いぬぼきhttps://inuboki.com簿記3級2級の無料講座・問題集Sat, 25 Mar 2023 10:42:58 +0000jahourly1https://inuboki.com/wp/wp-content/uploads/2021/01/cropped-icon-32x32.pngいぬぼきhttps://inuboki.com3232 理論対策編③~建設業経理士2級用~https://inuboki.com/kensetugyoukeirisi-2q/riron3/Sat, 25 Mar 2023 10:42:56 +0000https://inuboki.com/?p=17819

計算目的別分類とは、原価計算をどのような目的のために行っているかによる分類であり、①取得原価、②製造原価(工事原価)、③販売費及び一般管理費に分類できます。 発生形態別分類とは、原価がどのような形態または特性で発生するか ... ]]>

原価の基礎的分類

1.計算目的別分類(参考)

計算目的別分類とは、原価計算をどのような目的のために行っているかによる分類であり、①取得原価、②製造原価(工事原価)、③販売費及び一般管理費に分類できます。

2.発生形態別分類

発生形態別分類とは、原価がどのような形態または特性で発生するかによる分類です。一般的な製造業では、①材料費、②労務費、③経費という3つの分類(3分類法)によりますが、建設業では外注依存度が高いといった理由から外注費と経費を区別して、①材料費、②労務費、③外注費、④経費という4つの分類(4分類法)とします。

製造業と建設業の発生形態別分類

3.作業機能別分類

原価がどのような機能のために発生したかによる分類で、計算目的別・発生形態別に分類した原価をさらに細かく分類したものです。

①材料費・・・主要材料費、修繕材料費、試験研究材料費など

②労務費・・・直接作業工賃金、監督者給料、事務員給料など

③経費(例:電力料)・・・動力用電力料、照明用電力料、修繕用電力料など

④販売費及び一般管理費・・・広告宣伝費、出荷運送費、倉庫費など

MEMO

このほかに建設業独特の分類として、原価を工事種類(工種)別に区分することがあります。

4.計算対象との関連性分類

計算対象との関連性分類とは、原価が複数の工事に関して直接的に認識されるかどうかによる分類です。

工事直接費(現場個別費):特定の工事に関して直接的に認識される原価。つまり、特定の工事に直接賦課できる原価です。

工事間接費(現場共通費):特定の工事に関して直接的に認識されない原価。つまり、複数の工事に共通的に発生する原価です。

5.操業度との関連性分類

操業度との関連性分類とは、操業度(生産設備の利用度合いや工事進捗度など)の変化に応じて、原価がどのように反応するかによる分類です。

①変動費:操業度の増減に応じて、比例的に増減する原価。作れば作るほど増加するような原価です。

②固定費:操業度の増減に関わらず、一定額が発生する原価。どれだけ作っても変化しない減価です。

6.発生源泉別分類(参考)

①アクティビティ・コスト(業務活動費):生産や販売の活動を行うことによって発生する原価。操業度との関連から言えば変動費です。

②キャパシティ・コスト(経営能力費):人的組織や物的設備など、生産販売を行うための能力(キャパシティ)を保有することによって生じる原価(例:賃金給料・減価償却費など)。操業度との関連から言えば固定費です。

7.管理可能性分類(参考)

①管理可能費:原価の発生が一定の管理者によって管理できる原価。

②管理不能費:原価の発生が一定の管理者によって管理できない原価。

MEMO

管理可能性分類は絶対的なものではなく、下級管理者にとっては管理不能費でも、上級管理者にとっては管理可能費となる場合もあります。

原価計算の種類

1.事前原価計算と事後原価計算

①事前原価計算:工事原価の測定を請負工事の前に実施し、予算作成を中心とする原価計算。

②事後原価計算:工事の進行中もしくは終了後に実施し、実際工事原価の測定(財務諸表の作成)を目的とする原価計算。

2.総原価計算と工事原価計算

①総原価計算:工事原価の計算に営業費(販売費及び一般管理費)の計算までを含めて行う原価計算。

②工事原価計算:工事原価(工事直接費と工事間接費)だけで行う原価計算。

3.形態別原価計算と機能別原価計算(工種別原価計算)

①形態別原価計算:原価を発生形態別(材料費・労務費・外注費・経費)に把握しようとする原価計算。事後の財務諸表作成に役立てる。

②機能別原価計算(工種別原価計算):原価を作業機能別(主要材料費、修繕材料費など)に把握しようとする原価計算。事前の積算・実行予算の作成に役立てる。

4.個別原価計算と総合原価計算

①個別原価計算:生産指図書によって費消した原価を把握しようとする原価計算方法。受注個別生産型の企業(建設業など)に適している方法です。

②総合原価計算:一定期間に発生した原価をその期間中の生産量で割って、製品の単位あたり原価を把握しようとする原価計算方法。見込大量生産型の企業(一般的な製造業)に適した方法です。

【参考】原価計算の目的

「原価計算基準」において、原価計算の目的として次の5つを挙げています。

①財務諸表作成目的

企業の出資者、債権者、経営者等のために、過去の一定期間における損益ならびに期末における財政状態を財務諸表に表示するために必要な真実の原価を集計すること。

②価格計算目的

価格計算に必要な原価資料を提供すること。

MEMO

ここでいう価格計算目的とは、政府が民間から物資を調達するための価格形成のための機能を意味します。企業の価格政策のための原価計算は利益計画の一部に含まれる問題として基準には含まれません。

