えます。

借方金額貸方金額
損益1,190,000繰越利益剰余金1,190,000

(2)当社(3伝票制を採用)の5月1日における伝票は次のとおりであった。これにもとづいて仕訳日計表を作成し、総勘定元帳(買掛金勘定)および売掛金元帳(甲社)の諸勘定に転記しなさい。ただし、摘要欄の記入項目に関しては、プルダウンから最も適当であると思われるものを選び、選択すること。

あなたの解答

仕訳日計表

×3年5月1日

41

借方 元丁 勘定科目 元丁 貸方
現金
当座預金
受取手形
売掛金
支払手形
16 買掛金 16
売上
仕入
給料

総勘定元帳

買掛金

16

日付 摘要 仕丁 借方 貸方 借又は貸 残高
5月1日 前月繰越 210,000 210,000

売掛金元帳

甲社

1

日付 摘要 仕丁 借方 貸方 借又は貸 残高
5月1日 前月繰越 130,000 130,000

青が正解、赤が不正解

解答・解説

仕訳日計表

×3年5月1日

41

借方元丁勘定科目元丁貸方
520,000現金455,000
当座預金100,000
45,000受取手形
55,000売掛金355,000
105,000支払手形50,000
140,00016買掛金1660,000
売上165,000
140,000仕入
180,000給料
1,185,0001,185,000

総勘定元帳

買掛金

16

日付摘要仕丁借方貸方借又は貸残高
5月1日前月繰越210,000210,000
仕訳日計表4160,000270,000
仕訳日計表140,000130,000

売掛金元帳

甲社

1

日付摘要仕丁借方貸方借又は貸残高
5月1日前月繰越130,000130,000
振替伝票30355,000185,000
入金伝票101150,00035,000

配点:2点×5箇所=10点


仕訳日計表の作成問題の基本的な解き方としては、伝票の記入から1つずつ仕訳を起こしていきます。量は多くなりますが、それぞれの仕訳自体はとても簡単なので、面倒くさがらずに丁寧に仕訳をしていきましょう。

仕訳

入金伝票

借方科目金額貸方科目金額伝票番号
現金520,000売掛金(甲)150,000101
売上110,000102
売掛金(乙)160,000103
当座預金100,000104
MEMO

入金伝票は借方がすべて現金なので最後にまとめて書くと時間が節約できます。

出金伝票

伝票番号借方科目金額貸方科目金額
201仕入80,000現金455,000
202買掛金90,000
203給料180,000
204支払手形105,000
MEMO

出金伝票は貸方がすべて現金勘定なので最後にまとめて書くと時間が節約できます。

振替伝票

伝票番号借方科目金額貸方科目金額
301仕入60,000買掛金60,000
302受取手形45,000売掛金(乙)45,000
303売掛金(甲)55,000売上55,000
304買掛金50,000支払手形50,000

仕訳日計表の作成

次に仕訳日計表を作成します。上で行った仕訳の勘定科目を丁寧に集計していってください。借方の合計金額は仕訳日計表の借方に、貸方の合計金額は仕訳日計表の貸方に記入します。

MEMO

集計・記入が終わった科目にチェック(✓)を付けておくと、集計漏れや2重計上を防げます。

総勘定元帳および売掛金元帳への転記

総勘定元帳へは仕訳日計表から合計転記します。また、摘要欄には「仕訳日計表」と記入し、仕丁欄には仕訳日計表のページ数を記入します。一方、売掛金元帳へは各伝票から個別転記します。摘要欄には伝票の種類を記入し、仕丁欄には伝票番号を記入します。

MEMO

記入の順番に決まりはありませんが、通常は残高がマイナスにならないように記入していきます。

第3問

次の資料にもとづいて、決算整理前残高試算表を完成しなさい。なお、会計期間はx11年4月1日からx12年3月31日までの1年間である。

あなたの解答

決算整理前残高試算表

借方 勘定科目 貸方
現金
当座預金
受取手形
売掛金
繰越商品
仮払消費税
建物
備品
買掛金
借入金
仮受消費税 340,000
貸倒引当金
建物減価償却累計額
備品減価償却累計額
資本金 1,000,000
繰越利益剰余金
売上
受取手数料
その他の収益 250,000
仕入
租税公課
支払利息
1,211,000 その他の費用

[決算整理事項等]

