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日商簿記3級の傾向と対策

日商簿記3級の傾向と対策

【注意】出題形式等の変更について

第158回(2021年6月実施)試験より試験時間や出題形式などが大幅に変更されます(試験範囲に変更はありません)。

したがって、このページで紹介している第157回以前の内容に関しましては参考としてご覧ください。

なお、新たな試験形式については以下のページをご覧ください。

ネット試験(CBT試験)および新試験方式(統一試験)についてネット試験(CBT試験)、新試験方式(統一試験)、試験範囲の改定等について

日商簿記3級の出題内容と配点

問題 出題内容 配点
第1問 仕訳問題×5問 20点
第2問 帳簿問題・勘定分析(勘定記入や勘定読取)が中心 10点
第3問 ほぼ試算表作成問題・たまに財務諸表作成問題 30点
第4問 伝票会計・仕訳問題・勘定記入が中心、近年では理論的な文章問題(穴埋めや正誤問題など)も 8点
第5問 精算表もしくは財務諸表の作成問題 32点

日商簿記3級では、毎年同じような問題が何度も繰り返し出題されています。特に3級は試験範囲がそれほど広くないのでこの傾向が顕著です。したがって、テキストや問題集だけでなく、過去問を解くことが試験の傾向や時間配分などを知る上で重要になってきます。

また第3問や第5問のような総合問題の場合、いきなり電卓を叩き始めるのではなく、まず問題と解答用紙にざっと目を通してください。そして、どのような下書用紙を書いていくのか、どの順番で処理していくのかなどの解答までのプロセスを頭に思い浮かべてから解いていくようにしましょう。

第1問の傾向と対策

第1問は毎回仕訳問題が5問出題されています。

「仕訳を制する者は簿記を制する」と言われるように、仕訳は、帳簿記入・勘定記入にせよ、試算表・精算表・財務諸表の作成問題にせよ、伝票会計にせよ、すべてにおいて基本となってきます。したがって、仕訳を速く正確にできるようになるということは、第1問だけでなく試験そのものに合格できるかどうかの鍵となってきます。

基本的な仕訳については第3問で問われるので、第1問では少し応用的な仕訳問題が出題されることもあります。なお、第1問では使用する勘定科目が与えられますので、必ずその中から選ぶようにしてください

第2問の傾向と対策

主な出題内容

実施回 主な出題内容
156回 当期純損失の振替仕訳と繰越利益剰余金勘定の記入問題
154回 補助簿から取引を読み取る問題
153回 経過勘定の再振替仕訳、決算整理仕訳とその勘定への転記
152回 補助簿の選択問題
151回 総勘定元帳の買掛金勘定と、補助元帳である買掛金元帳との関係を適切に理解しているかを問う問題
150回 補助簿の選択を中心とした基本的な問題
149回 経過勘定項目に関する勘定記入問題
148回 資本金と純資産の理解を問う問題
147回 資料から商品有高帳を作成し、純売上高、売上原価および売上総利益を求める問題
146回 補助簿の選択(各取引がどの補助簿に記入されるのかを問う出題)

基本的な対策

第2問は帳簿に関する問題と勘定分析(勘定記入や勘定読取)に関する問題が中心となっています。

帳簿に関する問題は帳簿に記入させるというよりも、帳簿の記入などから仕訳を導くというパターンやある仕訳がどの補助簿に記入されるのか(あるいは記入されないのか)ということを問う問題が多いようです。

ただし、商品有高帳については実際に記入させる問題が定期的に出題されているので、記入方法も合わせてしっかりとマスターする必要があります。特に商品有高帳の締切り方(次月繰越や前月繰越の記入方法)については、穴になりやすいところなので注意してください。

また、受験される方の中には勘定記入を苦手としている人が多いようで、試験委員もそのことはよく知っています。したがって、勘定記入や勘定分析の問題についても頻出です。

特に摘要欄の記入方法(「諸口」と記入する場合など)については注意が必要です。また、仕訳・勘定記入・帳簿記入の関係性もしっかりと把握しておきましょう。

第3問の傾向と対策

主な出題内容

実施回 主な出題内容
156回 複数の企業に対する売掛金と買掛金の処理を中心とした合計試算表および売掛金明細書、買掛金明細書の作成を求める問題
154回 複数の銀行口座と電子記録債権・債務を含んだ残高試算表作成問題
153回 取引を集計して残高試算表を作成する問題
152回 8月末の残高試算表に9月の取引を合算して、9月末の残高試算表を作成する問題
151回 合計残高試算表を作成する問題
150回 1ヶ月分の取引に関する資料から残高試算表を作成する問題
149回 合計残高試算表を作成する問題
148回 前月末の残高試算表と当月の取引資料から、当月末の残高試算表を作成する問題
147回 1か月分の取引を集計して残高試算表を作成する問題
146回 合計残高試算表、売掛金明細表および買掛金明細表の作成