③原価管理目的

経営管理者の各階層に対して、原価管理に必要な原価資料を提供すること。

④予算管理目的

予算の編成ならびに予算統制のために必要な原価資料を提供すること。

⑤基本計画設定目的

経営の基本計画を設定するに当たり、これに必要な原価情報を提供すること。

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理論対策編②~建設業経理士2級用~https://inuboki.com/kensetugyoukeirisi-2q/riron2/Sat, 25 Mar 2023 10:01:40 +0000https://inuboki.com/?p=17815

原価計算制度において、原価性を有しないとされている項目を非原価項目といい、次のようなものがあります。 (1)経営目的に関連しないもの ①未稼働の固定資産、長期にわたり休止している設備、その他経営目的に関連しない資産などに ... ]]>

非原価項目

原価計算制度において、原価性を有しないとされている項目を非原価項目といい、次のようなものがあります。

(1)経営目的に関連しないもの

①未稼働の固定資産、長期にわたり休止している設備、その他経営目的に関連しない資産などに関する減価償却費等

②寄付金など経営目的に関連しない支出項目

③支払利息などの財務費用

④有価証券の評価損や売却損

(2)異常な状態を原因とする価値の減少

①異常な仕損、減損、棚卸減耗等

②火災や風水害などの偶発的事故による損失

③予測しえない陳腐化等によって固定資産に著しい原価を生じた場合の臨時償却費

④延滞金、違約金、罰課金、損害賠償金

⑤偶発債務損失

⑥訴訟費

⑦臨時多額の退職手当

⑧固定資産売却損及び除却損

⑨異常な貸倒損失

(3)税法上特に認められている損金算入項目

(4)その他の利益剰余金に課する項目

原価の種類

原価は集計対象により、プロダクト・コストとピリオド・コストに分類することができます。

プロダクト・コスト(製造原価)

プロダクト・コストとは、一定の生産物(建設業では工事)ごとに集計される原価をいい、建設業では工事原価を意味します。

ピリオド・コスト(期間費用)

ピリオド・コストとは、一定期間の収益に対応させて、その期間の費用として集計される原価をいい、販売費及び一般管理費があります。

工事原価・期間費用・非原価項目の関係

工事原価・期間費用(販売費及び一般管理費)・非原価項目の関係をまとめると下の図のようになります。販売費及び一般管理費も原価(総原価)に含まれるということに注意してください。

工事原価の分類

したがって、この図の総原価に含まれないものが非原価項目となります。

MEMO

試験では、ある支出が工事原価・期間費用・非原価項目のどれに該当するかという形で出題されます。

その際は非原価項目に該当するものを除いて、「現場」や「工事」といった言葉があるものは工事原価、「本社」や「営業目的」などの言葉があるものは販売費及び一般管理費(期間費用)と判断すればおおよそは大丈夫だと思います。

※ただし一部例外もあるので、ケースバイケースで考えてください。

営業費の分類

営業費(販売費及び一般管理費)は次のように3つに区分することができます。

①注文獲得費

注文獲得費とは、注文(受注)を獲得するために要した費用をいい、企画調査・市場調査・広告宣伝・プロモーションなどに要する費用があります。

②注文履行費

注文履行費とは、獲得した注文を履行(実行)するために要した費用をいい、物流費・アフターサービス費用・掛代金などの集金関係費用・倉庫費用などがあります。

MEMO

注文を獲得するまでにかかった費用が注文獲得費で、注文を獲得した後にかかる費用が注文履行費というイメージです。

③全般管理費

全般管理費とは、企業活動全般の維持・管理のための費用をいいます。総務部や経理部などにおける費用などがありますが、全般管理費は多様で非定型的なものが多いため、注文獲得費と注文履行費以外のものが全般管理費になるという感じで理解しておくのがいいかと思います。

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理論対策編①~建設業経理士2級用~https://inuboki.com/kensetugyoukeirisi-2q/riron1/Sat, 25 Mar 2023 09:40:52 +0000https://inuboki.com/?p=17809

理論対策については、試験の直前に理論対策編の内容を2~3回ざっと目を通す程度で構いません。そのとき、太字で書いている言葉を意識しながら読んでください。 なお、建設業経理士検定では主に「原価計算基準」にもとづいた理論問題が ... ]]>

理論対策の勉強の仕方

ボキタロー
ボキタロー

建設業経理士検定って、理論の勉強もしないといけないんだ。なんか難しそう。。。

SHIBUYA
SHIBUYA

確かに理論問題は出題されますが、2級では選択肢の中から選べばいいだけなので、がっつり暗記する必要はないんです。

ボキタロー
ボキタロー

そうなんだ。少し安心。選択肢の中から選べる程度に理解しておけばいいんだね。

SHIBUYA
SHIBUYA

そのとおりです。理論は勉強しだすときりがないうえに配点も高くないので試験勉強上、理論対策に多くの時間を費やすのはあまり賢い勉強方法とは言えません。

ボキタロー
ボキタロー

勉強に時間がかかる上に配点が高くないんだ。確かにコスパが悪いや。

SHIBUYA
SHIBUYA

理論問題は4問出題されますが、そのうち半分できればOKです。仮にすべてできなかったとしても、それ以外の基本的な問題がしっかりとできていれば十分に合格できます。なので、直前期までは仕訳や計算の勉強に時間を使ってください。

理論対策については、試験の直前に理論対策編の内容を2~3回ざっと目を通す程度で構いません。そのとき、太字で書いている言葉を意識しながら読んでください。

なお、建設業経理士検定では主に「原価計算基準」にもとづいた理論問題が出題されます。

MEMO

原価計算基準」とは、昭和37年に公表されたわが国における原価計算の実践規範です。

原価計算制度と特殊原価調査

原価計算は大きく原価計算制度(狭義の原価計算)と特殊原価調査に分類されます。

原価計算制度

原価計算制度とは、財務会計機構と有機的に結びつき常時継続的に行われる計算体系である。

原価計算制度は、財務会計機構(複式簿記)と結びつき、財務諸表を作成するために常時継続的に行われます。要するに、工業簿記によって財務諸表を作成するために行う原価計算のことです。

