
どうもこんにちは。少し長くなりますよ。
例題1は「期末商品」に含まれる未実現利益の消去です。
連結修正仕訳(売上原価 ×××/商品 ×××)の意味は次のようになります。
【貸方】未実現利益が消去された分だけ「商品」の金額が減る。
【借方】期末商品が減るので「売上原価」が増える(利益を取り消す)。
※あくまでも利益は連結外部に販売することによって実現します。連結内部の取引による利益は未実現利益として取り消します。
一方、例題2は「期首商品」に含まれる未実現利益の消去です。開始仕訳を忘れないように注意してください。
開始仕訳では、前期末の連結集仕訳(売上原価 ×××/商品 ×××)を再び行うわけですが、借方の「売上原価」が「利益剰余金当期首残高」に変わります。
①(開始仕訳)利益剰余金当期首残高 ×××/商品 ×××
なぜなら、前期までの利益はB/Sの「利益剰余金」に変わっているからです。つまり「(前期の)売上原価が増える→(前期の)利益が減る→利益剰余金が減る」という流れです。
もし、前期の連結修正仕訳(売上原価 ×××/商品 ×××)をそのまま当期に持ってきてしまうと、当期の売上原価を増加させてしまう(当期の利益を減らしてしまう)ため、開始仕訳ではP/L項目は「利益剰余金当期首残高」に変わるわけです(つまり過去の利益の累計額である「利益剰余金」を増減させて修正するということです)。
そして、当期の「期首商品」に含まれる未実現利益の消去を行います。これは例題1の逆仕訳です。
②「期末商品」に含まれる未実現利益の消去
商品 ×××/売上原価 ×××
①と②を合算したものが「期首商品」に含まれる未実現利益の消去にかかる連結修正仕訳となります。
利益剰余金当期首残高 ×××/売上原価 ×××
要するに何をやっているかというと、
【借方】前期の利益(利益剰余金)を取り消して、
【貸方】当期の利益を増やす
ということです。
前期の未実現利益が当期に(商品を外部に販売したことによって)実現したということです。
ザックリ言うと、前期の利益を当期にスライドさせてやるということですね。