次回の日商簿記試験(第163回)は2023年2月26日です

日商簿記(3級と2級)の傾向と対策

配点と出題内容

3級

問題 出題内容 配点
第1問 仕訳問題×15問 45点
第2問 帳簿(伝票)問題・勘定分析(勘定記入や勘定読取)・理論的な文章問題(穴埋めや正誤問題など)が中心 20点
第3問 決算に関する問題(試算表や財務諸表の作成問題) 35点

2級

2級では、第1問・第2問・第3問が商業簿記からの出題、第4問と第5問が工業簿記(原価計算)からの出題となります。

問題 出題内容 配点
第1問 仕訳問題×5問 20点
第2問 連結会計、勘定分析、株主資本等変動計算書、空欄補充などの問題が中心 20点
第3問 個別決算(試算表や財務諸表の作成問題、本支店合併財務諸表の作成問題など)、本支店会計などが中心 20点
第4問 (1)仕訳×3問
(2)工業簿記のうち、勘定記入や損益計算書の作成など帳簿記入の問題が中心
28点
第5問 工業簿記のうち、計算面(差異分析、CVP分析、直接原価計算)の問題が中心 12点

日商簿記検定四つのコンセプト

日商簿記検定では、以下の4点を主なコンセプトとしています。

1.日々の学習の成果、到達度を測る

本検定試験は学習の成果・到達度を測る試験であり、日々の学習の成果が試験結果に反映される出題内容としています。

2.スピードと正確性を求める

ビジネスの現場では時間管理は不可欠です。そのため本試験では、スピードと正確性を求める出題内容としています。特に、会計処理で必ず必要な仕訳については、速く確実に行うことを重要視しています。

3.出題範囲すべての学習を求める

試験対策(例えば、過去問だけに頼った学習など)にとどまらない真の簿記学習を奨励します。したがって試験範囲すべての理解度を問うことにし、出題範囲から標準的な問題をランダムに出題しています。ヤマを張った学習では対応できませんので、ご注意ください。

4.1級まで継続した学習を奨励する

初級から1級までステップ・バイ・ステップで上位級をめざせる出題内容としています。

日商簿記試験の傾向

2021年度から実施が始まった新試験制度について管理人が考える傾向は次のとおりです。

今まで以上に正確性とスピードが求められる

試験時間は従来の120分から3級は60分、2級は90分と大幅に減少したにもかかわらず、問題のボリューム自体はそれほど減っていません。これにより、今まで以上に正確性とスピードが求められることとなります。

「見たことのない問題」が増える

2021年度の試験から試験問題の漏洩を防ぐため、問題および計算用紙が試験終了時に回収されることになりました。また、試験問題をwebサイトや動画、SNSなどで公開することはできなくなりました。

注意

試験問題を掲示板やSNSなどへ投稿することは禁止されています。最悪の場合、合格が取り消されることもありますので絶対にやめましょう。

そのため、以前のような過去問のパターン学習や暗記に頼った学習が通用しなくなり、また試験内容もより実践的となることが予想されます。

取引の形態は無数にあるので、(試験範囲という縛りはありますが)問題のパターンもまた無数にあると言っても過言ではありません。問題集などでそのすべてに対応するのは不可能であることから、受験者にとっては見たことのない初見の問題が増えることが予想されます。

日商簿記試験の対策

練習量を増やす

「簿記は習うより慣れろ」という言葉があります。いくらテキストでインプット学習をしても問題を解かなければ簿記の習得は難しいでしょう。

正確性とスピードを上げるためには問題を解く量を増やすしかありません。テキストを眺めているだけでなく、自分の手を動かして電卓をたたき、仕訳を書き、記帳を行うことが正確性とスピードを上げるためには必要不可欠です。

理解することに重点を置く

先ほど申しあげたとおり、新試験制度では「見たことのない問題」が増えることが予想されます。その結果、従来のような過去問のパターン学習や暗記に頼った機械的な仕訳などの手法は通用しなくなるでしょう。

新試験に対応するためには、しっかりとテキストを読み込み、「なぜこのような処理(仕訳)・計算をするのか?」という理論(理屈)をしっかりと理解することが重要になります。

実務ではテキストに載っているような典型的な取引が発生することの方がむしろまれであり、テキストなどでは見たことのない多種多様な取引が日々発生します。そのような「見たことのない取引」について、どのように処理をするのかを考え、判断するための拠り所となるのが”理論”なのです。

簿記に限らず資格というのはただ持っているだけでは意味がありません。その知識を実際に活かすことができてこそ真の価値があるのだと思います。資格の取得は目的ではなく手段に過ぎないということをもう一度再確認してください。