MEMO

例えば、工事原価算定のために工事間接費を各工事に配賦したり、部門共通費を各部門に配賦して工事原価を集計したり、施行中の工事に関して期末に総工事原価を算定したり、といったことが挙げられます。

特殊原価調査

特殊原価調査とは、財務会計機構のらち外において随時断片的に行われる原価の統計的、技術的計算ないし調査である。

特殊原価調査は、意思決定のために必要に応じて随時断片的に行われるもので、帳簿に記録されることはありません(財務会計機構(複式簿記)のらち外)。

MEMO

例えば、自社で行っている作業を外注したほうがいいかどうかの意思決定資料や検討資料を作成したり、建設機械を買い替えたほうがいいかどうかを判断するための経済計算をしたり、といったことが挙げられます。

原価の本質

「原価計算基準」では、原価計算制度における原価の本質を次の4つにまとめています。

①原価は経済価値の消費である

取得する際に経済的対価(お金など)を必要とする価値の犠牲のみが原価計算の対象となります。したがって、経済価値を有しないもの(空気や海水など)をいくら消費しても原価にはなりません。

②原価は経営において作り出された一定の給付に転嫁される価値である

給付とは、経営活動によって作り出された財貨(製品・半製品・仕掛品など)を意味し、それらの給付にかかわらせて把握されたものが原価となります。

③原価は経営目的に関連したものである

経営目的とは、一定の財貨を生産し販売することを意味します。したがって、経営目的以外(資金調達活動や剰余金の処分など)に関する価値の消費は原価に含めません。

④原価は正常的なものである

異常な状態を原因とする価値の減少や偶発的・臨時的な価値の喪失は原価には含めません。

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【練習問題】本支店会計に関する計算問題②~建設業経理士2級用~https://inuboki.com/kensetugyoukeirisi-2q/sm-honsiten2/Thu, 23 Mar 2023 15:25:59 +0000https://inuboki.com/?p=17684

次の(①)~(④)に入る正しい金額を計算しなさい。 【問1】本店における支店勘定は期首に¥168,000の借方残高であった。期中に、本店から支店に備品¥141,000を発送し、支店から本店¥69,000の送金があり、支店 ... ]]>

問題

次の(①)~(④)に入る正しい金額を計算しなさい。

【問1】本店における支店勘定は期首に¥168,000の借方残高であった。期中に、本店から支店に備品¥141,000を発送し、支店から本店¥69,000の送金があり、支店が負担すべき交際費¥36,000を本店が立替払いしたとすれば、本店の支店勘定は期末に¥(①)の借方残高となる。

【問2】当社では、支店の固定資産については本店の管理下に置き、本店でまとめて記録している。支店は自店で使用する目的で乗用車を購入し、その代金¥100,000は小切手を振り出して支払った。また、この乗用車に係る減価償却費¥20,000は本店で計算し、支店の負担とした。本店における支店勘定が¥160,000の借方残高であるとき、この取引後の支店勘定は¥(②)の借方残高となる。

【問3】本店における札幌支店勘定は¥200,000の借方残高、福岡支店勘定は¥350,000の借方残高であった。その後、福岡支店が札幌支店の従業員の出張旅費¥50,000を現金で立替払いし、本店は福岡支店のための借入金の支払利息¥38,000を福岡支店の負担とした(本店ではすでに支払記録済み)。このとき、支店相互間の取引を本店集中計算制度で処理していれば、本店における福岡支店勘定の残高は¥(③)である。

【問4】決算における本店の支店勘定残高は¥72,500(借方)、支店の本店勘定残高は¥(④)(貸方)であった。決算にあたり、以下の未達事項が判明した。

  1. 本店は、支店の得意先の完成工事未収入金¥11,250を回収したが、その連絡が支店に未達である。
  2. 支店から本店に送金した¥6,250は未達である。
  3. 本店は、支店の負担すべき旅費¥5,250および交際費¥4,500を立替払いしたが、その連絡が支店に未達である。
  4. 本店から支店に発送した材料¥8,750が未達である。