  1. 決算にあたり、現金の帳簿残高と実際有高の差額の原因を調査したが判明しなかったため、両者の差額を雑損または雑益に振り替える。
  2. 当座預金口座が当座借越¥150,000の状態となっているため、適切な勘定へ振り替える。なお、当社では当座借越勘定を用いていない。
  3. 受取手形及び売掛金の期末残高に対して?%の貸倒引当金を差額補充法により設定する。
  4. 期首商品棚卸高は¥320,000、期末商品棚卸高は¥?であった。
  5. 減価償却は次のとおり行う。
    ・建物:定額法、耐用年数:20年、残存価額:取得原価の10%、取得日:x1年4月1日
    ・備品:定額法、耐用年数:8年、残存価額:ゼロ、取得日:x4年4月1日
    ・備品については当年度において当初予定していた耐用年数をむかえるが、来年度以降も使用し続ける予定である。そこで、備忘価額1円を貸借対照表に記載する。
    ・建物、備品ともに取得日から事業の用に供している。
  6. 消費税の処理を税抜方式によって行う。
  7. 収入印紙の未使用額が¥3,000ある。なお、当社では購入時に費用として処理している。
  8. 手数料の未収分が¥5,000ある。

損益計算書

x11年4月1日からx12年3月31日まで

売上原価2,220,000売上( ? )
租税公課14,000受取手数料20,000
貸倒引当金繰入9,000その他の収益250,000
減価償却費( ? )
雑損24,000
支払利息18,000
その他の費用1,211,000
当期純利益86,501
( ? )( ? )

貸借対照表

x12年3月31日

現金430,000買掛金500,000
受取手形360,000借入金325,000
貸倒引当金10,800349,200未払消費税120,000
売掛金440,000資本金1,000,000
貸倒引当金13,200426,800繰越利益剰余金326,501
商品300,000
貯蔵品3,000
未収収益5,000
建物1,500,000
減価償却累計額( ? )( ? )
備品160,000
減価償却累計額( ? )( ? )
2,271,5012,271,501

解答・解説

決算整理前残高試算表

借方勘定科目貸方
454,000現金
当座預金150,000
360,000受取手形
440,000売掛金
320,000繰越商品
220,000仮払消費税
1,500,000建物
160,000備品
買掛金500,000
借入金175,000
仮受消費税340,000
貸倒引当金15,000
建物減価償却累計額675,000
備品減価償却累計額140,000
資本金1,000,000
繰越利益剰余金240,000
売上3,400,000
受取手数料15,000
その他の収益250,000
2,200,000仕入
17,000租税公課
18,000支払利息
1,211,000その他の費用
6,900,0006,900,000

配点: 2点 ×1箇所 + 3点×11箇所=35点


損益計算書および貸借対照表からさかのぼって、決算整理前残高試算表を作成する逆進問題です。日商簿記試験でこのような逆進問題が出題される可能性は低いと思いますが、決算についての理解を深めるためにぜひチャレンジしてください。

決算整理事項等1

損益計算書に「雑損¥24,000」があることから、帳簿残高が実際有高よりも¥24,000多かったことが分かります。そこで、帳簿残高を減少させるための仕訳が必要となります。

借方金額貸方金額
雑損24,000現金24,000
前T/Bの「現金」

前T/B「現金」ー¥24,000=B/S「現金」¥430,000

前T/B「現金」=¥454,000

決算整理事項等2

当座預金口座が当座借越(貸方残高)の状態となっているため、これを「借入金」へ振り替えます。

借方金額貸方金額
当座預金150,000借入金150,000
前T/Bの「借入金」

前T/B「借入金」+¥150,000=B/S「借入金」¥325,000

前T/B「借入金」=¥175,000

決算整理事項等3

損益計算書に「貸倒引当金繰入¥9,000」があることから、この金額だけ貸倒引当金が増加します。

借方金額貸方金額
貸倒引当金繰入9,000貸倒引当金9,000
前T/Bの「貸倒引当金」

前T/B「貸倒引当金」+¥9,000=B/S「貸倒引当金」(¥10,800+¥13,200)