基本的な対策

試算表の作成などを通じて、基本的な期中取引が出題されます。試算表には合計試算表・残高試算表・合計残高試算表があるのでそれぞれの特徴をしっかりと把握しておいてください。

また試算表作成問題や財務諸表作成問題は、問題量や記入する箇所が多くなりがちなので、時間配分には十分注意してください。

ただし試算表の作成といっても、結局は仕訳問題の集合です。取引量が多い分、難易度は抑えられていることが多いので、基本的な仕訳をいかに早く正確にできるかが突破のカギとなってきます。焦ってケアレスミスをしないようにしましょう。

第4問の傾向と対策

主な出題内容

実施回 主な出題内容
156回 補助簿の選択、伝票の記入、月次決算における減価償却費の計算に関する総合問題
154回 簿記に関連する基本的な専門用語の問題
153回 商品有高帳に関する問題
152回 伝票に関する出題(全額を掛取引として起票する方法と取引を分解して起票する方法・伝票の名称)
151回 商品有高帳に関する問題
150回 基本的な伝票の起票を問う問題
149回 簿記に関する基本的な知識を問う空欄補充、用語選択の問題
148回 入金伝票、出金伝票、振替伝票から仕訳日計表を作成する問題
147回 支払手数料勘定と前払手数料勘定の勘定記入
146回 3伝票制における伝票記入の仕方を問う問題

基本的な対策

第4問は、3級の問題の中では比較的バラエティーに富んでますが、総合的に見ると、勘定記入に関する問題や伝票会計に関する問題が多いようです。

何度も言っているように、どんなパターンの問題が出題されたとしてもすべての基本となるのは仕訳です。パターンを覚えることよりも、まずは仕訳をしっかりとできるようにしておくことが肝要です。

また近年では、簿記に関する基本的な知識を文章で問うような理論的な問題も出題されています。このような問題の場合、機械的に仕訳を覚えるような勉強方法では通用しません。しっかりと丁寧にテキストを読み込んで理解することが大切です。

第5問の傾向と対策

主な出題内容

実施回 主な出題内容
156回 決算整理後残高試算表の作成問題
154回 決算整理前残高試算表および決算整理事項等にもとづいて、貸借対照表および損益計算書を作成する問題
153回 精算表の作成と、それに付随する問題
152回 決算整理前残高試算表から、決算整理等を経て財務諸表を作成する問題
151回 財務諸表の作成に関する問題
150回 精算表の作成から決算整理を問う問題
149回 貸借対照表および損益計算書を作成する問題
148回 財務諸表の作成
147回 精算表の作成
146回 財務諸表の作成

基本的な対策

上の表をご覧いただければお分かりのとおり、第5問は精算表か財務諸表の作成問題のどちらかが出題されます。精算表や財務諸表の作成問題は決算整理事項に関する問題と言い換えることもできます。

決算整理事項は出題される論点が毎回ほぼ決まっています。例えば、売上原価の計算、貸倒引当金の設定、固定資産の減価償却、経過勘定の処理の4つは、必ず出題されると思ってもらっても構いません。したがって、これらの論点に関しては完璧にマスターしておく必要があります。

また、精算表の問題では修正記入欄だけでなく損益計算書欄および貸借対照表欄まですべて記入してはじめて点数がもらえるという配点もあります。その場合、せっかく修正記入欄へ正確に記入しても損益計算書欄および貸借対照表欄への記入を忘れたために点数がもらえないということも考えられます。

したがって、修正記入欄に記入したら損益計算書欄および貸借対照表欄まで、必ず横一列をすべて記入するようにしてください。

また、記入するべき場所の間違いなどのケアレスミスを起こしやすいのも精算表作成問題の特徴なので、その点についても注意が必要です。