解答

①276,000

②80,000

③338,000

④59,000

解説

【問1】

解答上、支店側の仕訳まで考える必要はありませんが参考のために書いておきます。

本店から支店への備品の発送

借方科目金額貸方科目金額
本店支店141,000備品141,000
支店備品141,000本店141,000

支店から本店への送金

借方科目金額貸方科目金額
本店現金69,000支店69,000
支店本店69,000現金69,000

支店の費用の立替

借方科目金額貸方科目金額
本店支店36,000現金36,000
支店交際費36,000本店36,000

【問2】

乗用車の購入

借方科目金額貸方科目金額
本店車両100,000支店100,000
支店本店100,000当座預金100,000

支店の固定資産は本店の管理下に置いているので、本店の帳簿上で固定資産を記録します。

減価償却費の計上

1.まず、本店において減価償却費を計上します。

借方科目金額貸方科目金額
減価償却費20,000車両減価償却累計額20,000

2.次に、この減価償却費を支店の費用として付け替えます。

借方科目金額貸方科目金額
本店支店20,000減価償却費20,000
支店減価償却費20,000本店20,000

【問3】

出張旅費の立替え

借方科目金額貸方科目金額
福岡本店50,000現金50,000
札幌旅費交通費50,000本店50,000
本店札幌支店50,000福岡支店50,000

本店集中計算制度では、支店相互間の取引でも本店と支店との間の取引と仮定して処理します。本店の仕訳は次のように分解して考えると分かりやすいと思います。

【福岡支店が本店に現金を送付したと仮定】

借方科目金額貸方科目金額
現金50,000福岡支店50,000

【本店が札幌支店の費用を立て替えたと仮定】

借方科目金額貸方科目金額
札幌支店50,000現金50,000

支払利息の立替え

借方科目金額貸方科目金額
福岡支払利息38,000本店38,000
本店福岡支店38,000現金38,000

【問4】

本支店間の取引(または支店間の取引)において、連絡の遅れなどの理由により、一方が処理済みで、もう一方が未処理となるような取引を未達取引といいます。

決算において未達取引がある場合は、まだ処理を行っていない側(連絡が届いていない側)が連絡が届いたものとして処理を行う必要があります。

1.の取引は「連絡が支店に未達」(支店側で未処理)なので、支店側で仕訳が必要となります。

借方科目金額貸方科目金額
本店11,250完成工事未収入金11,250

2.の取引は「本店に未達」(本店側で未処理)なので、本店側で仕訳が必要となります。

借方科目金額貸方科目金額
現金6,250支店6,250

3.の取引は「連絡が支店に未達」(支店側で未処理)なので、支店側で仕訳が必要となります。

借方科目金額貸方科目金額
旅費交通費5,250本店9,750
交際費4,500

4.の取引は「連絡が支店に未達」(支店側で未処理)なので、支店側で仕訳が必要となります。

借方科目金額貸方科目金額
材料8,750本店8,750

本来、照合勘定である本店勘定と支店勘定は貸借を逆にして一致するものですが、未達取引がある場合はこの金額だけ差異が生じることになります。

MEMO

したがって、未達取引を適正に処理した後の本店勘定と支店勘定は貸借を逆にして一致します。

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【練習問題】本支店会計に関する計算問題①~建設業経理士2級用~https://inuboki.com/kensetugyoukeirisi-2q/sm-honsiten1/Thu, 23 Mar 2023 15:24:48 +0000https://inuboki.com/?p=17682

次の(①)~(③)に入る正しい金額を計算しなさい。 【問1】本社は、材料について原価に3%の利益を加算した金額で支店に振替を行っており、支店は材料をすべて本社から仕入れている。支店の期末時点における完成工事原価に含まれて ... ]]>

問題

次の(①)~(③)に入る正しい金額を計算しなさい。

【問1】本社は、材料について原価に3%の利益を加算した金額で支店に振替を行っており、支店は材料をすべて本社から仕入れている。支店の期末時点における完成工事原価に含まれている材料費は¥309,000、未成工事支出金に含まれている材料費は¥154,500、未使用の材料は¥25,750であった。このとき、期末において控除される内部利益は¥(①)である。

【問2】本社は、材料について原価に5%の利益を加算した金額で支店に振替を行っている。支店の期末時点における未成工事支出金に含まれている材料費は¥510,000(うち本社仕入分¥168,000)、未使用の材料は¥116,000(うち本社仕入分¥42,000)であった。このとき、期末において控除される内部利益は¥(②)である。

【問3】本社は、利益率5%で材料¥238,000(振替価額)を支店に送付した。この材料がすべて未使用のまま支店に残っている場合、期末において控除される内部利益は¥(③)である。




解答

①14,250

②10,000

③11,900

解説

支店が有している材料のうち、本店から仕入れた材料に含まれている内部利益は、財務諸表の作成に際して控除する必要があります。

支店の期末材料だけでなく、未成工事支出金や完成工事原価に含まれている材料費(本社仕入分)にも内部利益が含まれていることに注意してください。

【問1】

振替価額合計(¥309,000+¥154,500+¥25,750)×0.03/1.03=¥14,250

振替価額を1.03で割って原価に戻し、その原価に0.03(3%)をかけて内部利益を算定します。

【参考】仕訳は次のようになります。

借方科目金額貸方科目金額
内部利益控除14,250材料750
未成工事支出金4,500
完成工事原価9,000

材料:¥25,750×0.03/1.03=¥750

未成工事支出金:¥154,500×0.03/1.03=¥4,500

完成工事原価:¥309,000×0.03/1.03=¥9,000

【問2】

振替価額合計(¥168,000+¥42,000)×0.05/1.05=¥10,000

振替価額を1.05で割って原価に戻し、その原価に0.05(5%)をかけて内部利益を算定します。

【参考】仕訳は次のようになります。

借方科目金額貸方科目金額
内部利益控除10,000材料2,000
未成工事支出金8,000

材料:本社仕入分¥42,000×0.05/1.05=¥2,000

未成工事支出金:本社仕入分¥168,000×0.05/1.05=¥8,000

注意!

内部利益が含まれているのは本社から仕入れた材料(本社仕入分)のみです。

【問3】

利益率とは売価(振替価額)に対する利益の割合(売価を100%としたときの利益の割合)のことです。あまり試験では出題されませんが、参考程度に押さえておくと安心です。

振替価額合計¥238,000×0.05=¥11,900

MEMO

【問1】と【問2】は原価に対する利益の割合(原価を100%としたときの利益の割合)を意味しています。なお、原価に対する利益の割合のことを付加利益率またはマークアップ率といいます。

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【練習問題】仮払金・仮受金等に関する仕訳問題~建設業経理士2級用~https://inuboki.com/kensetugyoukeirisi-2q/sm-sonota2/Wed, 22 Mar 2023 15:20:11 +0000https://inuboki.com/?p=17704