前T/B「貸倒引当金」=¥15,000

なお、貸倒引当金の貸借対照表上の表示は次のように一括で控除する形などもあります。どのように表示するかは資料などから判断してください。

受取手形360,000
売掛金440,000
貸倒引当金△ 24,000776,000

決算整理事項等4

期末商品棚卸高は貸借対照表の「商品」から¥300,000とわかります。

期首商品棚卸高(前T/Bの金額)¥320,000を「繰越商品」から「仕入」に振り替えて、期末商品棚卸高¥300,000を「仕入」から「繰越商品」に振り替えます。

借方金額貸方金額
仕入320,000繰越商品320,000
繰越商品300,000仕入300,000

この仕訳後の「仕入」が売上原価を表します。売上原価の金額は損益計算書より¥2,220,000とわかるので、差額で当期商品仕入高(前T/Bの「仕入」)¥2,200,000を求めます。

仕入

期首商品棚卸高
¥320,000
売上原価
(P/L「売上原価」)
¥2,220,000
当期商品仕入高
(前T/B「仕入」)
∴¥2,200,000
期末商品棚卸高
¥300,000

決算整理事項等5

決算整理前残高試算表の減価償却累計額

建物

建物は取得日(使用開始日)から前年度までに10年が経過しているので、前期までの10年分の減価償却費が前T/Bの「建物減価償却累計額」となります。

・減価償却費(1年分):¥1,500,000×0.9÷20年=¥67,500

・前T/Bの「建物減価償却累計額」:¥67,500×10年=¥675,000

備品

備品は取得日(使用開始日)から前年度までに7年が経過しているので、前期までの7年分の減価償却費が前T/Bの「備品減価償却累計額」となります。

・減価償却費(1年分):¥160,000÷8年=¥20,000

・前T/Bの「備品減価償却累計額」:¥20,000×7年=¥140,000

決算整理仕訳

借方金額貸方金額
減価償却費87,499建物減価償却累計額67,500
備品減価償却累計額19,999
備品減価償却費の計算

¥160,000÷8年=¥20,000

¥20,000ー¥1(備忘価額)¥19,999

注意

備品の減価償却費を¥20,000計上すると帳簿価額が¥0となってしまいます。そこで、備忘価額1円を差し引いた金額を当年度の減価償却費とします。なお、翌年度以降は減価償却を行いません。

よって、有形固定資産に関する貸借対照表の表示は次のようになります。

建物1,500,000
減価償却累計額△ 742,500757,500
備品160,000
減価償却累計額△ 159,9991

なお、減価償却累計額の貸借対照表上の表示は次のように一括で控除する形などもあります。どのように表示するかは資料などから判断してください。

建物1,500,000
備品160,000
減価償却累計額△ 902,499757,501

決算整理事項等6

仮払消費税と仮受消費税を相殺し、両者の差額を未払消費税(負債)とします。仮受消費税は前T/Bより¥340,000、未払消費税はB/Sより¥120,000と判明します。

借方金額貸方金額
仮受消費税340,000仮払消費税
未払消費税120,000

貸借の差額で、前T/Bの「仮払消費税」は¥220,000であることが分かります。

決算整理事項等7

収入印紙は「租税公課」(費用)で処理します。決算において、収入印紙の未使用額を租税公課から貯蔵品(資産)へ振り替えます。

借方金額貸方金額
貯蔵品3,000租税公課3,000
前T/Bの「租税公課」

前T/B「租税公課」ー¥3,000=P/L「租税公課」¥14,000

前T/B「租税公課」=¥17,000

決算整理事項等8

手数料の未収分を見越計上し、これを「未収手数料」(資産)として処理します。

借方金額貸方金額
未収手数料5,000受取手数料5,000
前T/Bの「受取手数料」

前T/B「受取手数料」+¥5,000=P/L「受取手数料」¥20,000

前T/B「受取手数料」=¥15,000

MEMO

未収手数料は貸借対照表上「未収収益」として表示します。

繰越利益剰余金

前T/Bの繰越利益剰余金に当期純利益を加算したものが貸借対照表の繰越利益剰余金となります。

前T/Bの「繰越利益剰余金」

前T/B「繰越利益剰余金」+P/L「当期純利益」¥86,501=B/S「繰越利益剰余金」¥326,501

前T/B「繰越利益剰余金」=¥240,000

売上

売上の金額は損益計算書の貸借差額によって計算します。

受験科目【第4回】3級模擬試験
かかった時間
得点

管理人の下書用紙(クリックで拡大)

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※説明も兼ねて本来より少し多めに書いています。

集計漏れや二重計上がないように、解答の記入が終わったら科目や金額の横にチェック(✓)を付けておきましょう。

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