次の資料にもとづいて、決算において必要となる仕訳を答えなさい。ただし、使用する勘定科目は次の中から最も適切なものを選ぶこと。なお、工事原価は未成工事支出金を経由して処理する方法によっている。 現金 完成工事未収入金 未成 ... ]]>

問題

次の資料にもとづいて、決算において必要となる仕訳を答えなさい。ただし、使用する勘定科目は次の中から最も適切なものを選ぶこと。なお、工事原価は未成工事支出金を経由して処理する方法によっている。

現金完成工事未収入金未成工事支出金従業員立替金
仮払金前払費用工事未払金未成工事受入金
未払金仮受金未払法人税等旅費交通費
支払保険料法人税、住民税及び事業税償却債権取立益完成工事補償引当金

【資料】

(1)仮払金の期末残高¥103,500は、以下の内容であることが判明した。

  1. ¥6,000は保険料の1年分であり、うち8か月分は前払いである。
  2. ¥8,500は過年度の完成工事に関する補修費である。なお、この補修に関する完成工事補償引当金の残高は¥12,000である。
  3. 管理部門従業員の出張旅費の仮払いが¥5,000あり、精算の結果、実費との差額¥1,000を従業員が立て替えていた。
  4. ¥2,000は従業員の安全靴購入代金の立替分である。
  5. ¥82,000は法人税等の中間納付額である。

(2)仮受金の期末残高¥110,300は、以下の内容であることが判明した。

  1. ¥40,000は前期に完成した工事の未収代金の回収分であることが判明した。
  2. ¥35,000は期末で施工中の工事に関する中間金である。
  3. ¥8,300は現場で発生したスクラップの売却代金である。
  4. ¥27,000は過年度において貸倒損失として処理した完成工事未収入金の現金回収額である。

(3)完成工事に係る仮設撤去費の未払分¥35,000を計上する。

(4)当期の法人税、住民税及び事業税として¥160,000を計上する。




解答

(1)仮払金

借方科目金額貸方科目金額
1支払保険料2,000仮払金6,000
前払費用4,000
2完成工事補償引当金8,500仮払金8,500
3旅費交通費6,000仮払金5,000
未払金1,000
4従業員立替金2,000仮払金2,000

5.の法人税の中間納付額は(4)を参照してください。

(2)仮受金

借方科目金額貸方科目金額
1仮受金40,000完成工事未収入金40,000
2仮受金35,000未成工事受入金35,000
3仮受金8,300未成工事支出金8,300
4仮受金27,000償却債権取立益27,000

(3)仮設撤去費

借方科目金額貸方科目金額
未成工事支出金35,000工事未払金35,000

(4)法人税、住民税及び事業税

借方科目金額貸方科目金額
法人税、住民税及び事業税160,000仮払金82,000
未払法人税等78,000

解説

(1)仮払金

支払い時において、処理すべき科目や金額が不明な場合にはその金額を仮払金で処理しておきます。したがって、期中には次のような仕訳をしています(全額をまとめて処理しています)。

借方科目金額貸方科目金額
仮払金103,500現金預金103,500

仮払金は科目や金額が判明したときに、それぞれ適切な科目へ振り替えます。

1.保険料のうち、当期分(4か月分)の¥2,000(=¥6,000×4か月/12か月)は支払保険料(費用)とし、前払分(8か月分)は前払費用(資産)として翌期に繰り越します。

2.過年度の完成工事に関する補修について、完成工事補償引当金が設定されている場合はそれを取り崩します。

3.従業員が立て替えていた金額はあとで従業員に支払うので、これを未払金とします。

なお、仮払額が過大だったというパターンもよく出題されるので確認しておいてください。仮払額が¥5,000、実費との差額¥1,000を従業員から現金で受け取った場合の仕訳は次のようになります。

借方科目金額貸方科目金額
旅費交通費4,000仮払金5,000
現金1,000

4.「従業員の立替分」ということは、本来従業員が負担すべき金額を当社が立て替えて支払っている(あとで返してもらえる)ということなので、これを従業員立替金(資産)とします。

(2)仮受金

受取り時において、処理すべき科目や金額が不明な場合にはその金額を仮受金で処理しておきます。したがって、期中には次のような仕訳をしています(全額をまとめて処理しています)。

借方科目金額貸方科目金額
現金預金110,300仮受金110,300

仮受金は科目や金額が判明したときに、それぞれ適切な科目へ振り替えます。

1.完成した工事の未収代金は完成工事未収入金で処理をします。完成工事未収入金を回収したのでこれを減額します。

2.工事に関する中間金や着手金などの前受金は未成工事受入金で処理をします。

3.工事現場で発生したスクラップなどの売却代金は、工事原価(未成工事支出金)から減額します。

MEMO

売却代金は収益とするのではなく、その金額だけ工事原価を節約できたと考えて工事原価から控除します。

4.過年度に貸し倒れとして処理した債権を当期に回収した場合は償却債権取立益で処理します。

(3)仮設撤去費

工事が完成すると撤去され、別の工事現場で使用されるような仮設物(仮設建物や足場など)の撤去のために要する費用を仮設撤去費といいます。

仮設撤去費は工事原価(未成工事支出金)となります。また、仮設撤去費の未払分を決算において見越計上する場合は、この未払額を工事未払金とします。

(4)法人税等

法人税等の計上額と中間納付額(仮払金)との差額を未払法人税等とします。

MEMO

本来、法人税等の中間納付額は「仮払法人税等」としますが、仮払金から仮払法人税等へ振り替え、仮払法人税等を取り崩すということはせずに直接仮払金を減額します

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【練習問題】経過勘定項目に関する計算問題~建設業経理士2級用~https://inuboki.com/kensetugyoukeirisi-2q/sm-sonota1/Wed, 22 Mar 2023 14:46:14 +0000https://inuboki.com/?p=17702

次の(①)~(④)に入る正しい金額を計算しなさい。 【問1】前払利息の期首残高が¥90,000で、当期における利息の支払額が¥(①)であるとき、当期の損益計算書に記載された支払利息が¥512,000であれば、当期末の貸借 ... ]]>

問題

次の(①)~(④)に入る正しい金額を計算しなさい。

【問1】前払利息の期首残高が¥90,000で、当期における利息の支払額が¥(①)であるとき、当期の損益計算書に記載された支払利息が¥512,000であれば、当期末の貸借対照表に記載される前払利息は¥147,600となる。

【問2】未払利息の期首残高が¥130,000で、当期における利息の支払額が¥538,400、当期の損益計算書に記載された支払利息が¥(②)であれば、当期末の貸借対照表に記載される未払利息は¥241,600となる。

【問3】前受利息の期首残高が¥82,000で、当期における利息の受取額が¥398,300、当期の損益計算書に記載された受取利息が¥385,000であれば、当期末の貸借対照表に記載される前受利息は¥(③)となる。

【問4】未収利息の期首残高が¥(④)で、当期における利息の受取額が¥557,550、当期の損益計算書に記載された受取利息が¥577,500であれば、当期末の貸借対照表に記載される未収利息は¥142,950となる。




解答

①569,600

②650,000

③95,300

④123,000

解説

【問1】

【参考】前期末

借方科目金額貸方科目金額
前払利息90,000支払利息90,000

期首(再振替)

借方科目金額貸方科目金額
支払利息90,000前払利息90,000

期中(支払額)

借方科目金額貸方科目金額
支払利息現金預金

期末(費用の繰り延べ)

借方科目金額貸方科目金額
前払利息147,600支払利息147,600

期首(再振替)¥90,000+期中(支払額)¥(①)ー期末(前払額)¥147,600=P/L支払利息¥512,000

①=569,600

【問2】

【参考】前期末

借方科目金額貸方科目金額
支払利息130,000未払利息130,000

期首(再振替)

借方科目金額貸方科目金額
未払利息130,000支払利息130,000

期中(支払額)

借方科目金額貸方科目金額
支払利息538,400現金預金538,400

期末(費用の見越し)

借方科目金額貸方科目金額
支払利息241,600未払利息241,600

期首(再振替)△¥130,000+期中(支払額)¥538,400+期末(未払額)¥241,600=P/L支払利息¥(②)

②=650,000

【問3】

【参考】前期末

借方科目金額貸方科目金額
受取利息82,000前受利息82,000

期首(再振替)

借方科目金額貸方科目金額
前受利息82,000受取利息82,000

期中(受取額)

借方科目金額貸方科目金額
現金預金398,300受取利息398,300

期末(収益の繰り延べ)

借方科目金額貸方科目金額
受取利息前受利息

期首(再振替)¥82,000+期中(受取額)¥398,300ー期末(前受額)¥(③)=P/L受取利息¥385,000

③=95,300

【問4】

【参考】前期末

借方科目金額貸方科目金額
未収利息受取利息

期首(再振替)

借方科目金額貸方科目金額
受取利息未収利息

期中(受取額)

借方科目金額貸方科目金額
現金預金557,550受取利息557,550

期末(収益の見越し)

借方科目金額貸方科目金額
未収利息142,950受取利息142,950

期首(再振替)△¥(④)+期中(受取額)¥557,550+期末(未収額)¥142,950=P/L受取利息¥577,500

④=123,000

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【練習問題】純資産会計等に関する計算問題~建設業経理士2級用~https://inuboki.com/kensetugyoukeirisi-2q/sm-junsisan2/Tue, 21 Mar 2023 10:24:25 +0000https://inuboki.com/?p=17665

次の(①)~(④)に入る正しい金額を計算しなさい。 【問1】会社設立にあたり、株式3,000株を1株当たり¥500で発行した。会社法の規定する最低額を資本に組み入れた場合、資本金の額は¥(①)である。 【問2】会社設立に ... ]]>

問題

次の(①)~(④)に入る正しい金額を計算しなさい。

【問1】会社設立にあたり、株式3,000株を1株当たり¥500で発行した。会社法の規定する最低額を資本に組み入れた場合、資本金の額は¥(①)である。

【問2】会社設立にあたり、授権株式数を5,000株とし、1株当たりの払込金額を¥1,000とした。発行株式数は会社法が定める必要最低限とし、全額を資本金に組み入れた場合、資本金の額は¥(②)である。

【問3】期末において資本金¥500,000、資本準備金¥75,000、利益準備金¥40,000である場合において、利益剰余金を財源として株主配当金を¥125,000支払うこととした場合、利益準備金繰入額は¥(③)となる。

【問4】Z社を¥1,000,000で買収した。Z社の諸資産は¥1,450,000で、諸負債は¥550,000であった。この取引により発生したのれんについて、会計基準が定める最長期間で償却した場合の1年分の償却額は¥(④)である。




解答

①750,000

②1,250,000

③10,000

④5,000

解説

【問1】の取引

借方科目金額貸方科目金額
現金預金1,500,000資本金750,000
資本準備金750,000

・払込金額:株式3,000株×@¥500=¥1,500,000

資本金の組入れ額は、原則として払込金額の全額を資本金とします。ただし会社法では、最大で払込金額の2分の1までを資本金としないことができるとされています。

MEMO

つまり、最低でも払込金額の2分の1は資本金としなければならないということです。なお、資本金組入れ額について指示がない場合は原則処理(全額を資本金)となります。

【問2】の取引

借方科目金額貸方科目金額
現金預金1,250,000資本金1,250,000

・発行株式数1,250株(=授権株式数5,000株×1/4)×@¥1,000=¥1,250,000

会社設立時における会社法が定める発行株式数の最低限度は発行可能株式総数(授権株式数)の4分の1です。

【参考】授権資本制度

株式会社では、定款【ていかん】(その会社のルールブックみたいなもの)で定めた発行可能株式総数(授権株式数)の範囲内で自由に株式を発行することができるという制度を授権資本制度(または授権株式制度)といいます。

従来は資本金を増加させるのに株主総会の決議が必要でしたが、機動的な資金調達を可能とするため、定められた範囲内であれば取締役会の決議で(株主総会の決議なしで)株式を発行できることになっています。

しかし、株式の乱発によって既存株主が不利益(株価の下落や持株比率の低下など)を被る可能性があります。

そこで、既存株主を保護するために授権株式数を発行済株式総数の4倍を超えて増加することはできないとされています(4倍ルール)。

MEMO

例えば授権株式数を「400兆株」と決めてしまえば、実質的に際限なく取締役会の決議のみで株式を発行できることになってしまいます。しかし、4倍ルールによって「最低でも授権株式数の4分の1(100兆株)は発行しておかないといけない」ということになります。

このように、「授権株式数は実際に発行している株式数の4倍まで」という規制によって株式の乱発を防止しているわけです。

このような関係で、会社設立時における発行株式数は発行可能株式総数(授権株式数)の4分の1以上であることが要請されています。

【問3】の取引

借方科目金額貸方科目金額
繰越利益剰余金135,000未払配当金125,000
利益準備金10,000

利益剰余金の配当にあたっては、資本準備金と利益準備金の合計が資本金の4分の1に達するまで、配当金の10分の1を利益準備金として積み立てます。

したがって、次の(1)と(2)のいずれか小さい方が利益準備金の積立額となります。

(1)配当金×1/10

(2)資本金×1/4ー(資本準備金+利益準備金)

(1)配当金¥125,000×1/10=¥12,500

(2)資本金¥500,000×1/4ー(資本準備金¥75,000+利益準備金¥40,000)=¥10,000

→(1)>(2)

∴利益準備金の積立額:(2)¥10,000

【問4】の取引

借方科目金額貸方科目金額
諸資産1,450,000諸負債550,000
のれん100,000現金預金1,000,000
借方科目金額貸方科目金額
のれん償却費5,000のれん5,000

計上したのれんは20年以内に定額法(残存価額ゼロ、直接法)によって償却します。

¥100,00×1年/20年=¥5,000

MEMO

日商簿記では償却期間が書かれていることが多いですが、建設業経理士検定では本問のような形で出題されることが多いので、会計基準が定める最長期間(20年)は覚えておく必要があります

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【練習問題】純資産会計等に関する仕訳問題~建設業経理士2級用~https://inuboki.com/kensetugyoukeirisi-2q/sm-junsisan1/Tue, 21 Mar 2023 10:06:37 +0000https://inuboki.com/?p=17653

次の仕訳を示しなさい。ただし、使用する勘定科目は次の中から最も適切なものを選ぶこと。 現金 当座預金 別段預金 のれん 未払配当金 資本金 新株式申込証拠金 資本準備金 利益準備金 繰越利益剰余金 のれん償却費 ①1株当 ... ]]>

問題

次の仕訳を示しなさい。ただし、使用する勘定科目は次の中から最も適切なものを選ぶこと。

現金当座預金別段預金のれん
未払配当金資本金新株式申込証拠金資本準備金
利益準備金繰越利益剰余金のれん償却費

①1株当たりの払込金額¥500で600株発行することとし、払込期日までに全額が取扱銀行に払い込まれた。

②取締役会の決議により、資本準備金¥500,000を資本金に組み入れ、株式1,000株を株主に無償交付した。

③株主総会において、利益剰余金を財源として株主配当金を¥600,000支払うこととした。純資産の内訳は、資本金¥2,000,000、資本準備金¥300,000、利益準備金¥100,000、繰越利益剰余金¥5,000,000である。

④当期首にA社を買収した際に発生したのれん¥1,000,000について、会計基準が定める最長期間で償却する。




解答

借方科目金額貸方科目金額
別段預金300,000新株式申込証拠金300,000
資本準備金500,000資本金500,000
繰越利益剰余金660,000未払配当金600,000
利益準備金60,000
のれん償却費50,000のれん50,000

解説

①の取引

払い込まれた金額は払込期日まで(株主が確定するまで)の間、申込者から一時的に預かっているにすぎないので、通常の預金とは区別して「別段預金」とします。

また、払い込まれた金額は株主が確定するまで資本金とならないので、資本金とは区別して「新株式申込証拠金」(純資産)で処理します。

MEMO

日商簿記では「株式申込証拠金」とする場合が多いですが、建設業経理士検定では「株式申込証拠金」とする場合が多くなっています。

②の取引

資本金が増加するので、この取引は増資となります。しかし、資本準備金(純資産)から資本金(純資産)への振替であり、株式は無償で交付しているので純資産の部の金額に変動はありません

MEMO

このような純資産の増加を伴わない増資のことを形式的増資といいます。

③の取引

利益剰余金の配当にあたっては、資本準備金と利益準備金の合計が資本金の4分の1に達するまで、配当金の10分の1を利益準備金として積み立てます。

したがって、次の(1)と(2)のいずれか小さい方が利益準備金の積立額となります。

(1)配当金×1/10

(2)資本金×1/4ー(資本準備金+利益準備金)

(1)配当金¥600,000×1/10=¥60,000

(2)資本金¥2,000,000×1/4ー(資本準備金¥300,000+利益準備金¥100,000)=¥100,000

→(1)<(2)

∴利益準備金の積立額:(1)¥60,000

④の取引

計上したのれんは20年以内に定額法(残存価額ゼロ、直接法)によって償却します。

¥1,000,00×1年/20年=¥50,000

MEMO

日商簿記では償却期間が書かれていることが多いですが、建設業経理士検定では本問のような形で出題されることが多いので、会計基準が定める最長期間(20年)は覚えておく必要があります

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【練習問題】引当金・税金に関する計算問題~建設業経理士2級用~https://inuboki.com/kensetugyoukeirisi-2q/sm-hikiatezeikin3/Sun, 19 Mar 2023 14:19:35 +0000https://inuboki.com/?p=17566

次の(①)~(⑥)に入る正しい金額を計算しなさい。 【問1】前期末に貸倒引当金¥50,000が設定されていた。当期に、前期の完成工事高に係る完成工事未収入金¥28,000と当期の完成工事高に係る完成工事未収入金¥20,0 ... ]]>

問題

次の(①)~(⑥)に入る正しい金額を計算しなさい。

【問1】前期末に貸倒引当金¥50,000が設定されていた。当期に、前期の完成工事高に係る完成工事未収入金¥28,000と当期の完成工事高に係る完成工事未収入金¥20,000が貸し倒れとなった。当期末の売上債権残高¥3,500,000に対して1%の貸し倒れが見積もられるとき、差額補充法で処理するならば、貸倒引当金繰入額は¥(①)である。

【問2】決算につき、当期の法人税、住民税及び事業税として税引前当期純利益¥254,000の30%を計上する。法人税等の中間納付額が¥42,000であるとき、未払法人税等勘定の金額は¥(②)である。

【問3】決算整理前残高試算表における仮受消費税が¥215,000で、仮払消費税が¥210,000であったが、決算において材料の仕入¥300,000(税抜)および完成工事代金¥1,000,000(税抜)の受け取りの処理が未処理であった。このとき、未払消費税の金額は¥(③)である。なお、消費税の会計処理については税抜方式(税率10%)を採用している。

【問4】消費税の会計処理については税抜方式を採用している。期末における仮受消費税が¥(④)で、仮払消費税が¥343,000であるとき、未収消費税は¥88,000である。

【問5】退職給付引当金については、期末自己都合要支給額を計上している。前期末の自己都合要支給額が¥500,000(管理部門¥170,000、施工部門¥330,000)で、当期末が¥560,000(管理部門¥194,000、施工部門¥366,000)であるとき、退職給付引当金の繰入額のうち、販売費及び一般管理費となるものは¥(⑤)、工事原価となるものは¥(⑥)である。なお、当期中に管理部門から退職者が発生し、その退職金¥6,000の支払いは退職給付引当金で処理されている。




解答

①13,000

②34,200

③75,000

④255,000

⑤30,000

⑥36,000

解説

【問1】の取引

貸し倒れの仕訳

借方科目金額貸方科目金額
貸倒引当金28,000完成工事未収入金48,000
貸倒損失20,000

当期の完成工事高に係る完成工事未収入金が貸し倒れとなったときは、その全額を「貸倒損失」として処理します。貸倒引当金を取り崩すことはしないので注意してください。

貸倒引当金の計上

借方科目金額貸方科目金額
貸倒引当金繰入額13,000貸倒引当金13,000

¥3,500,000×1%ー貸倒引当金の残高¥22,000(※)=¥13,000

(※)前期末の貸倒引当金¥50,000ー貸倒¥28,000

【問2】の取引

借方科目金額貸方科目金額
法人税、住民税及び事業税76,200仮払法人税等42,000
未払法人税等34,200

法人税、住民税及び事業税:税引前当期純利益¥254,000×30%=¥76,200

未払法人税等の金額は中間納付額(仮払法人税等)との差額で求めます。

【問3】の取引

未処理事項(材料の仕入)

借方科目金額貸方科目金額
材料300,000工事未払金330,000
仮払消費税30,000

未処理事項(完成工事代金の受取)

借方科目金額貸方科目金額
完成工事未収入金1,100,000完成工事高1,000,000
仮受消費税100,000

未払消費税の計上

借方科目金額貸方科目金額
仮受消費税315,000仮払消費税240,000
未払消費税75,000

仮受消費税:前T/B¥215,000+¥100,000=¥315,000

仮払消費税:前T/B¥210,000+¥30,000=¥240,000

【問4】の取引

「仮受<仮払」の場合は将来消費税の還付を受けることができます。そこで、この金額を未収消費税勘定(資産)で処理します。

借方科目金額貸方科目金額
仮受消費税255,000仮払消費税343,000
未収消費税88,000

仮受消費税の金額は貸借差額で求めます。

【問5】の取引

期末の要支給額を退職給付引当金の設定額としているので、当期末の要支給額と前期末の要支給額との差額で繰入額を求めます。

管理部門

借方科目金額貸方科目金額
販売費及び一般管理費
(退職給付引当金繰入額)
30,000退職給付引当金30,000

当期末の要支給額¥194,000ー(前期末の要支給額¥170,000ー取崩¥6,000)=繰入額¥30,000

MEMO

期中に¥6,000が退職給付引当金の取り崩しによって減少しているということも考慮してください。

施行部門

借方科目金額貸方科目金額
未成工事支出金
(退職給付引当金繰入額)
36,000退職給付引当金36,000

当期末の要支給額¥366,000ー前期末の要支給額¥330,000=繰入額¥36,000

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